105 / 120
共依存
しおりを挟む
『ああそうだ。こいつは私が見つけた正真正銘の人間だ。どうだ? 守りたいだろう!? だったら守ってみせろよ!!』
エレクシアYM10はそう言ってハンドカノンを放った。タリアP55SIはそれらを躱す。すると少年がエレクシアYM10の左腕にしがみついて叫んだ。
「エレクシア! お前何やってんだよ!? そんな体で勝負になる訳ないだろ。って言うか勝負って何だよ!? 意味分かんねーよ!!」
その隙にタリアP55SIはコミューターの中から超振動ブレードの太刀を掴みだした。
少年の言う通りだった。今のエレクシアYM10はハンドカノンの反動を抑えきれず、狙いは滅茶苦茶だ。これでは当たる訳がない。勝負になど最初からなる筈がない。
しかもタリアP55SIは、少年とエレクシアYM10の様子を見て多くのことを察していた。少年の表情や心拍や血流や呼吸、そして少年を見るエレクシアYM10の目の動き。何より、自分の危険を顧みず彼女を止めようと必死になる少年の行動と、自分をわざと煽ることで少年を保護させようとするエレクシアYM10の言動。
この一人と一体が互いに共依存の状態にあることが容易に見て取れた。決して短くない期間、一緒にいたのだろう。少年はエレクシアYM10に依存し、エレクシアYM10もまた少年の存在に依存しているのは明らかだった。しかもその程度は決して軽くない。相当な重度のものでなければここまで露骨にはならない筈だ。
彼女は、少年と別れることが惜しくて敢えて偽悪的に振る舞い、自分の未練を断ち切ろうとしているに違いない。人間でも察しのいい者なら気付けるほどの分かりやすい姿だった。
「どけっ! 邪魔するな!!」
それでもエレクシアYM10は少年を振り払い、ハンドカノンを連射する。しかし弾丸はすぐに尽きた。左腕しかない今の彼女では再装填するよりもタリアP55SIが超振動ブレードで切り刻む方が圧倒的に早い。勝負は完全に決したのだった。
にも拘らずエレクシアYM10はハンドカノンを放り出し、すぐさま胸のホルスターに挿してあった拳銃を抜き、構えた。もっともそれは、対人用の四五口径の古めかしいレトロ調の拳銃だった。生身の人間相手なら非常に強力なその銃も、タリアP55SI相手ではせいぜいかすり傷を付けるのが関の山だ。勝敗に影響を与えるようなものではない。
だが彼女はニヤリと邪悪な笑みを浮かべ、タリアP55SIを見下すように見た。それは勝利を確信した笑みのようにも見えた。この状況でどんな勝機があると言うのか。
誰もがそう思うであろうその状況の中で、彼女は少年に対して銃口を向け、躊躇うことなく引き金を絞ったのだった。
エレクシアYM10はそう言ってハンドカノンを放った。タリアP55SIはそれらを躱す。すると少年がエレクシアYM10の左腕にしがみついて叫んだ。
「エレクシア! お前何やってんだよ!? そんな体で勝負になる訳ないだろ。って言うか勝負って何だよ!? 意味分かんねーよ!!」
その隙にタリアP55SIはコミューターの中から超振動ブレードの太刀を掴みだした。
少年の言う通りだった。今のエレクシアYM10はハンドカノンの反動を抑えきれず、狙いは滅茶苦茶だ。これでは当たる訳がない。勝負になど最初からなる筈がない。
しかもタリアP55SIは、少年とエレクシアYM10の様子を見て多くのことを察していた。少年の表情や心拍や血流や呼吸、そして少年を見るエレクシアYM10の目の動き。何より、自分の危険を顧みず彼女を止めようと必死になる少年の行動と、自分をわざと煽ることで少年を保護させようとするエレクシアYM10の言動。
この一人と一体が互いに共依存の状態にあることが容易に見て取れた。決して短くない期間、一緒にいたのだろう。少年はエレクシアYM10に依存し、エレクシアYM10もまた少年の存在に依存しているのは明らかだった。しかもその程度は決して軽くない。相当な重度のものでなければここまで露骨にはならない筈だ。
彼女は、少年と別れることが惜しくて敢えて偽悪的に振る舞い、自分の未練を断ち切ろうとしているに違いない。人間でも察しのいい者なら気付けるほどの分かりやすい姿だった。
「どけっ! 邪魔するな!!」
それでもエレクシアYM10は少年を振り払い、ハンドカノンを連射する。しかし弾丸はすぐに尽きた。左腕しかない今の彼女では再装填するよりもタリアP55SIが超振動ブレードで切り刻む方が圧倒的に早い。勝負は完全に決したのだった。
にも拘らずエレクシアYM10はハンドカノンを放り出し、すぐさま胸のホルスターに挿してあった拳銃を抜き、構えた。もっともそれは、対人用の四五口径の古めかしいレトロ調の拳銃だった。生身の人間相手なら非常に強力なその銃も、タリアP55SI相手ではせいぜいかすり傷を付けるのが関の山だ。勝敗に影響を与えるようなものではない。
だが彼女はニヤリと邪悪な笑みを浮かべ、タリアP55SIを見下すように見た。それは勝利を確信した笑みのようにも見えた。この状況でどんな勝機があると言うのか。
誰もがそう思うであろうその状況の中で、彼女は少年に対して銃口を向け、躊躇うことなく引き金を絞ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる