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1人用声劇
上級 女 「悪魔と隣人」
しおりを挟むあらすじ
集合マンションに住む女。
壮絶な過去を持つ彼女は厄介なご近所さんに絡まれ『このクズ女が!しね!』と言われてしまう。
その直後から始まる1人がたり。
表示の意味※必読
かっこなし→セリフ
【】その時の行動描写。これを読んで間を開ける感覚を掴んでください
_______以下台本。開始_______
え?ああ、いえ。ふふふ。
貴女は凄いことを仰るんだなとおもいましてね。
失礼しました。では質問しますが。
貴女は自分を育てた親に『死ね』と言われたことがありますか?
自分を産んだ母親に、産まなければよかった。と吐き捨てられたことは?
例えば貴女がとある友人の家にお邪魔した際。
目の前で奇声、叫び声を上げ、頭を抱えてうずくまる女がいたら、助けますか?
…………。【相手をじっと見つめてスッと目を細める。ここからは低い真剣で無感情な声で】
耐えられない。お前のせいだ。私はもうしらない。なぜ?どうして?
死なせてくれればよかったものを。殺してくれればよかったものを。
死ねと言うならお前が殺せばいいだろう。
それを吐き捨てておいて私をこそらなかったのは、それこそお前が私に課す罰とでも言うのか。
そんな言葉を吐きながらのたうちまわる女を、貴女は助けますか?
………【回答を待つ。が答えは無い。愕然としながら見つめられているのを見返して】
私が答えましょうか?
そんな人間、貴女は助けない。
それはそうでしょう。
平凡幸せに生きた人間には、あまりにも刺激が強すぎる話ですし、それに反応できたとしても、そんな人間との関わりは持ちたく無いと思うものです。
どこが幸せかって?
そんなこともわからないのですか?
まぁ、仕方ないのでしょうね。
そうですね。例えば、死ねと言われたことがない。
産まなければよかったなどと言われたこともない。
それ自体がもう幸福の中に身を置いている証拠です。
少なくとも、貴女は家族に愛された。
どこぞに打ち捨てられた死に損ないとは違って。
何かをすれば叱られ、いいことをすれば褒められ、認められて。
そうして叱られるのをうざがって友人に家族の愚痴を零す。
その友人が笑って聞いて、気を紛らわせようと食事に誘う。
門限が決まっていてその時間に帰らないと怒られてしまう。
帰れば暖かくておいしいご飯と家族の温かい「おかえり」の言葉が迎えてくれて。
小さい頃はもう愛されたことでしょうね。
欲しいものを欲しいといい、上げられなければ諌められ、欲しいとわがままを言っては叱られる。
それでも誕生日やクリスマスにはその欲しかったものをプレゼントされて喜ぶ。
そんな我が子の笑顔にキスをする母親と。
それを微笑ましく見る父親と。
当たり前にあって、そんな日常が鬱陶しいなんて言う人間もいる。
罰当たりにも程があると思いませんか。
ここまででわかる通り、私は普通じゃない。
一度発狂した精神は今でも修繕できず、偽りの人格を作り上げて生き延びている。
元々長生きするつもりもなく、限られた時間の中でだけ利用する人格でしたので、この体になってからは体に合わなくなってきている。
この見た目には、あまりにも人格の方がお子様なのです。
それを修正しようにも、それなりの知識がいる。
今はその作業中でして。
【ここからは少しくらい笑み】
今度は私から聴きますね?
貴女は今死ねとおっしゃいましたが、それは本気ですか?
貴女が心から望むなら、今ここで首を切って差し上げます。
貴女の言葉に責任がのしかかるのです。
言葉だけでは人は死なないとお思いのようですので、実践すればわかるのでは?
私にはもう思い残すことはありません。
元々落とすはずの命をたまたま持ち続けてしまっていただけの話。
時期が少し遅くなっただけですので、私のほうはなんの問題もありません。
ですが
【真剣。威圧感。低い声。はっきり発声】
貴女に人を殺す覚悟がおありで?
ふふふふ。何をそんなに怯えているんです?
確かに人を殺そうとしたことはありましたが、事実この手は汚れておりません。
未遂で終わりましたわ。
だから私には殺される覚悟があります。
貴女は本当に、人を殺せるのですか?
おわり?
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