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「ど、どうすりゃいいんだ……」
目の前は地平線まで深緑に輝く木々が茂り真っ青な空には綿菓子やシュークリームのような真っ白な雲。しかしそのとてもすがすがしい自然の光景に浸っていたのも数秒だけ。
「どうやって降りよう」
志郎が転送されたのは、断崖絶壁にちょこんと突き出した岩棚の上。ワンルームマンションのベランダほどの広さで横になって寝られそうな広さがあるが、上を見ても登れる気がしないし、下を見ても降りられる気がしないほどの高さだ。
「まあ、飛び降りても大丈夫だとは思うが……」
前回の異世界召喚でははるか上空から島に落ちても無事だったことを考えるとこれくらいの高さは大丈夫だろう。とは思うがやはり飛び降りるのはためらう高さだ。
『あははは。またまた変なとこに転送しちゃったみたいねえ』
うれしそうな声が志郎の頭の中に聞こえてきた。
「ふう。なあエロ女神。お前楽しんでるだろ?」
『ううん、そんなことないよお。あははは。でもわくわくしちゃうわぁ』
「それを楽しんでるって言うんだエロボケ女神!」
『いやん。うふっ』
「喜ぶな!」
ぜぇぜぇと肩を上下させる志郎。
『そうそう、スラーデの召喚師にシローがいるとこを教えといたから近いうちに迎えに来てくれるからねぇ。それまでなんとか頑張っててね。それじゃあねぇ』
「ちょっと待て、お、おいエロ女神!」
女神ターシァからの返事はなかった。
「くそっ、あのエロボケ女神め!今度会ったらあのでっかいむ……、やめとこう」
『いやん、やめないでぇ。その両手で揉みしだいてぇ~。あはん』
「お約束だなお前」
岩棚の上。周囲を見渡してどうしようかと悩んでいると何かの影が志郎の上を通った。
「ん?なんだ?」
上空を見上げた志郎は驚愕に驚いてびっくりして仰天した。
「なんじゃああれはぁぁぁぁぁ!」
とてつもない巨大な鳥が舞っていた。
「で、でかい。テロチルスかベムスター、ガッパとかラドンとかよりでかいぞ!……って誰もしらないだろうけど、とにかくでかい!」
そんな巨鳥が悠然と空を舞っている。「空中散歩かな?」と思ったらその目が志郎とバッチリ合った。合ってしまった。
「うわっ!」
キュエエエエエエエ!
「まるで魔獣のようだな。って魔獣だよなあれ。うわあ、どないしよ」
おろおろしているとその巨鳥は上空からゆっくりと降下し始めた。と思ったらまっすぐ志郎に向かってきた。
「うわわわわわ。逃げないと!で、でも逃げ場が無い!」
おろおろしていると巨鳥はすぐ目の前まで飛んできた。と思ったらその鋭い嘴が志郎に向かってきた。
「うぎゃああああああ!」
思わず姿勢を低くして丸まったが、志郎は巨鳥の鉤爪に捕らわれてしまった。
「誰かぁぁぁぁ!助けてくれぇぇぇぇぇ!」
鉤爪に掴まれた志郎は巨鳥と一緒に空の散歩に連れられてしまった。
「あわわわわ。離せ!離せったら離せ!……いや、今離されたら落とされるから離さないでね」
志郎は遥か下に見える森を見て鉤爪を握った。
「でも、どこに連れてくんだろう?まさかヒナの餌になるんじゃないだろうな」
不安を抱えつつ巨鳥に連れられる志郎。もう一度下を見るとさっきまでいた岩壁の岩棚が見えた。そこから視線を上げていくとそのてっぺんが見えた。そこはどうやら山のようでなんと高い山が縦に真っ二つになったようだった。ただ山の半分は無いようだがと周囲を見渡す。
「ん?あれは……」
その山の頂上に何やら窪みがあった。そしてそれを見た志郎はため息をついた。
「やっぱり……」
その窪みには一羽のヒナがいた。ヒナといってもかなりでかい。そのヒナが戻ってきた親だろう巨鳥に気づくと何度も大きく嘴をパクパクさせていた。
「喰われてたまるか!」
志郎はタイミングを計った。ヒナに食べさせるなら鉤爪から自分を離さないといけない。それが逃げるチャンスだ。そして巣の周囲を見ると岩壁とは逆の方は木々が茂っている。そこから山を降りて人里を目指せばいいと。
「よしっ!喰われてたまるか!」
巨鳥は巣に近づくとその鉤爪を拡げて志郎を巣の中に落とした。
「よしっ!計算通り!」
志郎は巣の底に足が着くと同時に底を蹴って思いっきり跳んだ。
「おりゃああああ!」
志郎を食べようとしていたヒナを飛び越え巣の端も飛び越えおまけに山まで飛び越えてしまった。
「うわあああああ、飛びすぎぃぃぃぃ!」
志郎は山の遥か向こうまで跳んでいった。
バッシャーーーーーン!
水柱を上げて志郎は湖に落下した。
数秒後水面に顔を出した志郎。
「ふうふう、はあはあ。な、なんちゅうこっちゃこれは」
飛んできた方を見ると巨鳥の巣があった山が遥か向こうに見えた。
「……。跳躍というより飛行だな。ほんとなんてすごい力だ。ほんとチートすげぇ」
志郎は自分の力に関心するやらあきれるやら悩みかけたが、まっいいかと岸に向かって泳いだ。
「確かあのエロ女神はスラーデの召喚師が俺を迎えに来てくれるって言ってたよな」
目の前には水がたんまりあるし周囲は森で食べられそうな果実や動物も多く志郎は前回と同様鼻歌交じりに救助を待つことにした。
それから二週間。森で採った果実をかじりながらボケーっとしていると湖の対岸に誰かが倒れたのが見えた。どうやら森から出てきたようでそのままふらふらと水際まで来て力尽きて倒れたようだった。
「なんだ?行き倒れか?」
しばらく見つめていたがまったく動かないのを不審に思い対岸に行くことにした。
膝を曲げてせえのでジャンプ。志郎はわりと広い湖の対岸まで跳躍した。
うつ伏せで倒れていたのは少女だった。赤い髪が拡がり身動きひとつしてない。
志郎は近づき少女の横にしゃがみ込むと声をかけた。
「おい、大丈夫か?おい」
だが反応無し。
肩を叩いてみるがやはり反応なし。志郎は仕方なく少女を仰向けにする。が、その傷だらけの顔を見て眉間を寄せた。
「おいおい、傷だらけじゃねえか。おまけにローブも服もボロボロだし。何があったんだろ?……どうやら一人で森を抜けてきたみたいだけど……。あっ!」
そのボロボロの服の間から巨大な山が見え隠れしていた。山頂は見えないが山腹がよく見える。しかも弾力がありそうに志郎が少女の肩を叩くと大きく揺れた。
「うっ、いかん!あのエロ女神を思い出してしまう。見ないように見ないように……と」
志郎はひとつ深呼吸をすると少女の頬をペチペチ叩く。だが起きる気配がない。
「もしかして救助の召喚師かなあ?」
いろいろ考えようとしたが今は助けないとと少女を抱きかかえてまた元の対岸までジャンプして戻った。
志郎は治癒の魔法を使い少女の顔や身体じゅうにある大小様々な傷を治したのだった。
そして数十分後。その少女が身じろぎをして目を覚ました。
「おっ、起きたか?体調はどうだ?」
「え、……あれ?ここは?あたしどうして……。魔獣はどこに行ったの……?」
まだはっきりとしていない頭をフル回転させて状況把握をしようとしているがどうやら混乱しているようで髪と同じ赤い瞳をキョロキョロさせている。。
「魔獣?大丈夫だ、ここには魔獣はいないから安心しろ。それより喉乾いてるだろ。ほら」
と言ってコップを少女の目の前に差し出す。
「……」
少女は無言でそれを受け取ると喉を鳴らしてゴクゴク飲んだ。
「ふう、おいしかった」
「それと腹減ってるんじゃないか?」
と志郎がコップを受け取りながら訪ねた。
「へ?そういえばお腹すいたかも……」
志郎は森で採った果物や狩った小動物の肉を焼いたものを木でできた皿にのせるとその少女に手渡した。
「ほらよ。味が薄いけど喰うに耐えないほどじゃないから食べてくれ。飲み物は水しかないけどな」
とコップに水魔法で出した水を注いだ。
「あ、はい。えと、あの、ありがとうございます」
少女は皿を受け取ると木でできたフォークで肉を突き刺して口に運んだ。
「あっ、おいしい。これおいしいです」
と言ってバクバクと食べ勧める少女。志郎は黙って凄い勢いで肉を口に運ぶ少女を微笑みながら見つめていた。
「ごちそうさまでした。あの、えと、その……、ありがとうございました」
皿とフォークを置くと深々と頭を下げる少女。
「よかった。元気になったようだな」
「はい。あの、あたし……」
何かを言おうとした少女を制し志郎が話かけた。
「森から出てきて湖の岸で倒れたんだけど、覚えてるか?それで何があったんだ?」
「えと、あのですね。あたしはスラーデから来た召喚師のジオラと言います。召喚師といってもまだまだ未熟者で、えと、魔術師長様からのご命令で、ここの森のどこかにいる勇者様を捜してスラーデにお連れしろと言われまして、えと、十人のパーティーで来たのですが……。みんな魔獣に殺られてしまって。とうとうあたし一人になってしまって。それで逃げてるうちに自分がどこにいるのかわからなくなって。それであっちこっちウロウロ歩き回って……」
「つまり、迷子になったと」
「あ、はい」
としゅんとなるジオラ。
「でも、そうだったのか。悪かったなこんなところまで来させてしまって」
すまなさそうな志郎。
「へ?ももももしかして、あなた様が勇者様ですか?!」
志郎の目の前まで顔を寄せてくるジオラ。
「わっ!そ、そうだけど、ちょっと近いっ、近いってジオラさん!」
「あっ、すみません勇者様。あの、えと、お迎えが遅くなり申し訳ございません!」
と言って地面に頭を擦り付けて謝罪するジオラ。
「ちょっ、ちょっと待てい!頭下げるな!」
「でも……」
「いいから頭上げろ!俺はそんな風にされるのが一番嫌なんだ!だから頭を上げろ!」
「あ、はい。申し訳ございません勇者様」
「それからその’勇者様’ってのも禁止な。俺の名前は志郎、本郷志郎だ」
「へ?あ、はい。それではシロー様とお呼びさせてください」
「お、おう」
本当は様付けも嫌なんだがなと言おうとしたがうれしそうにシロー様シロー様と呟くのを見てまあいいかと志郎は頭をかいた。
「でだ、いくつか聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「あ、はい。なんなりと。なんでもお答えします。えーと、例えばですね、あたしの身長は百五十五シムでスリーサイズはですね上から九十……」
「ちょっと待てぃ!いいから、そんなことはいいから。っていうかなんでいきなりスリーサイズなんだ?!」
「へ?なんでって……。シロー様を召喚した魔術師長が女神様からシロー様は巨乳がお好みだと。なのであたしがシロー様のお迎えに選ばれました。ど、どうぞご覧くださいっ!」
ジオラは目を強く瞑るとローブとともに中に着ていたボロボロの服をめく……れなかった。
「だから待てぃ!見せんでいいから見せんで!」
その手を志郎が止めた。
「へ?あの、いいんですか?巨乳、お嫌いでした……?」
「あ、いや、嫌いじゃないし、むしろ好きだけど……。って俺は何を言ってるんだ。ま、まあ、とにかくだなそんなことはしなくていいから、わかったか!」
「へ?はあ。でもそれじゃあたしがお迎えに来た理由が……。この身体でシロー様をメロメロにしろって言われたのにぃ……、くすん」
「なんだそれは?そんなこと言われたのか?まさか女神がそう言ったんじゃないだろうな」
「ち、違います!……たぶん違いますと思います。魔術師長が……、いえ、なんでもありません」
目を泳がせるジオラ。
「(ハニートラップで俺を利用するつもりなのか……)」
眉間を寄せる志郎。
「まあいい。最初に尋ねたいのはだな、えと、スラーデは魔族に襲われているのか?俺は女神からそう聞かされたんだが」
「はい?スラーデが魔族にですか?いえ、そんなことは……、あっ!」
と言って両手で口を押えてキョロキョロと目があちこち動いた。
「……。なーんかそんな気がした」
そんなジオラを見て腕を組む志郎。
「いえ、あの、シロー様。えとですね、あのですね」
全然話が続かない。
「なあジオラ」
「あ、はい」
と身体を固くして志郎を見つめた。
「魔術師長とか国王とかになんて言われたんだ?大丈夫だ、俺は正義の味方だ!」
と自分の言ったことについ恥ずかしくなり拳を震わせる志郎。
「シ、シロー様……。うう、うわああああああん!」
志郎の手の震えが怒りからきたのだと勘違いして号泣するジオラ。
ジオラの言うのはこうだった。
数年ほど前までは国民想いの良き国王とその国王を慕う民とでスラーデはとても良い国だった。
だが2年ほど前から魔術師長がその国王の側近となった。そして次第に国王は民を虐げ、軍隊を私利私欲のために使うようになった。有効な国交をしていた隣のイースカムデ国に戦を仕掛け民を奴隷にしたり財宝を奪ったりした。
そしてそのまた隣のズーオダ国に攻め入ったがズーオダはとても強くなかなか落とすことができない。そこで異世界から使えそうな者を召喚しズーオダを攻めさせようと魔術師長自らが女神に祈願したのだった。
「それってその魔術師長が悪の根源だってことわかってるんだろ?ならなんで魔術師長を始末しないんだ?」
「は、はい……。それがですね。あたしにもよくわかんないんですけど……。魔術師長様は不老不死の妙薬を飲んだと噂されてまして、殺しても死なないそうなんです」
とジオラは肩を落とす。
「不老不死か……。やっかいだな。でもなんとかしたいよなそれ」
と少し目を吊り上げる志郎。その目を見て少しうれしくなるジオラ。
「まあ、とにかくスラーデに行ってみようか。魔術師長をどうにかするのは会ってからだな」
とジオラの小さな肩をポンと叩いた。
「……シロー様……」
赤い瞳から涙が一筋頬を流れ落ちた。
目の前は地平線まで深緑に輝く木々が茂り真っ青な空には綿菓子やシュークリームのような真っ白な雲。しかしそのとてもすがすがしい自然の光景に浸っていたのも数秒だけ。
「どうやって降りよう」
志郎が転送されたのは、断崖絶壁にちょこんと突き出した岩棚の上。ワンルームマンションのベランダほどの広さで横になって寝られそうな広さがあるが、上を見ても登れる気がしないし、下を見ても降りられる気がしないほどの高さだ。
「まあ、飛び降りても大丈夫だとは思うが……」
前回の異世界召喚でははるか上空から島に落ちても無事だったことを考えるとこれくらいの高さは大丈夫だろう。とは思うがやはり飛び降りるのはためらう高さだ。
『あははは。またまた変なとこに転送しちゃったみたいねえ』
うれしそうな声が志郎の頭の中に聞こえてきた。
「ふう。なあエロ女神。お前楽しんでるだろ?」
『ううん、そんなことないよお。あははは。でもわくわくしちゃうわぁ』
「それを楽しんでるって言うんだエロボケ女神!」
『いやん。うふっ』
「喜ぶな!」
ぜぇぜぇと肩を上下させる志郎。
『そうそう、スラーデの召喚師にシローがいるとこを教えといたから近いうちに迎えに来てくれるからねぇ。それまでなんとか頑張っててね。それじゃあねぇ』
「ちょっと待て、お、おいエロ女神!」
女神ターシァからの返事はなかった。
「くそっ、あのエロボケ女神め!今度会ったらあのでっかいむ……、やめとこう」
『いやん、やめないでぇ。その両手で揉みしだいてぇ~。あはん』
「お約束だなお前」
岩棚の上。周囲を見渡してどうしようかと悩んでいると何かの影が志郎の上を通った。
「ん?なんだ?」
上空を見上げた志郎は驚愕に驚いてびっくりして仰天した。
「なんじゃああれはぁぁぁぁぁ!」
とてつもない巨大な鳥が舞っていた。
「で、でかい。テロチルスかベムスター、ガッパとかラドンとかよりでかいぞ!……って誰もしらないだろうけど、とにかくでかい!」
そんな巨鳥が悠然と空を舞っている。「空中散歩かな?」と思ったらその目が志郎とバッチリ合った。合ってしまった。
「うわっ!」
キュエエエエエエエ!
「まるで魔獣のようだな。って魔獣だよなあれ。うわあ、どないしよ」
おろおろしているとその巨鳥は上空からゆっくりと降下し始めた。と思ったらまっすぐ志郎に向かってきた。
「うわわわわわ。逃げないと!で、でも逃げ場が無い!」
おろおろしていると巨鳥はすぐ目の前まで飛んできた。と思ったらその鋭い嘴が志郎に向かってきた。
「うぎゃああああああ!」
思わず姿勢を低くして丸まったが、志郎は巨鳥の鉤爪に捕らわれてしまった。
「誰かぁぁぁぁ!助けてくれぇぇぇぇぇ!」
鉤爪に掴まれた志郎は巨鳥と一緒に空の散歩に連れられてしまった。
「あわわわわ。離せ!離せったら離せ!……いや、今離されたら落とされるから離さないでね」
志郎は遥か下に見える森を見て鉤爪を握った。
「でも、どこに連れてくんだろう?まさかヒナの餌になるんじゃないだろうな」
不安を抱えつつ巨鳥に連れられる志郎。もう一度下を見るとさっきまでいた岩壁の岩棚が見えた。そこから視線を上げていくとそのてっぺんが見えた。そこはどうやら山のようでなんと高い山が縦に真っ二つになったようだった。ただ山の半分は無いようだがと周囲を見渡す。
「ん?あれは……」
その山の頂上に何やら窪みがあった。そしてそれを見た志郎はため息をついた。
「やっぱり……」
その窪みには一羽のヒナがいた。ヒナといってもかなりでかい。そのヒナが戻ってきた親だろう巨鳥に気づくと何度も大きく嘴をパクパクさせていた。
「喰われてたまるか!」
志郎はタイミングを計った。ヒナに食べさせるなら鉤爪から自分を離さないといけない。それが逃げるチャンスだ。そして巣の周囲を見ると岩壁とは逆の方は木々が茂っている。そこから山を降りて人里を目指せばいいと。
「よしっ!喰われてたまるか!」
巨鳥は巣に近づくとその鉤爪を拡げて志郎を巣の中に落とした。
「よしっ!計算通り!」
志郎は巣の底に足が着くと同時に底を蹴って思いっきり跳んだ。
「おりゃああああ!」
志郎を食べようとしていたヒナを飛び越え巣の端も飛び越えおまけに山まで飛び越えてしまった。
「うわあああああ、飛びすぎぃぃぃぃ!」
志郎は山の遥か向こうまで跳んでいった。
バッシャーーーーーン!
水柱を上げて志郎は湖に落下した。
数秒後水面に顔を出した志郎。
「ふうふう、はあはあ。な、なんちゅうこっちゃこれは」
飛んできた方を見ると巨鳥の巣があった山が遥か向こうに見えた。
「……。跳躍というより飛行だな。ほんとなんてすごい力だ。ほんとチートすげぇ」
志郎は自分の力に関心するやらあきれるやら悩みかけたが、まっいいかと岸に向かって泳いだ。
「確かあのエロ女神はスラーデの召喚師が俺を迎えに来てくれるって言ってたよな」
目の前には水がたんまりあるし周囲は森で食べられそうな果実や動物も多く志郎は前回と同様鼻歌交じりに救助を待つことにした。
それから二週間。森で採った果実をかじりながらボケーっとしていると湖の対岸に誰かが倒れたのが見えた。どうやら森から出てきたようでそのままふらふらと水際まで来て力尽きて倒れたようだった。
「なんだ?行き倒れか?」
しばらく見つめていたがまったく動かないのを不審に思い対岸に行くことにした。
膝を曲げてせえのでジャンプ。志郎はわりと広い湖の対岸まで跳躍した。
うつ伏せで倒れていたのは少女だった。赤い髪が拡がり身動きひとつしてない。
志郎は近づき少女の横にしゃがみ込むと声をかけた。
「おい、大丈夫か?おい」
だが反応無し。
肩を叩いてみるがやはり反応なし。志郎は仕方なく少女を仰向けにする。が、その傷だらけの顔を見て眉間を寄せた。
「おいおい、傷だらけじゃねえか。おまけにローブも服もボロボロだし。何があったんだろ?……どうやら一人で森を抜けてきたみたいだけど……。あっ!」
そのボロボロの服の間から巨大な山が見え隠れしていた。山頂は見えないが山腹がよく見える。しかも弾力がありそうに志郎が少女の肩を叩くと大きく揺れた。
「うっ、いかん!あのエロ女神を思い出してしまう。見ないように見ないように……と」
志郎はひとつ深呼吸をすると少女の頬をペチペチ叩く。だが起きる気配がない。
「もしかして救助の召喚師かなあ?」
いろいろ考えようとしたが今は助けないとと少女を抱きかかえてまた元の対岸までジャンプして戻った。
志郎は治癒の魔法を使い少女の顔や身体じゅうにある大小様々な傷を治したのだった。
そして数十分後。その少女が身じろぎをして目を覚ました。
「おっ、起きたか?体調はどうだ?」
「え、……あれ?ここは?あたしどうして……。魔獣はどこに行ったの……?」
まだはっきりとしていない頭をフル回転させて状況把握をしようとしているがどうやら混乱しているようで髪と同じ赤い瞳をキョロキョロさせている。。
「魔獣?大丈夫だ、ここには魔獣はいないから安心しろ。それより喉乾いてるだろ。ほら」
と言ってコップを少女の目の前に差し出す。
「……」
少女は無言でそれを受け取ると喉を鳴らしてゴクゴク飲んだ。
「ふう、おいしかった」
「それと腹減ってるんじゃないか?」
と志郎がコップを受け取りながら訪ねた。
「へ?そういえばお腹すいたかも……」
志郎は森で採った果物や狩った小動物の肉を焼いたものを木でできた皿にのせるとその少女に手渡した。
「ほらよ。味が薄いけど喰うに耐えないほどじゃないから食べてくれ。飲み物は水しかないけどな」
とコップに水魔法で出した水を注いだ。
「あ、はい。えと、あの、ありがとうございます」
少女は皿を受け取ると木でできたフォークで肉を突き刺して口に運んだ。
「あっ、おいしい。これおいしいです」
と言ってバクバクと食べ勧める少女。志郎は黙って凄い勢いで肉を口に運ぶ少女を微笑みながら見つめていた。
「ごちそうさまでした。あの、えと、その……、ありがとうございました」
皿とフォークを置くと深々と頭を下げる少女。
「よかった。元気になったようだな」
「はい。あの、あたし……」
何かを言おうとした少女を制し志郎が話かけた。
「森から出てきて湖の岸で倒れたんだけど、覚えてるか?それで何があったんだ?」
「えと、あのですね。あたしはスラーデから来た召喚師のジオラと言います。召喚師といってもまだまだ未熟者で、えと、魔術師長様からのご命令で、ここの森のどこかにいる勇者様を捜してスラーデにお連れしろと言われまして、えと、十人のパーティーで来たのですが……。みんな魔獣に殺られてしまって。とうとうあたし一人になってしまって。それで逃げてるうちに自分がどこにいるのかわからなくなって。それであっちこっちウロウロ歩き回って……」
「つまり、迷子になったと」
「あ、はい」
としゅんとなるジオラ。
「でも、そうだったのか。悪かったなこんなところまで来させてしまって」
すまなさそうな志郎。
「へ?ももももしかして、あなた様が勇者様ですか?!」
志郎の目の前まで顔を寄せてくるジオラ。
「わっ!そ、そうだけど、ちょっと近いっ、近いってジオラさん!」
「あっ、すみません勇者様。あの、えと、お迎えが遅くなり申し訳ございません!」
と言って地面に頭を擦り付けて謝罪するジオラ。
「ちょっ、ちょっと待てい!頭下げるな!」
「でも……」
「いいから頭上げろ!俺はそんな風にされるのが一番嫌なんだ!だから頭を上げろ!」
「あ、はい。申し訳ございません勇者様」
「それからその’勇者様’ってのも禁止な。俺の名前は志郎、本郷志郎だ」
「へ?あ、はい。それではシロー様とお呼びさせてください」
「お、おう」
本当は様付けも嫌なんだがなと言おうとしたがうれしそうにシロー様シロー様と呟くのを見てまあいいかと志郎は頭をかいた。
「でだ、いくつか聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「あ、はい。なんなりと。なんでもお答えします。えーと、例えばですね、あたしの身長は百五十五シムでスリーサイズはですね上から九十……」
「ちょっと待てぃ!いいから、そんなことはいいから。っていうかなんでいきなりスリーサイズなんだ?!」
「へ?なんでって……。シロー様を召喚した魔術師長が女神様からシロー様は巨乳がお好みだと。なのであたしがシロー様のお迎えに選ばれました。ど、どうぞご覧くださいっ!」
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「だから待てぃ!見せんでいいから見せんで!」
その手を志郎が止めた。
「へ?あの、いいんですか?巨乳、お嫌いでした……?」
「あ、いや、嫌いじゃないし、むしろ好きだけど……。って俺は何を言ってるんだ。ま、まあ、とにかくだなそんなことはしなくていいから、わかったか!」
「へ?はあ。でもそれじゃあたしがお迎えに来た理由が……。この身体でシロー様をメロメロにしろって言われたのにぃ……、くすん」
「なんだそれは?そんなこと言われたのか?まさか女神がそう言ったんじゃないだろうな」
「ち、違います!……たぶん違いますと思います。魔術師長が……、いえ、なんでもありません」
目を泳がせるジオラ。
「(ハニートラップで俺を利用するつもりなのか……)」
眉間を寄せる志郎。
「まあいい。最初に尋ねたいのはだな、えと、スラーデは魔族に襲われているのか?俺は女神からそう聞かされたんだが」
「はい?スラーデが魔族にですか?いえ、そんなことは……、あっ!」
と言って両手で口を押えてキョロキョロと目があちこち動いた。
「……。なーんかそんな気がした」
そんなジオラを見て腕を組む志郎。
「いえ、あの、シロー様。えとですね、あのですね」
全然話が続かない。
「なあジオラ」
「あ、はい」
と身体を固くして志郎を見つめた。
「魔術師長とか国王とかになんて言われたんだ?大丈夫だ、俺は正義の味方だ!」
と自分の言ったことについ恥ずかしくなり拳を震わせる志郎。
「シ、シロー様……。うう、うわああああああん!」
志郎の手の震えが怒りからきたのだと勘違いして号泣するジオラ。
ジオラの言うのはこうだった。
数年ほど前までは国民想いの良き国王とその国王を慕う民とでスラーデはとても良い国だった。
だが2年ほど前から魔術師長がその国王の側近となった。そして次第に国王は民を虐げ、軍隊を私利私欲のために使うようになった。有効な国交をしていた隣のイースカムデ国に戦を仕掛け民を奴隷にしたり財宝を奪ったりした。
そしてそのまた隣のズーオダ国に攻め入ったがズーオダはとても強くなかなか落とすことができない。そこで異世界から使えそうな者を召喚しズーオダを攻めさせようと魔術師長自らが女神に祈願したのだった。
「それってその魔術師長が悪の根源だってことわかってるんだろ?ならなんで魔術師長を始末しないんだ?」
「は、はい……。それがですね。あたしにもよくわかんないんですけど……。魔術師長様は不老不死の妙薬を飲んだと噂されてまして、殺しても死なないそうなんです」
とジオラは肩を落とす。
「不老不死か……。やっかいだな。でもなんとかしたいよなそれ」
と少し目を吊り上げる志郎。その目を見て少しうれしくなるジオラ。
「まあ、とにかくスラーデに行ってみようか。魔術師長をどうにかするのは会ってからだな」
とジオラの小さな肩をポンと叩いた。
「……シロー様……」
赤い瞳から涙が一筋頬を流れ落ちた。
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大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
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※全11話 2万字程度の話です。
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