36 / 76
(35) 同じは無い
しおりを挟む
ノエミ・セレナ・バデロッサ公爵令嬢。診療所に入所した患者である。に。してから数日
後に担当医師である治療魔法院へ報告にハーパー店長はやって来ていた。
腕の良い治療魔法師だけに、今日も患者が列をつくっている。診療所へ入った彼は、何かに気がついて足を止めた。
(この波動は、ヘルミーナ様の波動だ。入らしてるのか?)
来るとは聞いてないが、他の用だったのだろうか。波動の方向へ顔を向けたハーパー店長は裕福な身なりの息女に戸惑った。ヘルミーナでは無い。黒髪は似ているが。
「ベアトリーチェさん、気分はどう?」
似た面立ちの金持ちの夫人が側によって話かける。どちらも、美しい。異国の者のようだが。
「お母さん、大丈夫。少し、気分がいいの。」
どうやら、母娘で娘が病人らしい。見つめるハーパー店長に気がついて、母親は娘を隠すようにして足早に出て行った。訳ありのようだ。
ゴメス商会の会長であるドルウ・ゴメスは、普段は様々な国に作った支店を巡回して留守が多い。久しぶりに来たスタンレー国の支店で店長から報告を受ける。
「イトウ子爵家の療養所は、上手くいってるようだな。患者の容態が良くなってるのか?」
「はい、数日で起き上がれるように。」
「それは、素晴らしい。そういう呪われた土地の利用価値があるとはな。新しい事業として、他の国にも展開できるように進めてくれ。ヘルミーナ様は、アイデアが素晴らしい。天才だな。」
「そのヘルミーナ様なんですが、気になる事がありまして。」
「何だ、ハーパー店長?」
「治療魔法の診療所で、ヘルミーナ様と同じ波動を持った娘に遭遇しまして。どうも、気にかかるんです。同じ波動は居る者なんですか?」
「同じ波動だって?それは、興味深いな。何故なら、有り得ないからだ。」
波を身体から出すのは、持っている魔力のせいであった。魔力は、生きている。息をするように、波動を出す。それぞれの生態エネルギーが異なる為に同じ物は生まれないのだ。
ゴメスは、ハッキリと口に出した。
「無いはずの物が有る。それは、偶然では無いだろう。すると、悪意が見えるだけだ。調べる価値は有りそうだな。ヘルミーナ様は、ゴメス商会の大事なコンサルタントだぞ。」
ゴメスが乗り出す。彼の手から逃れる事は出来ない。ゴメスが強い魔法の使い手だというのは、影では知られている。まだ、全ての魔法を出しきっていない事から恐れられてもいる人物だ。必ず、詳細が明らかになるだろう。
後に担当医師である治療魔法院へ報告にハーパー店長はやって来ていた。
腕の良い治療魔法師だけに、今日も患者が列をつくっている。診療所へ入った彼は、何かに気がついて足を止めた。
(この波動は、ヘルミーナ様の波動だ。入らしてるのか?)
来るとは聞いてないが、他の用だったのだろうか。波動の方向へ顔を向けたハーパー店長は裕福な身なりの息女に戸惑った。ヘルミーナでは無い。黒髪は似ているが。
「ベアトリーチェさん、気分はどう?」
似た面立ちの金持ちの夫人が側によって話かける。どちらも、美しい。異国の者のようだが。
「お母さん、大丈夫。少し、気分がいいの。」
どうやら、母娘で娘が病人らしい。見つめるハーパー店長に気がついて、母親は娘を隠すようにして足早に出て行った。訳ありのようだ。
ゴメス商会の会長であるドルウ・ゴメスは、普段は様々な国に作った支店を巡回して留守が多い。久しぶりに来たスタンレー国の支店で店長から報告を受ける。
「イトウ子爵家の療養所は、上手くいってるようだな。患者の容態が良くなってるのか?」
「はい、数日で起き上がれるように。」
「それは、素晴らしい。そういう呪われた土地の利用価値があるとはな。新しい事業として、他の国にも展開できるように進めてくれ。ヘルミーナ様は、アイデアが素晴らしい。天才だな。」
「そのヘルミーナ様なんですが、気になる事がありまして。」
「何だ、ハーパー店長?」
「治療魔法の診療所で、ヘルミーナ様と同じ波動を持った娘に遭遇しまして。どうも、気にかかるんです。同じ波動は居る者なんですか?」
「同じ波動だって?それは、興味深いな。何故なら、有り得ないからだ。」
波を身体から出すのは、持っている魔力のせいであった。魔力は、生きている。息をするように、波動を出す。それぞれの生態エネルギーが異なる為に同じ物は生まれないのだ。
ゴメスは、ハッキリと口に出した。
「無いはずの物が有る。それは、偶然では無いだろう。すると、悪意が見えるだけだ。調べる価値は有りそうだな。ヘルミーナ様は、ゴメス商会の大事なコンサルタントだぞ。」
ゴメスが乗り出す。彼の手から逃れる事は出来ない。ゴメスが強い魔法の使い手だというのは、影では知られている。まだ、全ての魔法を出しきっていない事から恐れられてもいる人物だ。必ず、詳細が明らかになるだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
234
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる