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第四世代
メイフェア編 無理に見せるつもりもない
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竜生の<解剖>の様子を見ていた錬慈が、シモーヌの膝から俺の膝に移ってきてもそれは別に問題じゃない。錬慈は母親のことをちゃんと好きだしな。あくまで<怖いこと>を前にした時には俺の傍の方が安心できるというだけの話だ。
それに彼が『見たくない』と言って逃げ出すなら無理に見せるつもりもないんだよ。確かにここじゃ<惨劇>も<グロ映像>も日常の一部でしかないからこの程度の映像を怖がって逃げ出すようじゃいろいろ『大丈夫か?』と思ってしまうのも事実ではありつつ、
『誰しもが同じ』
なんてのは<生き物>においては現実問題として『有り得ない』とさえ言ってもいいわけで、錬慈のような幼い子供がどういう反応をしようがそれはことさら騒ぐような話じゃないと俺は思ってる。錬慈自身はストレスを感じながらもこうして見てくれてるしな。だったらそれも受け止めるさ。
加えて、こういうストレスをきちんと対処しておかないと人格そのものを歪ませてしまう可能性もあるだろう。
『子供がショックを受ける』
のが悪いんじゃなく、そのショックに対するケアが不十分なのが問題なんじゃないのか? これも何度も言うように<生きる>というのは綺麗事じゃない。つらい思いも苦しい思いも当たり前のようにするのが現実だ。なにより、どんなに大切な相手だって生きている以上はいつか必ず死ぬ。そういうのを一切経験せずに一生を終えたいのならそもそも生まれてくること自体が間違いってもんだろ。
だが、つらいこと苦しいこと悲しいことムカつくことというのは必ずついてまわる。ゆえにそれについてどう対処するのかが大事だし、その対処について実地に経験することが重要なんだ。
竜生が解剖されていく光景に目を向けつつも同時にストレスを感じてるならそのストレスにきちんと対処するのもしっかりと経験してもらうさ。これを面倒臭がって放置する親というのが、結局は、
『自分のやったことが望んでない形で返ってきた時に無責任に逃げ出す人間を作る』
と俺は思ってるんだよ。
<我慢強い人間>
が大事なんじゃない。
<ストレスと巧く付き合える人間>
が大事なんじゃないのか? そういう人間が大半なら、<事件>も少なくなるだろうし、事件にまでは至らなくても自分のストレスを他人に転嫁するために理不尽なことをしてくるのも減るはずだと感じるね。
だから錬慈が自分のストレスを適切に和らげるために俺の膝を選ぶなら、むしろ褒めてやりたい。
彼の聡明さを。
それに彼が『見たくない』と言って逃げ出すなら無理に見せるつもりもないんだよ。確かにここじゃ<惨劇>も<グロ映像>も日常の一部でしかないからこの程度の映像を怖がって逃げ出すようじゃいろいろ『大丈夫か?』と思ってしまうのも事実ではありつつ、
『誰しもが同じ』
なんてのは<生き物>においては現実問題として『有り得ない』とさえ言ってもいいわけで、錬慈のような幼い子供がどういう反応をしようがそれはことさら騒ぐような話じゃないと俺は思ってる。錬慈自身はストレスを感じながらもこうして見てくれてるしな。だったらそれも受け止めるさ。
加えて、こういうストレスをきちんと対処しておかないと人格そのものを歪ませてしまう可能性もあるだろう。
『子供がショックを受ける』
のが悪いんじゃなく、そのショックに対するケアが不十分なのが問題なんじゃないのか? これも何度も言うように<生きる>というのは綺麗事じゃない。つらい思いも苦しい思いも当たり前のようにするのが現実だ。なにより、どんなに大切な相手だって生きている以上はいつか必ず死ぬ。そういうのを一切経験せずに一生を終えたいのならそもそも生まれてくること自体が間違いってもんだろ。
だが、つらいこと苦しいこと悲しいことムカつくことというのは必ずついてまわる。ゆえにそれについてどう対処するのかが大事だし、その対処について実地に経験することが重要なんだ。
竜生が解剖されていく光景に目を向けつつも同時にストレスを感じてるならそのストレスにきちんと対処するのもしっかりと経験してもらうさ。これを面倒臭がって放置する親というのが、結局は、
『自分のやったことが望んでない形で返ってきた時に無責任に逃げ出す人間を作る』
と俺は思ってるんだよ。
<我慢強い人間>
が大事なんじゃない。
<ストレスと巧く付き合える人間>
が大事なんじゃないのか? そういう人間が大半なら、<事件>も少なくなるだろうし、事件にまでは至らなくても自分のストレスを他人に転嫁するために理不尽なことをしてくるのも減るはずだと感じるね。
だから錬慈が自分のストレスを適切に和らげるために俺の膝を選ぶなら、むしろ褒めてやりたい。
彼の聡明さを。
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