46 / 106
あくまでその当人を見る
しおりを挟む
女が男から頭を撫でられて必ず喜ぶとか思ってる奴は、女ってもんを知らなすぎる。そんなことをされて喜ぶのは、
『頭を撫でられて嬉しい相手に撫でられたら』
って時だけだ。そうじゃねえ男から撫でられてなんで嬉しいと思うよ。そんなもんはただの<セクハラ>だ。わきまえろ。
俺は、『男だから』とか『女だから』とかってえ理屈じゃ判断しないようにしてる。あくまでその当人を見るようにしてるんだ。
まあ、その<当人>が最初とんでもなかったのが羅美なんだけどな。
他にも、<男>ってだけで自分の狭い価値観に当てはめて決め付ける女も確かにいるが、別にそんなことはどうでもいい。そんな女に好かれようとも思わないし、関わろうとも思わない。職場にもその手の女子社員はいるが、どうせ仕事上で<社交辞令>だけで関わる相手だから何も言わない。
ただの思い込みだけで『男なんてこんなもん』と決め付けてた羅美が、<パパ活女子高生を買うような男>ばかりを呼び寄せてたのと同じで、狭い価値観で主語をでかくするような奴がまともじゃない奴を呼び寄せたってそれは当人の責任だろ。好きにやらせときゃいいんだよ。
勝手に口出しして干渉して、それでそいつの人生について責任負えんのか? 負えないよな? 自分の言ったとおりにしてそれで良くない方向に行ったら、結局は当人の責任にするんだろ?
イジメとかで他所様の家庭の事情とかを理由にしてイジメる奴もいるよな? そんな奴らが責任なんか取るか? 取らねえだろ。
だったら最初から関わんな。関わるんなら最後まで責任を負え。
それだけの話だ。
だから俺も、俺の下から出て行くまでは責任を負うさ。
俺に頭を撫でられて、羅美はまるで猫みたいな顔で喜んでた。だからついつい撫で続けてたら、
「って、しつこいわ! もういいっての!!」
ってキレられた。
「ははは! すまんすまん。なんか可愛くて、つい」
俺は笑顔になってしまう。
牧島に言われたんだ。
「最近、なんか張り切ってない?」
って。
「前はもっとこう、虚無ってたよね。仕方なく仕事してるってのが顔に滲み出てた」
「そ、そうか……?」
「そうだよ。離婚するずっと前からそんな感じだった。てか、うちの会社に入ってからすぐかな。結婚してからも変わんなかった気がする。だから家族が張り合いになってないんだなっていうのは分かった。それなのに今はやる気が見えてるんだよ。もしかして大虎のおかげ?」
「……そうかもな……」
なんてやり取りもあった。
そして牧島は訊いてきた。
「なら、コグマにとっても大虎は救いだったんじゃないの?」
『頭を撫でられて嬉しい相手に撫でられたら』
って時だけだ。そうじゃねえ男から撫でられてなんで嬉しいと思うよ。そんなもんはただの<セクハラ>だ。わきまえろ。
俺は、『男だから』とか『女だから』とかってえ理屈じゃ判断しないようにしてる。あくまでその当人を見るようにしてるんだ。
まあ、その<当人>が最初とんでもなかったのが羅美なんだけどな。
他にも、<男>ってだけで自分の狭い価値観に当てはめて決め付ける女も確かにいるが、別にそんなことはどうでもいい。そんな女に好かれようとも思わないし、関わろうとも思わない。職場にもその手の女子社員はいるが、どうせ仕事上で<社交辞令>だけで関わる相手だから何も言わない。
ただの思い込みだけで『男なんてこんなもん』と決め付けてた羅美が、<パパ活女子高生を買うような男>ばかりを呼び寄せてたのと同じで、狭い価値観で主語をでかくするような奴がまともじゃない奴を呼び寄せたってそれは当人の責任だろ。好きにやらせときゃいいんだよ。
勝手に口出しして干渉して、それでそいつの人生について責任負えんのか? 負えないよな? 自分の言ったとおりにしてそれで良くない方向に行ったら、結局は当人の責任にするんだろ?
イジメとかで他所様の家庭の事情とかを理由にしてイジメる奴もいるよな? そんな奴らが責任なんか取るか? 取らねえだろ。
だったら最初から関わんな。関わるんなら最後まで責任を負え。
それだけの話だ。
だから俺も、俺の下から出て行くまでは責任を負うさ。
俺に頭を撫でられて、羅美はまるで猫みたいな顔で喜んでた。だからついつい撫で続けてたら、
「って、しつこいわ! もういいっての!!」
ってキレられた。
「ははは! すまんすまん。なんか可愛くて、つい」
俺は笑顔になってしまう。
牧島に言われたんだ。
「最近、なんか張り切ってない?」
って。
「前はもっとこう、虚無ってたよね。仕方なく仕事してるってのが顔に滲み出てた」
「そ、そうか……?」
「そうだよ。離婚するずっと前からそんな感じだった。てか、うちの会社に入ってからすぐかな。結婚してからも変わんなかった気がする。だから家族が張り合いになってないんだなっていうのは分かった。それなのに今はやる気が見えてるんだよ。もしかして大虎のおかげ?」
「……そうかもな……」
なんてやり取りもあった。
そして牧島は訊いてきた。
「なら、コグマにとっても大虎は救いだったんじゃないの?」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる