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私と家族

私の成長2

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そんなことを思い出していると部屋の扉がコンコンとノックされた

「おはようございます。入ってもよろしいですか?」

扉の外から声をかけられたので、どうぞと入室を許可した。
入っててきたのは私専属の侍女であるシンシア。彼女は黒い長い髪を後ろでまとめ、黒い瞳をしたどこか小動物のような雰囲気のある美人さんで、14歳であるものの侍女長の娘であり仕事を完璧にこなす。
侍女見習いとして侍女長について仕事を教えて貰ってる彼女を見つけて近づいて話しかけてみたら、1週間後にお父様が専属の侍女として私につけてくれた。

「朝の支度のお手伝いさせていただきますね!」

そういいながらクローゼットから私の着替えを出し、それに合う靴を吟味していた。

シンシアの選んだドレスを着せてもらい、朝食を食べに向かおうとした時また扉がノックされた。

これも毎朝のことで私が歩ける様になってから、ダイニングに自分で行くようになるとお兄様が必ず迎えに来て一緒に行くというのがきまりのようになってしまった。

「リリア   準備出来てればお兄様と一緒にダイニングに行こう!」

扉の外からそう声をかけられたので、扉を開けて

「おはようございます! おにーさま」

笑顔で挨拶するとお兄様は元々の天使の様な顔わ緩ませて

「おはよう  僕の天使」

抱きしめてくる。この流れもいつものおきまりだ。
そもそも、天使のようなお兄様に天使って言われるのもどうなんだって最初の頃は思ってたが、今ではもう諦めている。

抱きしめてきたらなかなか離してくれないので、私がお父様とお母様が朝食をとるのを待っていてくれているだろうから行きましょうと仄めかさないとダイニングに行けない。

そしてその後もダイニングに移動中はお兄様と手を繋ぐのも、毎朝お兄様は忘れない。
手を繋いでる最中に手をにぎにぎむにむにされてるのはきっと気の所為だよね?
うん、そう思っとこう。

ダイニングに着いてからは、お父様とお母様に朝の挨拶をするとお兄様と同じように、抱きしめられる。お父様にもお母様にも。
そしてお父様は自分の膝の上で朝食を食べさせようとするから大変

「おとーさま!リリアはひとりでもご飯たべられますわ!!」

毎朝のようにお父様にそう言わなければならくなってしまうほど。
お父様どんだけ膝の上でご飯食べさせたいんだ、、、

朝食をとったあとは特に予定はなく、大体はお兄様にくっついて歩くことが多い。

なんでお兄様について歩いてるかは、お兄様が天使のように可愛くて見てて幸せだからという理由もある。

でも、1番の理由はお兄様が勉強してるのを横にくっついていたらその内容が分かるから。
家庭教師のお話もきけるしね。
お兄様の歴史の勉強とか地理の勉強とか、転生した場所がどんなとこなのかが気になってたから丁度よかったんだ。

家庭教師の先生やお兄様は、私がその内容をちゃんと理解しているとは思ってなさそうだけどね。

家庭教師の先生は理解出来てないだろうお話を聞いても寝ないどころか真剣に話を聞いてる姿をみて将来は優秀な生徒になりそうだと喜び、お兄様は家族の中で一番一緒に過ごす時間が長くついて歩いてくるってことで私が一番お兄様に懐いてると喜ぶってくらいだろう。

お兄様もまだ子供なのでそんなに難しい勉強をしてる訳でもないけれど、授業を聞いてるうちに少しだけどこの国のことも分かってきた。
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