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歴史上最も忌むべき悪女
大胆な改革
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こうして、セヴェルハムト帝国とデヴォイニト・フローリア王国との戦争は、形の上では双方の<痛み分け>という形で、実にすっきりしない結末を迎えることになった。
しかも、リオポルドの下に保護された、彼の元乳母であったマーレは、心労のあまり心臓の病を患い、医師達の懸命な治療の甲斐なく、リオポルドとウルフェンス、そして自分の子供達に見守られながら永眠した。
「マーレ……マーレ……どうして私を置いて逝ってしまうのだ……!」
ほとんど彼女に付きっ切りだったリオポルドは、人目も憚らずマーレの遺体にすがり、泣いたという。
そんな彼の姿に、ウルフェンスも唇を噛み締めて肩を震わせた。
そこには、リオポルドとその王妃を守る者としての勇猛さは見られなかった。
こうしてウルフェンスが悲嘆にくれている間、ミカの身辺警護の責任者となったのは、ネイサンだった。
彼も、武芸についてはそれなりの物を持っていて、かつ、王と王妃が諸領地行脚に出ている間、ルブルースの身勝手な振る舞いにブレーキを掛ける役目を果たしてくれていたのである。
しかも、デヴォイニト・フローリア王国の侵略により非常の事態となると王から直接代理としての権限を与えられていたこともあって、前の農政大臣であったスーリントン卿の息の掛かった者達の多くが彼に寝返ることとなった。
これは、かかる事態に、スーリントン卿が的確な指示を出すことがまったくできなかったことで見限られたというのも大きかったようだ。
こうしてネイサンは、結果的に農政をはじめとした行政の実権の多くを握ることにもなった。
王と王妃の警護の責任者であると同時に農政をはじめとした帝国の主要な基幹産業を管轄するというのはさすがに責任が大きすぎるとも思えるが、いかんせん、実際の現場で的確な指示を出せる能力を持った者が今の帝国には少なすぎるというのもあり、ウルフェンスが実務に堪えない今は彼がそれを背負うしかなかった。
そしてミカは、彼を通じ、大胆な改革を実行していった。
マオレルトン領の復興を商人に任せたのもその一つである。復興の旗印の下で、いわゆる<経済特区>のようなものを作ったのだ。
商人らが自由に再開発を行い、そして利益を上げることを許したのである。
そこには、ミカが世話になった商人らも当然含まれており、彼女は恩を返した形にもなった。
さらには、その陰には、当然のごとく、<ミカの友人>の姿もある。彼女は、マオレルトン領を埋め尽くすかのように溢れた<死体>を回収。人間の死体を利用して<呪術的な薬>を作る者達に売り、大変な利益を得ていた。
もっとも、それは、戦争中の混乱に乗じて行われていたことなので、復興が始まった時点ですでに痕跡も残さずに撤収していたのだが。
しかも、リオポルドの下に保護された、彼の元乳母であったマーレは、心労のあまり心臓の病を患い、医師達の懸命な治療の甲斐なく、リオポルドとウルフェンス、そして自分の子供達に見守られながら永眠した。
「マーレ……マーレ……どうして私を置いて逝ってしまうのだ……!」
ほとんど彼女に付きっ切りだったリオポルドは、人目も憚らずマーレの遺体にすがり、泣いたという。
そんな彼の姿に、ウルフェンスも唇を噛み締めて肩を震わせた。
そこには、リオポルドとその王妃を守る者としての勇猛さは見られなかった。
こうしてウルフェンスが悲嘆にくれている間、ミカの身辺警護の責任者となったのは、ネイサンだった。
彼も、武芸についてはそれなりの物を持っていて、かつ、王と王妃が諸領地行脚に出ている間、ルブルースの身勝手な振る舞いにブレーキを掛ける役目を果たしてくれていたのである。
しかも、デヴォイニト・フローリア王国の侵略により非常の事態となると王から直接代理としての権限を与えられていたこともあって、前の農政大臣であったスーリントン卿の息の掛かった者達の多くが彼に寝返ることとなった。
これは、かかる事態に、スーリントン卿が的確な指示を出すことがまったくできなかったことで見限られたというのも大きかったようだ。
こうしてネイサンは、結果的に農政をはじめとした行政の実権の多くを握ることにもなった。
王と王妃の警護の責任者であると同時に農政をはじめとした帝国の主要な基幹産業を管轄するというのはさすがに責任が大きすぎるとも思えるが、いかんせん、実際の現場で的確な指示を出せる能力を持った者が今の帝国には少なすぎるというのもあり、ウルフェンスが実務に堪えない今は彼がそれを背負うしかなかった。
そしてミカは、彼を通じ、大胆な改革を実行していった。
マオレルトン領の復興を商人に任せたのもその一つである。復興の旗印の下で、いわゆる<経済特区>のようなものを作ったのだ。
商人らが自由に再開発を行い、そして利益を上げることを許したのである。
そこには、ミカが世話になった商人らも当然含まれており、彼女は恩を返した形にもなった。
さらには、その陰には、当然のごとく、<ミカの友人>の姿もある。彼女は、マオレルトン領を埋め尽くすかのように溢れた<死体>を回収。人間の死体を利用して<呪術的な薬>を作る者達に売り、大変な利益を得ていた。
もっとも、それは、戦争中の混乱に乗じて行われていたことなので、復興が始まった時点ですでに痕跡も残さずに撤収していたのだが。
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