何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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あーもう! どうして人間ってこんなに強欲で目先のことしか考えないの!?

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『身近な人の気持ちもしっかり掴まないで、大きなことなんてできない』

これは、バンクハンマに対しても言えることだった。

「なにこれ? ハンマ! どういうことなの!?」

ある日、先に畑の様子を見てから彼の家に行こうと思った私は、バンクハンマが堆肥を畑に混ぜているところに出くわした。私が用意した堆肥じゃないのを。

「あ、いや、いちいち用意してもらうのも悪いと思ったからさ……ちょーっと親戚連中に協力してもらって…」

焦った様子でそんなことを言う彼に、私は頭を抱えてた。

「ハンマ! 私は言ったでしょ? 堆肥はとにかく大量に撒けばいい訳じゃないって。水を汚すかもしれないのもそうだけど、やりすぎても作物に悪い影響があるんだから。どんなものでも度が過ぎれば毒なんだって!」

まったく……奴隷のリレですら私の指示の意味を理解してるってのに、どうしてこう人間って目先のことしか考えないのかしらね…!

とは言え、ただ責めるだけじゃ無駄な反発を招きかねない。なのでアウラクレアにフォローしてもらう。

「ハンマさん。私からもお願いします。カリンの言うことを守ってください。それがハンマさんにとってもいいことに繋がる筈ですから」

バンクハンマの目を真っ直ぐに見詰めながら、縋るようにそう言うアウラクレアに、彼も、

「お…おう……今度からは気を付けるよ…」

と応えてくれた。本当に気を付けてくれたらいいんだけどね。

でもまあ、幸い今回は早く気付いたし、量的にも多分過剰にはならない程度だったみたいだし、大丈夫そうかな。

ただ、他の人がやってる畑にも施肥するようになってくると、同じようなことはまた起こるかもしれない。その辺りをどう制御するか、考えていかないといけないかな。

実際、地球でも同様の問題はいまだにあるって話だった。とにかく大量に堆肥を投入して安易に収穫量を増やそうとする例が後を絶たないって。化学肥料は成分がはっきり分かってて計算もしやすいけど、堆肥はどうしてもばらつきができるから、そのばらつきも考慮に入れた形でやらないといけない。正直、そういう点では化学肥料の方が優れてるという面があるのも事実なのよね。

堆肥を用いた方がより自然に近い状態でできるっていうイメージがあるかも知れないけど、自然なだけに難しいのよ。計算できない部分もあるから。

そして、人間は強欲な生き物だ。悪気なく目先の利益に飛び付いて後先考えないことも多い。それはこの世界でも変わらない。

でもだからこそ、私が元の世界で見聞きしたことが役に立つと思う。

取り敢えずは、堆肥が供給過多にならないように調整することも考慮しつつ進めよう。

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