E.フォース

恵明

文字の大きさ
1 / 4
私の居場所

ここはどこ?

しおりを挟む
「ちょっと待って!」

私は、最近巷を賑わせていた通り魔にあった。
何を思ったのか通り魔に対し放った言葉がこの言葉である。
通り魔・・・と、言うよりは愉快犯だろうか、20歳以下の女性を川やため池などに突き落とすという
迷惑行為を働いていたのだ。
間違いなく突き落とされる前に自らの意思で飛び込んだ。
「はぁ・・・何やってるんだろうか・・・」
(何!?ちょっと待ってって何よ!しかも自分から行くってもう意味わからない!)

パニックになってた。
しかしそれでも自ら川へ飛び込むなど訳の分からない行動をとるとは、
恥ずかしくもあり情けなくもあった。

「ごほゴホッ!・・・え?ここは・・・どこ?」
そう。いつも見慣れた帰り道。家の近くで襲われたのだから
間違いなく見覚えのある風景でないとおかしいのだ。
しかし、ずぶ濡れになっている場所は噴水の中である。
手入れの行き届いた庭園。
立派な城。
何もかもが見覚えのない場所なのである。
しかもその場所は不自然だった。
左を見れば扉が、右を見れば城壁が、よくよく見れば空は絵である。
そう、ここは一種の部屋だったのだ。
訳の分からない空間に、訳の分からない現象。
全てが私を混乱させる。
「びしょびしょになるし、噴水の水は飲んじゃうし最悪なんだけど!」
携帯は水没、訳の分からない空間。一度冷静にならなくては
そう思え始めた時。扉が開きメイド服の女性が現れた。
「この場所は儀式に使われる神聖な場所。どうやって入ったか知らないですが・・・え?」
「あ、あの!すみません!私もよくわからないんです!気付いたらここにいたんです!」
「ちょっと!あなた!じゃない!」
「そうなんです。川に飛び込んだと思ったらここにいるし・・・あ、なんで川に飛び込んじゃったかは聞かないでくださいね!自分でも意味不明な行動だったと思ってますし、それに」
「はいはい、ストップ。その水はただの水じゃなくて普通の人だと触ることすらできない水なんです。
全身濡らすことができるなんて何者ですか?」

「水井瑠璃です。」
「ミーナ・ミラルダです。」
一度冷静になった二人は軽い自己紹介をした。
わかったことが幾つかある。

・ここは元いた世界ではない
・異世界人は稀に現れることがある世界である
・この世界には4つの国があり戦争中であること

「元いた世界ではどうかわかりませんが、この世界ではフォースが使えます。こんな風に」
ミーナは手のひらから水を生み出し、それを操った。
「ほえぇ・・・魔法が使えるってことですね?」
「そうですね、この国の住民は水の加護を。他の国ではそれぞれ、火・木・雷の加護があります。」
「そんな4つの国で戦争が・・・」
「私たちの国、ミズガルズ王国では我々から攻め入るようなことはしません。しかし近年カルーバス帝国と雷の国が
同盟を結び、ミズガルズ王国とキールーニの森を侵略しようとしているのです。」
「カルーバス帝国?雷の国?というか、森は国なんですか?」
「カルーバスは鍛冶が主に栄えてますね。火の加護があるからでしょう。
雷の国は言わば忘られた地。知らないうちに栄えており国の名前はないのですが時折眩く光るのです。恐らく古代書の通りだと、雷の加護があるからでしょう。」
「なんだかそんな国からの侵略に対抗できているこの国がすごく感じてきました・・・」
「ミズガルズは医療が発達しているので、怪我をした兵士たちの戦線復帰が早いのです。
それに森は国なのかと言っていましたが、大多数の人間が暮らしているので国と言ってしまった方が何かと都合がいいのです。」
「さて、急ぎ足で話していきましたが・・・まず噴水から出ていただいてもいいですか?」
「あ、確かに・・・本当に何やってるんだろう・・・」
噴水から出た瞬間。濡れていたはずの衣服や体は乾いていた。
「その噴水の水は魔法が使えるかどうかの判断をするための水でして、普通の人は触ることすらできないと言いましたが、利き足の太ももの一部は全員この水で濡らすことができるのです。濡れる範囲が広くなればなるほど水の加護を強く受けることができます。」
「加護を受けているとフォース?でしたかね?それが使えるようになる。と?」
「そうです。数千年前、土の加護というのがあったそうなのですが今は失われています。そこで4つの力でフォースと名付けられたのです。」
「ちなみに、私ってどれぐらいすごいのですか?」
「国王様はこの水を操ることが唯一できるお方。間違いなく1番でしょう。
私は首から上以外は濡らすことができ、2番手だったのですが・・・」
「・・・つまり?」
「この瞬間あなたがこの国のナンバー2です。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...