悪しき女帝のためのパヴァーヌ

京衛武百十

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牢獄の女怪

玩具

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看守長が出ていった直後に牢に入ってきた看守達は、完全にミカを<道具>として扱った。

いや、<玩具おもちゃ>、か。

先を争って彼女に襲い掛かり、ある者は彼女の髪をまるで手綱のように掴んで引っ張りながら後ろから攻め立て、

またある者は彼女の胸の先を指で捻り潰そうとでもいうくらいに摘み上げ、

さらにある者は首を絞め、窒息する彼女の顔を楽しみながら弄んだ。

そこに、人間に対する気遣いや敬いは欠片もなかった。ただただ自分達の享楽のために他人を使い潰そうと考えている者達ばかりだった。

しかも、ミカの口も膣も肛門も、それこそ容赦なく穢し、堪能する。

彼女の肛門を犯した後で、その一物をミカに口で綺麗にさせたりもしたのだ。

もっとも、その程度はそれこそ<序の口>だったのだろうが。

「……」

体中のあらゆる部分を嬲り尽くされ穢されても、ミカは抵抗しなかった。

反面、どんなに責められようともロクに反応もせず、よくあるフィクションのように『精神的に屈服』したり『快楽に呑まれて嬌声を上げたり』ということもなかったが。

『快楽に溺れる』

というのは、実は精神的な、本人の<気分>が非常に大きく影響するものでもある。いくら技巧を弄しようとも、

<そういう気分>

にならなければその効果は極めて下がってしまう。

その点、ミカは、現状をとっくに受け入れていることで今さら<屈服>もする必要がないし、自身が置かれた境遇から己の精神を守るために『敢えて快楽に溺れる』必要もまるでなかったのだ。

だから彼女の精神は、快楽に救いを求めることさえなかったのである。

ただ、それでいて、順番の後の方になってくると、我先にとむしゃぶりついた者達とは若干異なった様子を見せる者も現れ始め、こころもち、様子が変わってきたようでもあった。

なにしろ、彼女に縋るようにして求めてくる者に対しては、その体を包み込むようにして抱き締め、受け止めたのだから。

「…!?」

すると、その者は、

「う…うぁああぁあ……!」

などと声を上げながら、まるで母親に甘えるように涙さえ流しながら、彼女の体を貪ったりもした。

反面、完全に彼女を<玩具おもちゃ>として扱っている者に対しては、徹底的に心を閉ざし、苦痛にゆがむ顔すら見せようとはしなかったが。

そういう意味では、彼女は確かに<生きた玩具おもちゃ>だっただろう。



立て続けに十数人の相手をして、数時間が経過し、さすがのミカも最後の頃はほとんど意識がないような状態だった。

そしてその日の<お勤め>が終わり、世話役の元メイドの囚人達が何人もで彼女を抱えて風呂場に運び、汚れた人形を洗うように、先にボロ布の束を括りつけた、<モップ>のようなものでミカの体を洗い出した。

なすがままにぐったりとしている彼女を、元メイドの囚人達は汚物を見るかのような目で見下ろしている。

「……」

そのような形で洗われ、それが終わる頃、ようやくミカは意識を取り戻したようだった。

けれどやはり、自分に対する同じ囚人達の仕打ちにさえ何も言わず、よろよろと自力で立ち上がり、ローブ代わりの布を体に掛けただけで、自ら歩いて牢へと戻ったのだった。

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