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転生するまでの私
私についてのお話
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私、長谷川 菜那歌は22歳の女子大生でした。特にこれといった趣味もなく特技らしい特技があるわけでもない、周りから見るととても印象の薄いいるのか居ないのかも気にならない存在だったんだと思います。
私自身人と関わることが苦手で、誰かと楽しく話しをしたいのにいざとなると上手に話せないことも多かったので積極的に人に話しかけに行くタイプではなかったのも、そんな印象になってしまう原因の1つだったんでしょうね。
家はどちらかというと裕福で、何の不自由もなく暮らせていましたし、学校も親の意向で中学から大学までエスカレーター式の私立学校に通っていました。
ただ1つ問題があったとするなら家族関係で、お世辞にも良い家庭とは言えない。どれだけ緩い基準でみたとしても、不仲と言えたと思います。
父と母、3歳年上の兄に私の4人家族でしたが、父は兄と私の成績に関してとても厳しく、ことある事に「努力が足りない」だの「遊んでばかりいるからだ」などと言い、特に兄に対しては長男なんだからという事なのか私以上に厳しくしていました。
そんな父のプレッシャーに耐えられなくなってしまった兄は高校2年生の時に荒れ始め、父と兄はよく言い争い、時には父が兄に対して手を上げることもありました。
まだそれだけなら、教育に厳しくしすぎた父親と思えるかもしれないですが、父は外に愛人を作っており、よく仕事や出張と言って外泊していました。
そして、外に愛人がいると分かった母は本当に父を愛していたので心を病みお酒に溺れるようになりました。酒に酔った母はよく暴力をふるってきました。顔だと目立つからという理由で顔以外を殴られたり蹴られたりしたんです。
でも、母は暴力をふるったあと突然泣き始め、私を抱きしめ謝りながら「もう私にはあなたしかいないの」と何度も言っていました。父には愛されず、息子は荒れてしまい母には私しか支えが残されていなかったんでしょうね。
そんな家が家族がいやで大学に上がる時に大学近くのアパートに一人暮らしを始めました。新しい生活は色々と大変ではあったものの、元の家に比べれば余程平和に暮らせていました。
一緒には暮らしていなかったけど、 時々会いに行っていた祖父だけは常に私の味方でいてくれました。父のプレッシャーに押しつぶされそうになった時はいつも、菜那歌は菜那歌のやりたい事を1番にやっていいんだよ。親の言うことを黙って聞いている必要はない。と言ってくれていて、一人暮らしをする時には両親を一緒に説得してくれました。
その時に初めて母から暴力をふるわれていると告白すると、自分の事のように泣いて悲しんでくれて、もっと早く気づいてやれてれば…と何度も言ってくれました。
その祖父が亡くなって、私は本当の孤独を感じました。
生きている世界には自分の味方は誰一人もういないのではないか。
自分はもう誰からも必要とされていない人間なのではないか。
そうとさえ思えるほど祖父の死が私の中では大きかったのです。
祖父の死をまだ乗り越えていなくて、
これから私はどう生きていこう…
そう考えながら帰宅する途中の事でした。
「お父さん!お母さん!みて!!すごいキラキラしてるよ!魚も泳いでるかな?」
そう元気な声が聞こえふと前を向くと、まだ小学生くらいでしょうか?男の子が川をのぞき込みながら楽しそうに両親に話しかけていたんです。
その姿に羨ましさを感じました。
昔から、裕福じゃなくても仲が良く、家族が一緒にいれるだけで幸せと感じれるような家庭が羨ましいと感じてた私は、その光景を呆然と見つめていました。
その時その少年がバランスを崩して、川をのぞき込むようにしてみていたので、そのまま川に落っこちてしまいそうになったんです。
「危ない!!!」
そう叫びながら手を伸ばして男の子を後ろに引っ張ったはずみで、少年の代わりに私が落ちるようになってしまったんです。
その時に男の子を見ると泣きながら両親に抱きしめられていました。
「よかった………」
そう呟いた後、次に目を覚ますとなんだかよく分からない飄々とした人が目の前にいたのです。
私自身人と関わることが苦手で、誰かと楽しく話しをしたいのにいざとなると上手に話せないことも多かったので積極的に人に話しかけに行くタイプではなかったのも、そんな印象になってしまう原因の1つだったんでしょうね。
家はどちらかというと裕福で、何の不自由もなく暮らせていましたし、学校も親の意向で中学から大学までエスカレーター式の私立学校に通っていました。
ただ1つ問題があったとするなら家族関係で、お世辞にも良い家庭とは言えない。どれだけ緩い基準でみたとしても、不仲と言えたと思います。
父と母、3歳年上の兄に私の4人家族でしたが、父は兄と私の成績に関してとても厳しく、ことある事に「努力が足りない」だの「遊んでばかりいるからだ」などと言い、特に兄に対しては長男なんだからという事なのか私以上に厳しくしていました。
そんな父のプレッシャーに耐えられなくなってしまった兄は高校2年生の時に荒れ始め、父と兄はよく言い争い、時には父が兄に対して手を上げることもありました。
まだそれだけなら、教育に厳しくしすぎた父親と思えるかもしれないですが、父は外に愛人を作っており、よく仕事や出張と言って外泊していました。
そして、外に愛人がいると分かった母は本当に父を愛していたので心を病みお酒に溺れるようになりました。酒に酔った母はよく暴力をふるってきました。顔だと目立つからという理由で顔以外を殴られたり蹴られたりしたんです。
でも、母は暴力をふるったあと突然泣き始め、私を抱きしめ謝りながら「もう私にはあなたしかいないの」と何度も言っていました。父には愛されず、息子は荒れてしまい母には私しか支えが残されていなかったんでしょうね。
そんな家が家族がいやで大学に上がる時に大学近くのアパートに一人暮らしを始めました。新しい生活は色々と大変ではあったものの、元の家に比べれば余程平和に暮らせていました。
一緒には暮らしていなかったけど、 時々会いに行っていた祖父だけは常に私の味方でいてくれました。父のプレッシャーに押しつぶされそうになった時はいつも、菜那歌は菜那歌のやりたい事を1番にやっていいんだよ。親の言うことを黙って聞いている必要はない。と言ってくれていて、一人暮らしをする時には両親を一緒に説得してくれました。
その時に初めて母から暴力をふるわれていると告白すると、自分の事のように泣いて悲しんでくれて、もっと早く気づいてやれてれば…と何度も言ってくれました。
その祖父が亡くなって、私は本当の孤独を感じました。
生きている世界には自分の味方は誰一人もういないのではないか。
自分はもう誰からも必要とされていない人間なのではないか。
そうとさえ思えるほど祖父の死が私の中では大きかったのです。
祖父の死をまだ乗り越えていなくて、
これから私はどう生きていこう…
そう考えながら帰宅する途中の事でした。
「お父さん!お母さん!みて!!すごいキラキラしてるよ!魚も泳いでるかな?」
そう元気な声が聞こえふと前を向くと、まだ小学生くらいでしょうか?男の子が川をのぞき込みながら楽しそうに両親に話しかけていたんです。
その姿に羨ましさを感じました。
昔から、裕福じゃなくても仲が良く、家族が一緒にいれるだけで幸せと感じれるような家庭が羨ましいと感じてた私は、その光景を呆然と見つめていました。
その時その少年がバランスを崩して、川をのぞき込むようにしてみていたので、そのまま川に落っこちてしまいそうになったんです。
「危ない!!!」
そう叫びながら手を伸ばして男の子を後ろに引っ張ったはずみで、少年の代わりに私が落ちるようになってしまったんです。
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