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ハーレム
鬼畜(生と死が隣り合わせの世界とはそういうもんだろう)
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しばらく様子を窺ってたが、透明なワニ少女があの不定形生物に戻る気配もないので、俺達はそのまま拠点に戻ることにする。
ワニ少年がワニ少女のことをずっと抱き締めてるし、万が一あの不定形生物に戻って襲おうとするのならまずその少年が犠牲になるだろうから、少年が襲われているうちに彼ごと外に放り出せばいいと考えるようにもした。
鬼畜な人でなしの考え方だと自分でも思うが、ここでは普通の<人間らしい感性>は通用しない。一瞬一瞬が死と隣り合わせだからな。生きるというのは、他の命を糧にしてるってことだってのを肌で感じるよ。
それに、ワニ少女が彼を襲うのなら、ここに置いててもこのまま一緒に放り出しても同じだろう。ワニ少年のこの執着ぶりを見ると、引き離そうとすれば暴れるだろうし、危険だからとワニ少女を殺せばやっぱり暴れそうだ。大体、あの不定形生物が普通にここに生息してるなら、一匹殺したところで何の意味もない。
注意深く見守りながら手元において観察してもまあいいんじゃないかな。何故、あの不定形生物がこんな姿になったのかっていうのにもものすごく関心があるし。
などと思ってたら、ワニ少年とワニ少女の様子が何やらおかしかった。危険を感じる訳じゃない。むしろその逆だ。やたらとお互いの体のまさぐり合って舐め合ってる。
って、これはまさか…?
「発情してますね」
ですよね~。
まあ、野生だし。一応は雄と雌だし、気分が盛り上がってしまうのも無理はないのかもしれない。人間みたいな恥じらいとか遠慮もないだろう。などと思ってるうちにも本格的に始めてしまった。
ああ、もう、好きにして。
ワニ少女とワニ少年のそれは、野生だからチャチャっと済ますのかと思ったらさにあらず、人間のそれと変わらない程度に濃厚だった。時間も十分くらいは掛けてたかね。
「あ、あん、あふぁ…」
ワニ少女の口から甘い吐息が漏れる。後背位ではさすがに太くて大きな尻尾が邪魔になるからか、仰向けに寝かせた少女の上に少年が覆いかぶさる、人間ではスタンダードなポジションだった。
人間の行為として見れば、さすがに体のあちこちに触れて互いに楽しむって感じではなく、あくまで<生殖の為の交尾>の範疇とも思えなくもない淡白さも感じさせつつも、慣れてない者同士の初々しいそれとも言えなくもないだろうか。
しかし、皆が注視する中でそれに一切気を取られることなく行為にのめり込んでるのを眺めるとは、いやはや、普通に人間社会で暮らしてる時にもなかった経験だよ。目のやり場に困る。
二人揃って体に力が入ってがくがくと痙攣する感じになって、少年がくたっと脱力した。どうやら終わったようだな。やれやれ、カオスなひと時だった。
という訳で気を取り直して、運転を今度はセシリアCQ202に任せ、操作方法と帰り道はエレクシアが彼女に伝え、俺は密と刃と伏をあやし、ワニ少女とワニ少年はエレクシアの横でイチャイチャしてもらって万が一の時には放り出してもらうことにして、俺達は再び帰路に就いた。
予定よりは若干遅れたが、その分、速度を十パーセントほど上げて帳尻を合わせることにする。
それにしても、ワニ少年はワニ少女の体が透けてることは気にならないのだろうかとも思ったが、考えてみれば彼の目に見えてる光景が俺と同じとは限らないのか。もし、ワニ少女の透明な体を通過した光を彼の目が捉えられなければ、透けて見える訳じゃないだろうからな。
ちなみに、鷹は、ローバーが襲われてる間はちゃっかり逃げてて無事だった。しかも、あれがいなくなった途端に戻ってくるという抜け目のなさだ。さすが野生。合理的だよ。
日が沈み、空には夕焼けが残りながらも密林には闇が満ちてきた頃、最初に河に下りた場所まで俺達は戻ってきた。
上陸し、エレクシアがルーフキャリアに括りつけたパラソルを外して回収する。密林の中を通ると枝などに引っ掛けて折ってしまう可能性があるからな。鷹はそれを不満そうに見てたらしいが、勝手に居ついてるだけだし申し訳ないがそこまで合わせてはやれない。
ゆっくりと宇宙船のあるところまで引き返す。さすがにロボットだけあってセシリアCQ202の運転もむしろ俺より丁寧だった。
ドローンカメラの映像の中に鷹の姿は見えない。ちょっと寂しいが、諦めたんだろう。
赤外線も見えるし紫外線も見えるし光を増幅して見ることもできるセシリアCQ202にしてみれば必要ないが、一応、ヘッドライトを点けてほぼ闇に包まれた密林の中を進むと、俺の宇宙船が見えてきた。
ああ、帰ってきた……
不思議とそんな感慨に包まれる。もう既にここが俺の家っていう認識になってたんだなと自分でも感じる。
宇宙船の脇にローバーを停めると、ガンッとまた屋根の上から音がした。まさかと思って見上げると、エレクシアが告げる。
「バイタルサイン確認。鷹が戻ってきましたね。木々の上を飛びながらついてきていたのでしょう」
だと。それを聞いて俺は何だかホッとしてしまった。まだ完全に群れに加わった訳じゃないにしても、俺も鷹に対して愛着を感じていたんだなと実感する。
まあ、何にしても、『ただいま』っていうことだ。
ワニ少年がワニ少女のことをずっと抱き締めてるし、万が一あの不定形生物に戻って襲おうとするのならまずその少年が犠牲になるだろうから、少年が襲われているうちに彼ごと外に放り出せばいいと考えるようにもした。
鬼畜な人でなしの考え方だと自分でも思うが、ここでは普通の<人間らしい感性>は通用しない。一瞬一瞬が死と隣り合わせだからな。生きるというのは、他の命を糧にしてるってことだってのを肌で感じるよ。
それに、ワニ少女が彼を襲うのなら、ここに置いててもこのまま一緒に放り出しても同じだろう。ワニ少年のこの執着ぶりを見ると、引き離そうとすれば暴れるだろうし、危険だからとワニ少女を殺せばやっぱり暴れそうだ。大体、あの不定形生物が普通にここに生息してるなら、一匹殺したところで何の意味もない。
注意深く見守りながら手元において観察してもまあいいんじゃないかな。何故、あの不定形生物がこんな姿になったのかっていうのにもものすごく関心があるし。
などと思ってたら、ワニ少年とワニ少女の様子が何やらおかしかった。危険を感じる訳じゃない。むしろその逆だ。やたらとお互いの体のまさぐり合って舐め合ってる。
って、これはまさか…?
「発情してますね」
ですよね~。
まあ、野生だし。一応は雄と雌だし、気分が盛り上がってしまうのも無理はないのかもしれない。人間みたいな恥じらいとか遠慮もないだろう。などと思ってるうちにも本格的に始めてしまった。
ああ、もう、好きにして。
ワニ少女とワニ少年のそれは、野生だからチャチャっと済ますのかと思ったらさにあらず、人間のそれと変わらない程度に濃厚だった。時間も十分くらいは掛けてたかね。
「あ、あん、あふぁ…」
ワニ少女の口から甘い吐息が漏れる。後背位ではさすがに太くて大きな尻尾が邪魔になるからか、仰向けに寝かせた少女の上に少年が覆いかぶさる、人間ではスタンダードなポジションだった。
人間の行為として見れば、さすがに体のあちこちに触れて互いに楽しむって感じではなく、あくまで<生殖の為の交尾>の範疇とも思えなくもない淡白さも感じさせつつも、慣れてない者同士の初々しいそれとも言えなくもないだろうか。
しかし、皆が注視する中でそれに一切気を取られることなく行為にのめり込んでるのを眺めるとは、いやはや、普通に人間社会で暮らしてる時にもなかった経験だよ。目のやり場に困る。
二人揃って体に力が入ってがくがくと痙攣する感じになって、少年がくたっと脱力した。どうやら終わったようだな。やれやれ、カオスなひと時だった。
という訳で気を取り直して、運転を今度はセシリアCQ202に任せ、操作方法と帰り道はエレクシアが彼女に伝え、俺は密と刃と伏をあやし、ワニ少女とワニ少年はエレクシアの横でイチャイチャしてもらって万が一の時には放り出してもらうことにして、俺達は再び帰路に就いた。
予定よりは若干遅れたが、その分、速度を十パーセントほど上げて帳尻を合わせることにする。
それにしても、ワニ少年はワニ少女の体が透けてることは気にならないのだろうかとも思ったが、考えてみれば彼の目に見えてる光景が俺と同じとは限らないのか。もし、ワニ少女の透明な体を通過した光を彼の目が捉えられなければ、透けて見える訳じゃないだろうからな。
ちなみに、鷹は、ローバーが襲われてる間はちゃっかり逃げてて無事だった。しかも、あれがいなくなった途端に戻ってくるという抜け目のなさだ。さすが野生。合理的だよ。
日が沈み、空には夕焼けが残りながらも密林には闇が満ちてきた頃、最初に河に下りた場所まで俺達は戻ってきた。
上陸し、エレクシアがルーフキャリアに括りつけたパラソルを外して回収する。密林の中を通ると枝などに引っ掛けて折ってしまう可能性があるからな。鷹はそれを不満そうに見てたらしいが、勝手に居ついてるだけだし申し訳ないがそこまで合わせてはやれない。
ゆっくりと宇宙船のあるところまで引き返す。さすがにロボットだけあってセシリアCQ202の運転もむしろ俺より丁寧だった。
ドローンカメラの映像の中に鷹の姿は見えない。ちょっと寂しいが、諦めたんだろう。
赤外線も見えるし紫外線も見えるし光を増幅して見ることもできるセシリアCQ202にしてみれば必要ないが、一応、ヘッドライトを点けてほぼ闇に包まれた密林の中を進むと、俺の宇宙船が見えてきた。
ああ、帰ってきた……
不思議とそんな感慨に包まれる。もう既にここが俺の家っていう認識になってたんだなと自分でも感じる。
宇宙船の脇にローバーを停めると、ガンッとまた屋根の上から音がした。まさかと思って見上げると、エレクシアが告げる。
「バイタルサイン確認。鷹が戻ってきましたね。木々の上を飛びながらついてきていたのでしょう」
だと。それを聞いて俺は何だかホッとしてしまった。まだ完全に群れに加わった訳じゃないにしても、俺も鷹に対して愛着を感じていたんだなと実感する。
まあ、何にしても、『ただいま』っていうことだ。
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