18 / 535
あーもう! どうして人間ってこんなに強欲で目先のことしか考えないの!?
しおりを挟む
『身近な人の気持ちもしっかり掴まないで、大きなことなんてできない』
これは、バンクハンマに対しても言えることだった。
「なにこれ? ハンマ! どういうことなの!?」
ある日、先に畑の様子を見てから彼の家に行こうと思った私は、バンクハンマが堆肥を畑に混ぜているところに出くわした。私が用意した堆肥じゃないのを。
「あ、いや、いちいち用意してもらうのも悪いと思ったからさ……ちょーっと親戚連中に協力してもらって…」
焦った様子でそんなことを言う彼に、私は頭を抱えてた。
「ハンマ! 私は言ったでしょ? 堆肥はとにかく大量に撒けばいい訳じゃないって。水を汚すかもしれないのもそうだけど、やりすぎても作物に悪い影響があるんだから。どんなものでも度が過ぎれば毒なんだって!」
まったく……奴隷のリレですら私の指示の意味を理解してるってのに、どうしてこう人間って目先のことしか考えないのかしらね…!
とは言え、ただ責めるだけじゃ無駄な反発を招きかねない。なのでアウラクレアにフォローしてもらう。
「ハンマさん。私からもお願いします。カリンの言うことを守ってください。それがハンマさんにとってもいいことに繋がる筈ですから」
バンクハンマの目を真っ直ぐに見詰めながら、縋るようにそう言うアウラクレアに、彼も、
「お…おう……今度からは気を付けるよ…」
と応えてくれた。本当に気を付けてくれたらいいんだけどね。
でもまあ、幸い今回は早く気付いたし、量的にも多分過剰にはならない程度だったみたいだし、大丈夫そうかな。
ただ、他の人がやってる畑にも施肥するようになってくると、同じようなことはまた起こるかもしれない。その辺りをどう制御するか、考えていかないといけないかな。
実際、地球でも同様の問題はいまだにあるって話だった。とにかく大量に堆肥を投入して安易に収穫量を増やそうとする例が後を絶たないって。化学肥料は成分がはっきり分かってて計算もしやすいけど、堆肥はどうしてもばらつきができるから、そのばらつきも考慮に入れた形でやらないといけない。正直、そういう点では化学肥料の方が優れてるという面があるのも事実なのよね。
堆肥を用いた方がより自然に近い状態でできるっていうイメージがあるかも知れないけど、自然なだけに難しいのよ。計算できない部分もあるから。
そして、人間は強欲な生き物だ。悪気なく目先の利益に飛び付いて後先考えないことも多い。それはこの世界でも変わらない。
でもだからこそ、私が元の世界で見聞きしたことが役に立つと思う。
取り敢えずは、堆肥が供給過多にならないように調整することも考慮しつつ進めよう。
これは、バンクハンマに対しても言えることだった。
「なにこれ? ハンマ! どういうことなの!?」
ある日、先に畑の様子を見てから彼の家に行こうと思った私は、バンクハンマが堆肥を畑に混ぜているところに出くわした。私が用意した堆肥じゃないのを。
「あ、いや、いちいち用意してもらうのも悪いと思ったからさ……ちょーっと親戚連中に協力してもらって…」
焦った様子でそんなことを言う彼に、私は頭を抱えてた。
「ハンマ! 私は言ったでしょ? 堆肥はとにかく大量に撒けばいい訳じゃないって。水を汚すかもしれないのもそうだけど、やりすぎても作物に悪い影響があるんだから。どんなものでも度が過ぎれば毒なんだって!」
まったく……奴隷のリレですら私の指示の意味を理解してるってのに、どうしてこう人間って目先のことしか考えないのかしらね…!
とは言え、ただ責めるだけじゃ無駄な反発を招きかねない。なのでアウラクレアにフォローしてもらう。
「ハンマさん。私からもお願いします。カリンの言うことを守ってください。それがハンマさんにとってもいいことに繋がる筈ですから」
バンクハンマの目を真っ直ぐに見詰めながら、縋るようにそう言うアウラクレアに、彼も、
「お…おう……今度からは気を付けるよ…」
と応えてくれた。本当に気を付けてくれたらいいんだけどね。
でもまあ、幸い今回は早く気付いたし、量的にも多分過剰にはならない程度だったみたいだし、大丈夫そうかな。
ただ、他の人がやってる畑にも施肥するようになってくると、同じようなことはまた起こるかもしれない。その辺りをどう制御するか、考えていかないといけないかな。
実際、地球でも同様の問題はいまだにあるって話だった。とにかく大量に堆肥を投入して安易に収穫量を増やそうとする例が後を絶たないって。化学肥料は成分がはっきり分かってて計算もしやすいけど、堆肥はどうしてもばらつきができるから、そのばらつきも考慮に入れた形でやらないといけない。正直、そういう点では化学肥料の方が優れてるという面があるのも事実なのよね。
堆肥を用いた方がより自然に近い状態でできるっていうイメージがあるかも知れないけど、自然なだけに難しいのよ。計算できない部分もあるから。
そして、人間は強欲な生き物だ。悪気なく目先の利益に飛び付いて後先考えないことも多い。それはこの世界でも変わらない。
でもだからこそ、私が元の世界で見聞きしたことが役に立つと思う。
取り敢えずは、堆肥が供給過多にならないように調整することも考慮しつつ進めよう。
0
あなたにおすすめの小説
リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~
RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。
試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。
「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」
枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる