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新世代
翔編 明と暗
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一方、翔はもろもろの騒動をまったく知ることなく、凌の妹である楼羅の育児に精を出していた。
そう、翔は頑張ってたんだ。ちゃんと凌の時と同じように普通にしてたんだ。
なのに、人生っていうのは、命っていうのは、本当にままならないよな……
凌は生き延びたのに、いったい、何が違ってたんだ……? いったい、何の落ち度があったって言うんだ……?
生まれたばかりの楼羅がいったい、何をしでかしたって言うんだ……?
凌が回復して自分の縄張りに戻っていったその日の夜……
「アラート! 楼羅の心音が補足できません!」
そろそろ寝ようかと思って用意をしていた俺の耳を、セシリアの硬い声が叩いた。
「!? エレクシア! 救急モード! 楼羅を助けろ!」
何があったのかも分からないままに、俺はそう命じていた。今日はイレーネがいるからエレクシアも俺の警護をイレーネに任せることができた。
セシリアが受けていた情報はエレクシアも受けていて、いつでも向かえるように外で待機してくれていた。後は俺の命令を待つだけだった。だから俺の命令が出た瞬間、彼女は全力稼動で楼羅の救助に向かった。
なのに……
「ぎいっっ!!」
もう自分の胸にしがみつくこともできずにぐったりとしている楼羅を、翔は離そうとしなかった。
「翔……」
アクシーズの<言葉>で事情を説明しようとするエレクシアの言葉に、翔は耳を傾けようとしてくれなかった。我が子に何か異変が生じてることは分かってるようだ。でもだからこそ感情が昂ぶって、エレクシアの説得に耳を貸してくれなかったんだ。
だから俺は命じた。
「仕方ない。少々強引でも楼羅を助けてやってくれ」
「承知しました」
応えたエレクシアはためらうことなく彼女の最大稼動で翔から楼羅を奪い取ろうとした。
が、普通なら反応することさえできないであろうエレクシアの動きに反応し、翔は楼羅を抱き締めて体を捻ったんだ。そのせいでエレクシアの手が空振りする。母親としての本能がそれを可能にしたんだろうか……
しかしこの時ばかりは、それは逆効果だというのに……
次いでエレクシアはフェイントを使い、ようやく翔から楼羅を奪うことができた。
そしてその場でその小さな人形のような体を左の手の平で包み込むように持ち、右手の人差し指で胸を押し、心臓マッサージを始める。
だが、我が子を奪われたと誤解した翔が、
「ぎっ! ぎぎっ!! ぎーっっ!!」
と声を上げながら奪い返そうとエレクシアに爪を立てる。けれどそんなものが通じるはずもない。楼羅を奪い返されないように巧みに体を捻りつつエレクシアは心臓マッサージを続けた。
それが三十分続いた後、
「……脈拍、回復しません。生体反応全消失。二二時三二分。死亡を確認……」
冷淡なエレクシアの宣言が、タブレット越しに届いたのだった……
そう、翔は頑張ってたんだ。ちゃんと凌の時と同じように普通にしてたんだ。
なのに、人生っていうのは、命っていうのは、本当にままならないよな……
凌は生き延びたのに、いったい、何が違ってたんだ……? いったい、何の落ち度があったって言うんだ……?
生まれたばかりの楼羅がいったい、何をしでかしたって言うんだ……?
凌が回復して自分の縄張りに戻っていったその日の夜……
「アラート! 楼羅の心音が補足できません!」
そろそろ寝ようかと思って用意をしていた俺の耳を、セシリアの硬い声が叩いた。
「!? エレクシア! 救急モード! 楼羅を助けろ!」
何があったのかも分からないままに、俺はそう命じていた。今日はイレーネがいるからエレクシアも俺の警護をイレーネに任せることができた。
セシリアが受けていた情報はエレクシアも受けていて、いつでも向かえるように外で待機してくれていた。後は俺の命令を待つだけだった。だから俺の命令が出た瞬間、彼女は全力稼動で楼羅の救助に向かった。
なのに……
「ぎいっっ!!」
もう自分の胸にしがみつくこともできずにぐったりとしている楼羅を、翔は離そうとしなかった。
「翔……」
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だから俺は命じた。
「仕方ない。少々強引でも楼羅を助けてやってくれ」
「承知しました」
応えたエレクシアはためらうことなく彼女の最大稼動で翔から楼羅を奪い取ろうとした。
が、普通なら反応することさえできないであろうエレクシアの動きに反応し、翔は楼羅を抱き締めて体を捻ったんだ。そのせいでエレクシアの手が空振りする。母親としての本能がそれを可能にしたんだろうか……
しかしこの時ばかりは、それは逆効果だというのに……
次いでエレクシアはフェイントを使い、ようやく翔から楼羅を奪うことができた。
そしてその場でその小さな人形のような体を左の手の平で包み込むように持ち、右手の人差し指で胸を押し、心臓マッサージを始める。
だが、我が子を奪われたと誤解した翔が、
「ぎっ! ぎぎっ!! ぎーっっ!!」
と声を上げながら奪い返そうとエレクシアに爪を立てる。けれどそんなものが通じるはずもない。楼羅を奪い返されないように巧みに体を捻りつつエレクシアは心臓マッサージを続けた。
それが三十分続いた後、
「……脈拍、回復しません。生体反応全消失。二二時三二分。死亡を確認……」
冷淡なエレクシアの宣言が、タブレット越しに届いたのだった……
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