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子供達

平穏な毎日(それが何よりだな)

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新暦〇〇〇九年三月十一日。



イレーネがうちに来てからも、何だかんだと平穏な毎日が過ぎてた。寛いでるひそかに、気付けばじょうと共に姿が見えなくなってるじん、マイペースなふく、やけに甘えてくるようの他、やっぱりイチャイチャしてるほむらさいあらたりんあかりに食事を与えてるシモーヌに、あきらの育児に余念がないはるかちからって感じだった。

そんな俺達を、エレクシアとセシリアがサポートしてくれる。

ひかりとイレーネは今、縄張りの中を散歩中のようだ。

ちなみに、要人警護仕様であるイレーネの戦闘モードは、おおむね機能を維持していることが、メンテナンスの際のチェックで確認できている。そちらは通常モードのそれより更に厳重にガードされてるからだろう。電子的なのは元より、物理的なハッキングに対しても対抗できるようにってことか。なんか聞いたところによると、ロボットをはじめとしたAIが搭載された機械でそれなりの能力を持つもの(AIが判断を誤まれば人間に大きな被害が出る可能性のあるもの。具体的には自動車や列車や航空機やロボット)は、独立した複数のAIを連動させて一個の人工頭脳って形にしてるらしい。一つがハッキングなどを受けても他がそれを感知し、対処する為に。

一方、通常モードで使われる領域は、コストの点からもそこまでじゃないとかなんとか。それに、通常モードで使う表情や気遣いや、人間にも見える様々な仕草といったものは戦闘モードでは必要ないから殆どサスペンド状態にするし、単純にロボットとして動作するだけなら必須じゃないんだ。

だから、今のイレーネだって、完全な状態のメイフェアに比べると性能は落ちるかもしれないとしても、戦闘能力そのものは生身の人間じゃ絶対に勝てないレベルらしい。

なら、ひかりをガードしてくれるという意味でも頼りにはなる。

と思ったら、散歩中のひかりの頭の上に現れたヘビ(に似た動物。足の痕跡がまだ残ってる)を、左手で摘み、ぽいと密林の奥へと放り投げた。そのヘビ独自の毒は持たないものの、口の中に住むバクテリアの所為で咬まれると結構痛む上に腫れたりもするから厄介なんだよな。薬や治療用のナノマシンはあまり使いたくないし。

実はこの時、ひかり自身もそのことには気付いてて警戒してたらしいんだが、それより先にイレーネが対処したということだ。

このように、何だかんだと助かってたりするんだ。

ま、平穏な毎日が送れてるのも結局、エレクシアとセシリアとイレーネのおかげか。

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