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シモーヌ
思い出話 刃 その2
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で、その時の様子についてはあまり気にしてなかったんだが、実は割と最近、同じことがあったんだ。
今度のそれはまだシモーヌが来る前だった。また鷹が河で魚を採ってきて、うっかり刃の前に落とすということがあり、
「ギーッッ!!!」
って悲鳴を上げて俺を突き飛ばして密林に逃げ込んだんだ。
エレクシアがその様子を見て、
「どうやら魚が苦手のようですね」
と、冷静に分析していた。
「まさか…? ただの魚だぞ?」
それでも信じられなかった俺がそう訊き返した時、
「いえ、以前にも同じ反応がありました。その時には確証が得られませんでしたが、ただいまの反応を見て間違いないと判断しました」
だと。それまで俺は、刃もエレクシアが採ってきた魚を食べてたような気がしていたが、それが俺の記憶違いであることもエレクシアの記録で確認することになった。
で、刃が魚を恐れるのを鷹も察したのか、わざとかどうかは判然としないものの、ちょくちょく魚を採ってきては刃の目の前に落とすということをするようになったんだ。鷹達タカ人間にとっても刃達カマキリ人間は、こちら側では危険な天敵だったからな。そういう意味で<仕返し>がしてやりたかったのかもしれない。
だが、刃も鷹のその攻撃を予測するようになり、彼女が何かを掴んでいる時にはいつの間にか姿を隠す、もしくは家の中にすっと避難するという形で躱すようになったようだ。さすがと言うか何と言うか。
もっとも、鷹のその行為が本当に嫌がらせなのかどうかは、正直、分かっていない。もしかしたら単に差し入れのつもりなのかもしれない。なにしろ、普段は別に取り立てて喧嘩する訳でもないからな。人間のようにベタベタと慣れ合うこともないが、かと言って険悪に睨み合う訳でもないんだ。だからもし悪戯だとしても、本当に些細なものなのかもしれない。俺達人間の感覚だとやりすぎ感も覚えるだけで。
などという意外な<弱点>も可愛いと思う。
なお、刃の子である明と丈は特に魚を怖がったりはしなかった。が、鷹の悪戯(?)で魚に怯える母親の姿を見たのが影響したのか、それまでは気にもしていなかった筈の魚を避けるような仕草を丈が見せ始めたりもした。
むう……親がゴキブリを怖がる様子を見て子供もゴキブリを恐れるようになるという話を聞いたことがあったが、そういうことなのだろうか。
まあそれはさて置いて、丈も順調に育って既に人間で言えば十二歳くらいの大きさになった。今では母親と二人で密林に入り、狩りの練習をしているようだ。その際、明が縄張りとしている辺りには近付こうとはしない。もう巣立った以上は生きる上でのライバルということなんだろう。
明が巣立ち、丈も大きくなり、本人は三人目を望んでるのか濃厚(あくまで彼女としては)に求めてくるんだが、これについてはさすがに申し訳ない。なるべくなら遠慮したいなというのが俺としても本音なので、敢えて『外に』ということで対処させていただいてます。
すまん、刃。もう子供が二人いるからそれでいいだろう? それでよろしく頼むよ。それでももしできたらその時は喜んで迎えるけどさ。
などというのは人間である俺の都合だから彼女は理解してくれないだろうが、密三人(光)含まず)、刃二人、伏五人という子供の数に比べて鷹が灯を含めないとなるとまだ一人だから、まずは鷹の二人目を優先してやりたいんだよ。
ごめんな。
今度のそれはまだシモーヌが来る前だった。また鷹が河で魚を採ってきて、うっかり刃の前に落とすということがあり、
「ギーッッ!!!」
って悲鳴を上げて俺を突き飛ばして密林に逃げ込んだんだ。
エレクシアがその様子を見て、
「どうやら魚が苦手のようですね」
と、冷静に分析していた。
「まさか…? ただの魚だぞ?」
それでも信じられなかった俺がそう訊き返した時、
「いえ、以前にも同じ反応がありました。その時には確証が得られませんでしたが、ただいまの反応を見て間違いないと判断しました」
だと。それまで俺は、刃もエレクシアが採ってきた魚を食べてたような気がしていたが、それが俺の記憶違いであることもエレクシアの記録で確認することになった。
で、刃が魚を恐れるのを鷹も察したのか、わざとかどうかは判然としないものの、ちょくちょく魚を採ってきては刃の目の前に落とすということをするようになったんだ。鷹達タカ人間にとっても刃達カマキリ人間は、こちら側では危険な天敵だったからな。そういう意味で<仕返し>がしてやりたかったのかもしれない。
だが、刃も鷹のその攻撃を予測するようになり、彼女が何かを掴んでいる時にはいつの間にか姿を隠す、もしくは家の中にすっと避難するという形で躱すようになったようだ。さすがと言うか何と言うか。
もっとも、鷹のその行為が本当に嫌がらせなのかどうかは、正直、分かっていない。もしかしたら単に差し入れのつもりなのかもしれない。なにしろ、普段は別に取り立てて喧嘩する訳でもないからな。人間のようにベタベタと慣れ合うこともないが、かと言って険悪に睨み合う訳でもないんだ。だからもし悪戯だとしても、本当に些細なものなのかもしれない。俺達人間の感覚だとやりすぎ感も覚えるだけで。
などという意外な<弱点>も可愛いと思う。
なお、刃の子である明と丈は特に魚を怖がったりはしなかった。が、鷹の悪戯(?)で魚に怯える母親の姿を見たのが影響したのか、それまでは気にもしていなかった筈の魚を避けるような仕草を丈が見せ始めたりもした。
むう……親がゴキブリを怖がる様子を見て子供もゴキブリを恐れるようになるという話を聞いたことがあったが、そういうことなのだろうか。
まあそれはさて置いて、丈も順調に育って既に人間で言えば十二歳くらいの大きさになった。今では母親と二人で密林に入り、狩りの練習をしているようだ。その際、明が縄張りとしている辺りには近付こうとはしない。もう巣立った以上は生きる上でのライバルということなんだろう。
明が巣立ち、丈も大きくなり、本人は三人目を望んでるのか濃厚(あくまで彼女としては)に求めてくるんだが、これについてはさすがに申し訳ない。なるべくなら遠慮したいなというのが俺としても本音なので、敢えて『外に』ということで対処させていただいてます。
すまん、刃。もう子供が二人いるからそれでいいだろう? それでよろしく頼むよ。それでももしできたらその時は喜んで迎えるけどさ。
などというのは人間である俺の都合だから彼女は理解してくれないだろうが、密三人(光)含まず)、刃二人、伏五人という子供の数に比べて鷹が灯を含めないとなるとまだ一人だから、まずは鷹の二人目を優先してやりたいんだよ。
ごめんな。
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