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慰霊碑
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<人間の遺体すら食料に変えねばならんほどの世界>であることを示す装置によって埋め尽くされた部屋ではあったが、人間用の破砕機についてはどうやらしばらく使われた気配がなかった。
ついている臭いが少なすぎるのだ。一年やそこらは使われてない感じだろうか。
まあ、この屋敷に住んでいる人間の数が少ないから、そんなに頻繁に死体もでないのだろう。
ところで、生ゴミを原料にして作られた<エネルギーバー>については、籠に入ったまま運び出される様子がなかった。いくらかまとまってから運び出すのかもしれないな。
そう言えば、私が絵具を齧った絵画が保管されていた物置にもおそらくエネルギーバーと思しき保存食が置かれていたが、そちらは凝ったデザインは施されていなかったとはいえもっとしっかりとした<商品>だった。
だからここのビニールで包装されただけのものとは違い、きっともう少しマシなものなのだろう。ここで作られているものはそれこそギリギリの状態の時の<頼みの綱的>なものかもしれない。
とは言え、装置はしっかりと密閉されていて中の<食料>にはありつけそうになかった。
が、何度か人間は出入りしているらしく、床には髪の毛や皮膚片なども落ちていたのでそちらをまず食う。
そうして腹ごしらえをしてさらに探索を続けた。
と、部屋の隅に何やら祠のようなものが。
なるほど、<慰霊碑>的なあれだな。
せめて形だけでも悼んでおこうと。
気休めにしかならんだろうがな。
そんなことを思いつつ覗き込んでみると、日付と思しき数字と、名前と思しき文字列が刻まれたプレートが納められていた。そしてその一番上に、
『2078・2・13 Unknown』
と表記されている。
つまりここは二〇七八年+αの地球で、この装置で最後に処理したのは<Unknown(身元不明者)>ということが窺える。
この人間の少ない場所で<Unknown(身元不明者)>というのはいささか解せんが、まあそれなりにいろいろあるんだろうな。
そういうわけで私は、取り敢えず多少の食料が見込めるこの場所にしばらくとどまることにした。
もしかすると包装が破損した不良品などが出る可能性もある。となればしめたものだ。
ここは他にゴキブリもいない。ということはアシダカグモなどの天敵がいる可能性もほぼない。
ならばちょうどいいだろう。
などと思っていると、翌日、扉が開いて白衣を着た人間が二人入ってきた。どちらも男。厨房の清掃をしてた奴らとは別人だった。
一人はアジア系だがもう一人はスラブ系か? アジア系はやや陰険そうな印象の中年男。スラブ系らしいのはまだ十代と思しき若い男なのだった。
ついている臭いが少なすぎるのだ。一年やそこらは使われてない感じだろうか。
まあ、この屋敷に住んでいる人間の数が少ないから、そんなに頻繁に死体もでないのだろう。
ところで、生ゴミを原料にして作られた<エネルギーバー>については、籠に入ったまま運び出される様子がなかった。いくらかまとまってから運び出すのかもしれないな。
そう言えば、私が絵具を齧った絵画が保管されていた物置にもおそらくエネルギーバーと思しき保存食が置かれていたが、そちらは凝ったデザインは施されていなかったとはいえもっとしっかりとした<商品>だった。
だからここのビニールで包装されただけのものとは違い、きっともう少しマシなものなのだろう。ここで作られているものはそれこそギリギリの状態の時の<頼みの綱的>なものかもしれない。
とは言え、装置はしっかりと密閉されていて中の<食料>にはありつけそうになかった。
が、何度か人間は出入りしているらしく、床には髪の毛や皮膚片なども落ちていたのでそちらをまず食う。
そうして腹ごしらえをしてさらに探索を続けた。
と、部屋の隅に何やら祠のようなものが。
なるほど、<慰霊碑>的なあれだな。
せめて形だけでも悼んでおこうと。
気休めにしかならんだろうがな。
そんなことを思いつつ覗き込んでみると、日付と思しき数字と、名前と思しき文字列が刻まれたプレートが納められていた。そしてその一番上に、
『2078・2・13 Unknown』
と表記されている。
つまりここは二〇七八年+αの地球で、この装置で最後に処理したのは<Unknown(身元不明者)>ということが窺える。
この人間の少ない場所で<Unknown(身元不明者)>というのはいささか解せんが、まあそれなりにいろいろあるんだろうな。
そういうわけで私は、取り敢えず多少の食料が見込めるこの場所にしばらくとどまることにした。
もしかすると包装が破損した不良品などが出る可能性もある。となればしめたものだ。
ここは他にゴキブリもいない。ということはアシダカグモなどの天敵がいる可能性もほぼない。
ならばちょうどいいだろう。
などと思っていると、翌日、扉が開いて白衣を着た人間が二人入ってきた。どちらも男。厨房の清掃をしてた奴らとは別人だった。
一人はアジア系だがもう一人はスラブ系か? アジア系はやや陰険そうな印象の中年男。スラブ系らしいのはまだ十代と思しき若い男なのだった。
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