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リシャールとシャミーレ
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俺の投げつけた爆弾が女王に掃われて離れたところで爆発する。もう一度投げつけたが、やっぱり掃われて離れたところで爆発した。でもまあ、兵隊を巻き添えにしてくれたから無駄にはならなかったが。
「……なら、これはどうだ!」
今度は導火線がぎりぎりまで短くなるのを待ってから投げつける。女王が掃おうとしたらその時点で爆発するタイミングだ。しかし女王は、今度は普通に逃げて躱し、爆弾は空中で爆発した。
『まったく、腹立つくらい頭もいいな』
とは思う。もっとも、<獣>として考えればだが。人間の意識でも残っててくれりゃもっといろいろやりようもあった気もするもののどうやらそれについては望み薄のようだ。
リシャールとシャミーレが自分を裏切っていることを察してるはずが、人間のようにキレてこない。単に敵の一人として対処してるだけだ。だからそれが隙になるわけでもない。
『人間の知能を手に入れた虫か……』
とはいえ幸い、完全に人間として知能を活かしきれてるわけじゃなようだ。精々、喧嘩っ早いチンピラ程度って印象だな。もっと高度な頭脳戦を仕掛けてくるなら厄介な相手でも、リョウと同等程度でしかも火力自体は大したことないとなれば、やっぱり数が多いのが脅威で普通の人間にはヤバい相手なだけで、リョウのような<火力バカ>がいればそれほど怖い相手でもなかった。
「やっちまえ! リョウ!!」
俺が時間差で爆弾を投げつけて、避けた先に地面に転がすようにしてやると、女王は今度は高々とジャンプして避けた。それをリョウが、
「ゲッ〇ー! ブィイイイムッッ!!」
射角を空に向けてとってぶっ放す。
これで、終わりだった。体の半分が<ゲッ〇ービーム>の直撃で蒸発。即死である。
グシャアッ!と女王の体の残った部分が地面に落ちるが、少しもがいただけですぐに動かなくなった。
「よしっ!」
嬉しそうに声(脳内直接届く念話だが)を上げたリシャールの首を、俺はためらうことなく刎ねていた。
「な……っ!?」
突然の俺の<裏切り>に、リシャールが戸惑う。そして、
「!?」
兄への仕打ちに怒ったか、シャミーレが俺の右腕を食いちぎるが、俺相手にそれはむしろ自殺行為だな。
すぐさま腕を再生すると、俺の腕に顎を貫かれた形になったシャミーレがビクッと体を竦ませ、リョウが魔法のステッキでシャミーレの首を刎ねたのだった。
「……なんで…分かった……?」
首だけになったリシャールが俺にそう問い掛ける。だから俺は応えたんだ。
「さっきのテントの中に残されてた日記の中に、お前の名前は全く出てこなかったんだよ。もしかしたらお前自身が書いた日記かと思ったが、お前は『日記は書かない』と言った。ということは、あのテントの持ち主はお前の仲間じゃない。
どうせ、今いるギアルゲフの女王を俺達に始末させて自分達が新しい群れを作るつもりだったんだろう? 妹を女王にしてな」
「そうか……そこまでバレてたのか……」
リシャールは残念そうに呟いた。
首だけになっても、人間の姿もそうだし、ギアルゲフとしても再生しないようだな。脳だけが再生し続ける感じか。
「……なら、これはどうだ!」
今度は導火線がぎりぎりまで短くなるのを待ってから投げつける。女王が掃おうとしたらその時点で爆発するタイミングだ。しかし女王は、今度は普通に逃げて躱し、爆弾は空中で爆発した。
『まったく、腹立つくらい頭もいいな』
とは思う。もっとも、<獣>として考えればだが。人間の意識でも残っててくれりゃもっといろいろやりようもあった気もするもののどうやらそれについては望み薄のようだ。
リシャールとシャミーレが自分を裏切っていることを察してるはずが、人間のようにキレてこない。単に敵の一人として対処してるだけだ。だからそれが隙になるわけでもない。
『人間の知能を手に入れた虫か……』
とはいえ幸い、完全に人間として知能を活かしきれてるわけじゃなようだ。精々、喧嘩っ早いチンピラ程度って印象だな。もっと高度な頭脳戦を仕掛けてくるなら厄介な相手でも、リョウと同等程度でしかも火力自体は大したことないとなれば、やっぱり数が多いのが脅威で普通の人間にはヤバい相手なだけで、リョウのような<火力バカ>がいればそれほど怖い相手でもなかった。
「やっちまえ! リョウ!!」
俺が時間差で爆弾を投げつけて、避けた先に地面に転がすようにしてやると、女王は今度は高々とジャンプして避けた。それをリョウが、
「ゲッ〇ー! ブィイイイムッッ!!」
射角を空に向けてとってぶっ放す。
これで、終わりだった。体の半分が<ゲッ〇ービーム>の直撃で蒸発。即死である。
グシャアッ!と女王の体の残った部分が地面に落ちるが、少しもがいただけですぐに動かなくなった。
「よしっ!」
嬉しそうに声(脳内直接届く念話だが)を上げたリシャールの首を、俺はためらうことなく刎ねていた。
「な……っ!?」
突然の俺の<裏切り>に、リシャールが戸惑う。そして、
「!?」
兄への仕打ちに怒ったか、シャミーレが俺の右腕を食いちぎるが、俺相手にそれはむしろ自殺行為だな。
すぐさま腕を再生すると、俺の腕に顎を貫かれた形になったシャミーレがビクッと体を竦ませ、リョウが魔法のステッキでシャミーレの首を刎ねたのだった。
「……なんで…分かった……?」
首だけになったリシャールが俺にそう問い掛ける。だから俺は応えたんだ。
「さっきのテントの中に残されてた日記の中に、お前の名前は全く出てこなかったんだよ。もしかしたらお前自身が書いた日記かと思ったが、お前は『日記は書かない』と言った。ということは、あのテントの持ち主はお前の仲間じゃない。
どうせ、今いるギアルゲフの女王を俺達に始末させて自分達が新しい群れを作るつもりだったんだろう? 妹を女王にしてな」
「そうか……そこまでバレてたのか……」
リシャールは残念そうに呟いた。
首だけになっても、人間の姿もそうだし、ギアルゲフとしても再生しないようだな。脳だけが再生し続ける感じか。
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