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潮目
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一方、ジョーカーは、ジャックを翻弄できていることでさらに気分が高揚していた。
『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すっ!!』
人間のような明確に言語化されたそれではなくても意味としてはそういう思考が頭を支配し、そのためだけに自身の肉体を極限まで利用した。彼にとっては自らの肉体すらただの道具に過ぎないのだろう。
己の狂気を具現化させるための道具に。
そんな異様な相手に対しても、ジャックは冷静だった。自身を信じ、ジョーカーに対して攻撃を続けた。当たらなくても構わない。こうして自分が立ち続けていることが重要なのだ。ジョーカーの猛攻を受けてもなお立っていられることが。
すると、ジョーカーの仲間達の様子が明らかに変わってきた。ジョーカーとクイーンの狂気に中てられて熱狂していたのが冷めてきたのか、動きが悪くなってきたのだ。逆に、ジョーカーの狂気を受けても、体中に傷を負っても、それをものともせず抗い続けるボスの姿に、ジャックの仲間達の士気は極めて高く維持されていた。これがジャックの狙いだった。
仲間達が侵略者達を圧倒し始めると、ジャック自身の士気も高揚する。ジョーカーの相手に集中すればよくなってくる。
ジャックを上回る速度で最大稼働を続けたジョーカーの肉体は、狂気に取りつかれ自らの限界をまったく意識せず動けていたものの、物理的な限界はなくなったわけじゃない。ジョーカーが自身の肉体の酷使し続けていられただけである。
するとついに、
「ガッ……!?」
ジャックの肘がジョーカーの頭を捉えた。それ自体は必ずしも大きなダメージになるようなものではなかったはずだが、最初の頭突きでヒビが入っていたジョーカーの頭蓋が耐えきれずに砕け、脳を傷付けた。
これが潮目となったのだろう。
それまでの無茶な酷使のツケが一気に噴き出したかのように、ジョーカーの動きが悪くなる。
そんなジョーカーの頭をジャックは両手で掴み、力任せにねじった。
「ギ……ッ!?」
ジョーカーの首が挫かれ、地面に転倒。そこにジャックがすかさず首に食らい付こうとする。
普通ならもうこれで勝負は決まったはずだ。ジョーカーにはもう、スタミナは残っていないはずだったのだから。
なのに、まるで命そのものを燃料にするかのようにしてジョーカーの体は動き、足の爪をジャックの体に突き立てた。恐ろしいまでの執念。
「……ッッ!!」
ジャックもその往生際の悪さに戦慄は覚えつつ、腕でジョーカーの脚を抑えてそれ以上爪を食いこませられないようにした上で、彼を蹴り飛ばしたのだった。
『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すっ!!』
人間のような明確に言語化されたそれではなくても意味としてはそういう思考が頭を支配し、そのためだけに自身の肉体を極限まで利用した。彼にとっては自らの肉体すらただの道具に過ぎないのだろう。
己の狂気を具現化させるための道具に。
そんな異様な相手に対しても、ジャックは冷静だった。自身を信じ、ジョーカーに対して攻撃を続けた。当たらなくても構わない。こうして自分が立ち続けていることが重要なのだ。ジョーカーの猛攻を受けてもなお立っていられることが。
すると、ジョーカーの仲間達の様子が明らかに変わってきた。ジョーカーとクイーンの狂気に中てられて熱狂していたのが冷めてきたのか、動きが悪くなってきたのだ。逆に、ジョーカーの狂気を受けても、体中に傷を負っても、それをものともせず抗い続けるボスの姿に、ジャックの仲間達の士気は極めて高く維持されていた。これがジャックの狙いだった。
仲間達が侵略者達を圧倒し始めると、ジャック自身の士気も高揚する。ジョーカーの相手に集中すればよくなってくる。
ジャックを上回る速度で最大稼働を続けたジョーカーの肉体は、狂気に取りつかれ自らの限界をまったく意識せず動けていたものの、物理的な限界はなくなったわけじゃない。ジョーカーが自身の肉体の酷使し続けていられただけである。
するとついに、
「ガッ……!?」
ジャックの肘がジョーカーの頭を捉えた。それ自体は必ずしも大きなダメージになるようなものではなかったはずだが、最初の頭突きでヒビが入っていたジョーカーの頭蓋が耐えきれずに砕け、脳を傷付けた。
これが潮目となったのだろう。
それまでの無茶な酷使のツケが一気に噴き出したかのように、ジョーカーの動きが悪くなる。
そんなジョーカーの頭をジャックは両手で掴み、力任せにねじった。
「ギ……ッ!?」
ジョーカーの首が挫かれ、地面に転倒。そこにジャックがすかさず首に食らい付こうとする。
普通ならもうこれで勝負は決まったはずだ。ジョーカーにはもう、スタミナは残っていないはずだったのだから。
なのに、まるで命そのものを燃料にするかのようにしてジョーカーの体は動き、足の爪をジャックの体に突き立てた。恐ろしいまでの執念。
「……ッッ!!」
ジャックもその往生際の悪さに戦慄は覚えつつ、腕でジョーカーの脚を抑えてそれ以上爪を食いこませられないようにした上で、彼を蹴り飛ばしたのだった。
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