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新世代
翔編 面倒な価値観
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シモーヌも灯の子供のことは本人に任せると言ってくれたことで、この件についてはもういいだろう。俺自身、これ以上とやかく言うのは野暮の極みだと思ってる。
もちろん、灯に子供ができればきっと可愛いと思う。俺もデレデレになってしまうに違いない。
でも、何度も言うがそんな俺の気持ちだけを押し付けるわけにはいかないもんな。
人間の場合はそういうことも考えないといけない。
面倒だとは思うものの、自分もその面倒な価値観に守られてきたんだから、考えないわけにもいかないよ。
とは言え、それについて本格的に考えることになるのはもう少し先だろう。これも人間がもっと増えてきてからだ。灯については結論が出てるし。
「あかちゃん?」
俺達があれこれ考え事をしながらタブレットで楼羅の様子を見守ってると、和が覗き込んできてそう尋ねた。
「ああ、そうだよ。和にとっては従妹になるな」
「いとこ?」
「お母さんのお姉ちゃんの子供だからね」
「ふ~ん…?」
まだ和にはその辺りは早かったようだ。よく分からないって感じで首をかしげてる。見た目はもう十歳くらいでもまだ四歳だからな。それに、光の子として育ってるから<従妹>と説明したものの、血は繋がってないわけで。まあ、分からないならそれでもいいさ。
「あか~♡」
見た目こそ八歳くらいになってても三歳にもなってない陽はそれこそ訳も分からずにタブレットに映る翔と楼羅を見て指差しながらニコニコ笑ってるだけだ。
ところで、光や灯もそうだったが、和や陽も、外見上の成長と知能の発達は一致していない。外見上の発育は人間の二倍以上でありながら、知能の発達は、むしろ普通の人間(地球人)よりもゆっくりな傾向があるようだ。
この辺りは、身体能力の制御に脳の機能がかなり割り振られていることも影響しているのかもしれない。外見上も野生の獣である誉達はそれこそ、身体能力は光や灯を上回るものの、知能の点では、正直、誉でさえ十歳くらいの子供とそう変わらないし、普通のパパニアンだと五歳くらいというのが分かってる。その一方で、精神的な成長は外見のままって感じだな。
だから人間基準で見るとちぐはぐにも思える。しかし、完全に野生に適応してる子らの方は人間並みの知能を必要とはしてないし、今で何も問題がないからそれもそれでいいと思ってる。
なんてことを改めて確認していた俺だったが、その時、
「ピーッ!」
と甲高い音がして、ハッとなる。タブレットが警戒音を発したんだ。接近警報だった。
だが、この家にじゃない。
「アリゼドラゼ村か…!?」
タブレットの画面を切り替えると、アリゼドラゼ村に近付く者の姿が捉えられていた。俺やシモーヌにはすぐに認識できなかったが、
「マンティアン……!」
灯が声を上げたことで、俺にもそれがマンティアンだと分かった。
明じゃない。角でもない。もちろん丈でもない。アリゼドラゼ村はあいつらの縄張りからはかなり離れている。
まったく見知らぬ、野生のマンティアンであった。
もちろん、灯に子供ができればきっと可愛いと思う。俺もデレデレになってしまうに違いない。
でも、何度も言うがそんな俺の気持ちだけを押し付けるわけにはいかないもんな。
人間の場合はそういうことも考えないといけない。
面倒だとは思うものの、自分もその面倒な価値観に守られてきたんだから、考えないわけにもいかないよ。
とは言え、それについて本格的に考えることになるのはもう少し先だろう。これも人間がもっと増えてきてからだ。灯については結論が出てるし。
「あかちゃん?」
俺達があれこれ考え事をしながらタブレットで楼羅の様子を見守ってると、和が覗き込んできてそう尋ねた。
「ああ、そうだよ。和にとっては従妹になるな」
「いとこ?」
「お母さんのお姉ちゃんの子供だからね」
「ふ~ん…?」
まだ和にはその辺りは早かったようだ。よく分からないって感じで首をかしげてる。見た目はもう十歳くらいでもまだ四歳だからな。それに、光の子として育ってるから<従妹>と説明したものの、血は繋がってないわけで。まあ、分からないならそれでもいいさ。
「あか~♡」
見た目こそ八歳くらいになってても三歳にもなってない陽はそれこそ訳も分からずにタブレットに映る翔と楼羅を見て指差しながらニコニコ笑ってるだけだ。
ところで、光や灯もそうだったが、和や陽も、外見上の成長と知能の発達は一致していない。外見上の発育は人間の二倍以上でありながら、知能の発達は、むしろ普通の人間(地球人)よりもゆっくりな傾向があるようだ。
この辺りは、身体能力の制御に脳の機能がかなり割り振られていることも影響しているのかもしれない。外見上も野生の獣である誉達はそれこそ、身体能力は光や灯を上回るものの、知能の点では、正直、誉でさえ十歳くらいの子供とそう変わらないし、普通のパパニアンだと五歳くらいというのが分かってる。その一方で、精神的な成長は外見のままって感じだな。
だから人間基準で見るとちぐはぐにも思える。しかし、完全に野生に適応してる子らの方は人間並みの知能を必要とはしてないし、今で何も問題がないからそれもそれでいいと思ってる。
なんてことを改めて確認していた俺だったが、その時、
「ピーッ!」
と甲高い音がして、ハッとなる。タブレットが警戒音を発したんだ。接近警報だった。
だが、この家にじゃない。
「アリゼドラゼ村か…!?」
タブレットの画面を切り替えると、アリゼドラゼ村に近付く者の姿が捉えられていた。俺やシモーヌにはすぐに認識できなかったが、
「マンティアン……!」
灯が声を上げたことで、俺にもそれがマンティアンだと分かった。
明じゃない。角でもない。もちろん丈でもない。アリゼドラゼ村はあいつらの縄張りからはかなり離れている。
まったく見知らぬ、野生のマンティアンであった。
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