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第四世代
凛編 瓦解
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『ロボットは対象に頭を向ける必要もない』
というのは、かつてエレクシアが鷹の攻撃を躱す時にも見せてたな。俺のローバーの屋根に居座った鷹がエレクシアの頭に爪を立てようと足を延ばしたのを、まったく視線を向けることさえせずに掴んで見せたそれだ。
メイトギアの場合は、
<人間そっくりの外見>
を作るために眼球を模したカメラを頭部前面のみに配してるだけだから、映像として捉えるためには『頭を向ける』必要も出てくるものの、<カメラ>以外にも複数の高性能なセンサーが搭載されていることで、温度や音や匂いや空気の流れといった情報を同時に捉えそれらを総合的にデータ処理することで詳細に全周囲を常に<確認>しているから、やっぱり頭を向ける必要はないんだ。あくまで<人間らしい動き>を再現するために人間と同じ動きをするようにしてるだけにすぎない。
伍号機をはじめとしたドーベルマンDK-aはもとより、上位互換機であるアリスシリーズやドライツェンシリーズでさえメイトギアには遠く及ばないものの、レオン相手ならこのくらいの芸当は造作もないんだよな。
すると、
「グウウ……」
「グルル……」
若い雄達は、改めて伍号機の力を思い知って、と言うか、
『この得体の知れない怪物の底知れなさを不気味に感じ』
て、体を起こして身構えはしたものの、明らかに戦意を失っていた。本能的に異様さを察してしまったんだろうな。
『自分達が相手をしていいものじゃない』
とでも思ってしまったか。
そして、警戒しつつ伍号機から距離を取り、草原の方へと去って行った。二人に同調していたレオン達も、戸惑った様子ながらそれに続く。
おそらく<巣>は諦めたんだろう。無理に巣を奪わなくても自分達で新しく作ればいいだけだしな。
確かにコーネリアス号の船体の陰は快適だったかもしれないが、彼らにとっては、
<得体の知れない怪物がうろついてる場所>
でもあっただろうし、そういう意味では諦めもつきやすかったか。
こうして、
<凛の群れ>
は、結果的に瓦解して消滅した。後に残ったのは<元々の家族>のみ。
しかし、凛はやっぱり興味もないように怠惰な様子で地面に寝転がっていただけだが。
また、<子供達>については、現時点では萌と彪の間に生まれた子供達と、朗が見付けてきたパートナーの雌との間に生まれた子供達だけだったから、皆、戸惑った様子を見せつつも凛の周りから離れようとはしなかった。若い雌にもそれなりに懐いていた二人ばかりが、悲しげに、
「クゥ~ン……」
と声を漏らしたりもしたけどな。
というのは、かつてエレクシアが鷹の攻撃を躱す時にも見せてたな。俺のローバーの屋根に居座った鷹がエレクシアの頭に爪を立てようと足を延ばしたのを、まったく視線を向けることさえせずに掴んで見せたそれだ。
メイトギアの場合は、
<人間そっくりの外見>
を作るために眼球を模したカメラを頭部前面のみに配してるだけだから、映像として捉えるためには『頭を向ける』必要も出てくるものの、<カメラ>以外にも複数の高性能なセンサーが搭載されていることで、温度や音や匂いや空気の流れといった情報を同時に捉えそれらを総合的にデータ処理することで詳細に全周囲を常に<確認>しているから、やっぱり頭を向ける必要はないんだ。あくまで<人間らしい動き>を再現するために人間と同じ動きをするようにしてるだけにすぎない。
伍号機をはじめとしたドーベルマンDK-aはもとより、上位互換機であるアリスシリーズやドライツェンシリーズでさえメイトギアには遠く及ばないものの、レオン相手ならこのくらいの芸当は造作もないんだよな。
すると、
「グウウ……」
「グルル……」
若い雄達は、改めて伍号機の力を思い知って、と言うか、
『この得体の知れない怪物の底知れなさを不気味に感じ』
て、体を起こして身構えはしたものの、明らかに戦意を失っていた。本能的に異様さを察してしまったんだろうな。
『自分達が相手をしていいものじゃない』
とでも思ってしまったか。
そして、警戒しつつ伍号機から距離を取り、草原の方へと去って行った。二人に同調していたレオン達も、戸惑った様子ながらそれに続く。
おそらく<巣>は諦めたんだろう。無理に巣を奪わなくても自分達で新しく作ればいいだけだしな。
確かにコーネリアス号の船体の陰は快適だったかもしれないが、彼らにとっては、
<得体の知れない怪物がうろついてる場所>
でもあっただろうし、そういう意味では諦めもつきやすかったか。
こうして、
<凛の群れ>
は、結果的に瓦解して消滅した。後に残ったのは<元々の家族>のみ。
しかし、凛はやっぱり興味もないように怠惰な様子で地面に寝転がっていただけだが。
また、<子供達>については、現時点では萌と彪の間に生まれた子供達と、朗が見付けてきたパートナーの雌との間に生まれた子供達だけだったから、皆、戸惑った様子を見せつつも凛の周りから離れようとはしなかった。若い雌にもそれなりに懐いていた二人ばかりが、悲しげに、
「クゥ~ン……」
と声を漏らしたりもしたけどな。
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