未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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ハーレム

ライオン少女(いやはや、これはなんとも)

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「また女の子か……」

俺に視線を向けて警戒しながらも苦痛に歪んだ顔でうずくまるライオン人間を見ると、鬣という雄ライオンを思わせる特徴も持ってはいるが、明らかに胸の膨らみが見えた。しかもやっぱり十代半ばくらいの女の子っぽい顔つきをしている。

だからおそらく、それで成体なんだろう。成体でかつ若い個体となるとその感じということかもしれない。

エレクシアに訊いても、他には同じ種類の動物の気配は確認できないそうだった。だから単独で行動していたということだ。

とは言え、こいつが常に単独行動をしているとは限らない。群れからはぐれたか、群れから独立したばかりの個体だという可能性もあるからな。

いずれにせよ、俺達を狙ったということは腹が減ってるのには間違いないだろう。そこで俺は、エレクシアに命じて食料として捕獲してあった小動物を<ライオン少女>の前に放り出させた。突然自分の前に落ちてきたそれにビクッと体をすくませて逃げようとしたのか立ち上がろうとする。

しかし足ががくがくと震えて再びそこにうずくまった。さしずめ、強烈なボディーブローを食らって足にきてしまったボクサーのようだった。そして、うずくまったまま小動物を見る。だが同時に、俺達に対する警戒も緩めない。当然だな。

「もう一度確認するが、内臓に損傷はないんだな?」

念の為にエレクシアに問い掛ける。

「はい、その兆候を窺わせるバイタルサインはありません。単純にダメージの回復を待っているだけと思われます」

取り敢えずローバーの中に入り、窓越しに様子を窺う。するとしばらくして小動物に近付いて、ふんふんと匂いを嗅ぐ様子が見えた。そしておもむろに噛り付く。がふっがふっと勢いよく平らげて、少し物足りなさそうに口の周りの血を舐め取りながら辺りを見回していた。

そこで俺は、エレクシアからもう一匹小動物を受け取ってドアを開け、ライオン少女の前に投げ落とす。突然ドアが開いたことでまたビクッと反応し立ち上がったが、今度は足が震えてはいなかった。どうやら回復できたらしい。しかも俺達に警戒しながらも地面に落ちた小動物を拾ってやはりガツガツと貪り食った。よほど腹が減ってたんだろうな。さらにもう一匹、投げ落としてやる。すると今度は空中でキャッチしてそのままガツガツと食った。もう俺から餌を貰うことに慣れたということのようだ。

俺はその様子を見て、再度ヘルメットをかぶって四匹目の小動物を手にゆっくりと外に出た。するとライオン少女は警戒はしつつも俺に近付いてくる。意識は完全に小動物に向けられている。

それを差し出すと、ひったくるように俺の手から奪ってそれも綺麗に平らげた。頭の骨までバリバリと噛み砕いて綺麗に食べ切ってしまうその姿はむしろ気持ちいいくらいだった。

四匹目を食べ切って手や口の周りの血も綺麗に舐め取ったライオン少女は、それまでの攻撃的な様子とはうって変わって柔らかい表情で俺にすり寄ってきた。餌をやったことで懐いてしまったらしい。これまでで一番、ちょろい相手だった。こんなに簡単に餌で釣れるとは。

まあ、俺の方が強いと感じた上で餌を分けてくれたのだからというのもあるんだろう。強いのに餌を分けてくれる。それは、彼女にとっては途方もなく魅力的に見えたのかもしれない。

もっとも、俺自身は安堵の汗で全身びしょ濡れだったが。

「いや、これで納得したよ。もう無茶はしない。今回はたまたま運が良かっただけだ」

体をすり寄せるライオン少女の頭を撫でながらそう言うと、エレクシアは呆れたように吐き捨てた。

「そうですね。それが賢明というものです。身の程をわきまえてください」

それからセシリアCQ202の学習モードのカスタマイズも解除して、俺はローバー内のシャワーで汗を流した。するとライオン少女は、「く~ん、く~ん」と喉を鳴らしてシャワー室のドアを掻く。これは……

「本当にべったりですね。いわゆる完落ち状態ですか」

確かに。ちょろい、ちょろすぎる。

しかし一度そういうスイッチが入ってしまうと自分に正直なのも野生ならではか。人間のように複雑な駆け引きはしないだろうからな。

しかもネコ科の動物っぽい印象のあるライオン少女の甘え方はひそかのそれ以上にどこか艶めかしくて、心臓がどきどきと高鳴ってしまう。

「実にお元気ですね」

俺の体の一部を睨み付けてそう口にしたエレクシアのツッコミに、表情が戻ったセシリアCQ202は困ったように苦笑いしているだけだった。

ひそかじんはいきなり加わった新入りに警戒して明らかに不機嫌そうな様子だ。しかしそれにはお構いなしで、俺が運転席に座ってもライオン少女は体をすり寄せてくる。随分な懐きようだが、これは元々こういう習性だということなのだろうか。

仕方ないのでエレクシアに運転を変わってもらい、俺は助手席でライオン少女と一緒に座っていた。

後ろのキャビンからの視線が痛い。とは言え、ここまで懐かれてしまってはどうしようもない。頭を撫でながら俺は、このライオン少女の名前を考えていたのだった。

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