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シモーヌ
ブレブレ(まあそれが人間ってもんだけど)
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以前、グンタイ竜の女王を守る為にエレクシアと対立し戦ったメイフェアを壊さないように命令したこともあって、壊れた状態で復帰することになったイレーネのことについては、見捨てられないという気持ちと同時に、メイトギアとしての役目も十分に果たせないのに彼女を運用することに対する罪悪感も、正直言ってあった。
『まったく…ブレすぎだろ……』
自嘲気味な苦笑いが勝手にこぼれてしまったりもする。
とは言え、それが人間というものだというのも改めて感じる。ロボットと違い、人間は矛盾する複数の思考や感情を同時に持つことができるのだ。そしてそれこそが<感情>と呼ばれるものの基本となっていることが分かっている。
対して、ロボットはどこまで行っても<道具>であり続ける為に、基本的には矛盾する思考は行わない。できなくはないが、それでも必ずそこには優先順位がつけられ、時には冷淡な選択を行うこともある。
俺を主人としているエレクシアが、俺が命じても誉を優先しなかったのもそれだ。他に要人警護仕様のメイトギアでもいれば、もしくは警備仕様のレイバーギアやそれこそランドギア(人型戦車とも呼ばれる、全高三メートル前後の軍用ロボット)やアームドエージェント(警備仕様のレイバーギアと要人警護仕様のメイトギアの機能を統合した、純粋な人型及び獣型戦闘用ロボット)と連携することでそちらに俺を任せることができても、あの時はメイフェアもいなかったからな。今でも、縄張りを離れるには俺が宇宙船に籠って身の安全を確保しないと行ってくれないし。
その点、人間は、状況によっては判断がブレるし、そういう矛盾したところがあるからこそ<人間>なんだ。まったく思考にブレがない、矛盾がないのは人間とは見做されない(ロボットと判断されてしまう)ことすらあるからな。
「錬是様。本日の作業、終了いたしました。次のご命令があるまで待機いたします」
メイトギアとは思えないくらいに堅苦しい態度を見せるイレーネに、俺はやっぱり苦笑いを浮かべてしまう。そんな俺の表情も汲み取ろうとしないのが、今のイレーネだった。普通のメイトギアならそこで『何かご不満な点でもありましたでしょうか?』とか気遣ってくるし。
そういう意味では、いささかシニカルな対応をしてくるエレクシアよりずっとロボットらしいロボット、重作業用レイバーギアや軍用戦闘ロボットであるランドギアにより近い状態になっているんだなあ。
しかも彼女はそれをおかしいと考えることができない。
なんか、色々考えさせられてしまうよ。
『まったく…ブレすぎだろ……』
自嘲気味な苦笑いが勝手にこぼれてしまったりもする。
とは言え、それが人間というものだというのも改めて感じる。ロボットと違い、人間は矛盾する複数の思考や感情を同時に持つことができるのだ。そしてそれこそが<感情>と呼ばれるものの基本となっていることが分かっている。
対して、ロボットはどこまで行っても<道具>であり続ける為に、基本的には矛盾する思考は行わない。できなくはないが、それでも必ずそこには優先順位がつけられ、時には冷淡な選択を行うこともある。
俺を主人としているエレクシアが、俺が命じても誉を優先しなかったのもそれだ。他に要人警護仕様のメイトギアでもいれば、もしくは警備仕様のレイバーギアやそれこそランドギア(人型戦車とも呼ばれる、全高三メートル前後の軍用ロボット)やアームドエージェント(警備仕様のレイバーギアと要人警護仕様のメイトギアの機能を統合した、純粋な人型及び獣型戦闘用ロボット)と連携することでそちらに俺を任せることができても、あの時はメイフェアもいなかったからな。今でも、縄張りを離れるには俺が宇宙船に籠って身の安全を確保しないと行ってくれないし。
その点、人間は、状況によっては判断がブレるし、そういう矛盾したところがあるからこそ<人間>なんだ。まったく思考にブレがない、矛盾がないのは人間とは見做されない(ロボットと判断されてしまう)ことすらあるからな。
「錬是様。本日の作業、終了いたしました。次のご命令があるまで待機いたします」
メイトギアとは思えないくらいに堅苦しい態度を見せるイレーネに、俺はやっぱり苦笑いを浮かべてしまう。そんな俺の表情も汲み取ろうとしないのが、今のイレーネだった。普通のメイトギアならそこで『何かご不満な点でもありましたでしょうか?』とか気遣ってくるし。
そういう意味では、いささかシニカルな対応をしてくるエレクシアよりずっとロボットらしいロボット、重作業用レイバーギアや軍用戦闘ロボットであるランドギアにより近い状態になっているんだなあ。
しかも彼女はそれをおかしいと考えることができない。
なんか、色々考えさせられてしまうよ。
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