Love me do!〜完熟チェリーはピーチな彼に愛されたい〜

村雨 駱(ムラサメ ラク)

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モテ期

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「あれ?橘君?」
 
 俺を呼ぶその声はバイト仲間の同い年の女の人だった。タバコの煙をふーっと吐いて、口の端っこだけで笑った。
 笑った顔、初めて見た。佐々木さんはいつも無表情で静かで地味な人。時々話す。ちょっと怖めの女の人。
 そっか、佐々木さんは今日の飲み会には来てなかったか。今日来てた人たちとは全然話が合わなそうだもんな。家が近いって前に聞いた気がしたけど、今まで会ったこと無かった。なんか、すごいラフなカッコだ。すっぴんか?メガネかけて、なんだろ、すげー部屋着感。おもしろい。いつもはシュッとして無口で綺麗な人なのに。

「ちょっと、なんもしてないから、あんま見ないでくんない?」
「え?ああ、ごめんなさい。いつもと違うから、ちょっと」

 俺そんなに見てたかな。ああ、またキモいって思われるな。

「いやいや、怒ってないから。そんなに落ち込まないでよ。橘くんてほんと、かわいいよね」

 は?なんだこの人。同い年だぞ。大人だぞ。かわいいとか、何言ってんの。
 つーか最近なんなんだよ、バイトの人も、島田さんもエミちゃんも渚ちゃんも、セクシーとかカッコいいとかかわいいとか、どっきりか?罰ゲームか?お世辞だってわかってても、なんかさ、もうなんか、喜んじゃう自分がいるのスゲーヤダ。顔が熱い。

「じゃ、じゃあ、また、あした……」
「橘君、家近いんだよね、一緒に帰ろうよ。つーかさ、うちで飲まない?」
「い、いや、俺飲んできたから」
「あーあれね、私誘われてないんだよね。楽しかった?」
「ん、うん、まあ、なんていうか、慣れなくて。すぐ帰ってきました」
「あはは、ウケる。肉食女子たちは空振りしたのか。じゃあ全然飲んでないんじゃない?やっぱうちで飲もうよ」
 
 なにそれ、こんな時間に女の人の家に行けと?もう耐えられない。俺をあんまり弄んでくれるなよ。勘違いして調子に乗ってワンチャンいけるかもって、またミサキさんの時みたいに彼氏が出てきたりすんだろ?もう俺は騙されないぞ。

 だけど佐々木さんはモタモタしてた俺の腕を掴んで、お構い無しに引っ張った。
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