どうも異世界で超能力者になりました

AYAMI

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番外編シリーズ

番外編 セレスティン=ジルバーナ「4」

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「うわぁああああんん!!!」

街にいつもの大絶叫が響き渡る。普段ならーーー聞きなれているその大泣きはーーー気にしないはずだった。

だが、街の人は少女を見て固まっている。

正確には…少女の手のひらを見て固まっていた。そこには、サラサラとした土のようなものがあった。

だが、これは土などではなかった。そう、旅商人がもってきた「あの石」だったーー。

~~~~~…

「「「え?」」」

その後、旅商人はこんな事を言う。

「お、おう…!もちろんいいぜ、婆さん!だ、だが本当にいいのかい?こんな小さい女の子には到底ぶっ潰せないぞ…?」

私は完全に固まってしまっている。ここまで沢山の人の視線を感じたことはなかった。

だが、固まってしまっているおかげで涙が出そうになっても、大泣きすることは無さそうだ。

「あぁ、もちろんいいさねぇ。」

お婆さんは私の承諾なしに話を進めていく。

「おい!婆さん!あたしの大事なセレスティンになにさせようとしてやがる!!」

お姉ちゃんは完全に怒っていた。昨日のこともあるのだろう。いつもより迫力があった。

しかし、お婆さんはそれに動じることはない。

「まぁまぁ、落ち着きなよ…。それにあたしもババァとは言え、人の力量を見れないほど落ちぶれてはいないと思うんだけどねぇ…。」

「うっせぇ!一体お前何者なんだよ!?」

お姉ちゃんの問いにお婆さんはあくまでゆっくり答える。

「ん?あぁ、そうだった。自己紹介をしていなかったねぇ。ーー」

お婆さんの続けた次の言葉に誰もが驚く。

「ーーあたしゃ、自分の名前を覚えてなくてねぇ…強いて言うなら<英雄の右手>さね」

「なっ…!?え…<英雄の右手>!?」

「なんでそんなお方がここに!?」

「嘘だろ!?ヨボヨボの婆さんにしか見えねぇ…!」

ルビンお姉ちゃんを除くこの場の全員がお婆さんをみる目を変わらせる。

「なぁ、<英雄の右手>ってなぁ、なんだよ?」

ルビンお姉ちゃんは尋ねる。

「あ、あぁ、ルビンちゃんよ。お前さんは知らなかったのも無理はないぜ…。このお方は30年前、魔王と戦った英雄と呼ばれる人の一番の相棒だったんだよ…!」

ルビンお姉ちゃんと仲のいい街の人が答える。ルビンお姉ちゃんは信じられないのか、お婆さんをジッと観察している。

「こんな老いぼれはどうでもいいのさ。それよりも、この女の子だよ」

旅商人は喜びながら、「えぇ、そうでしたね!ささ、どうぞどうぞ!」と言って私を連れていく。z気__まじ__#本気まじ

<英雄の右手 >と呼ばれる人物が指名した人物だ。上手くいけば<英雄の右手>を出し抜けたと言うことができるからだろう。

そして、私がその石をもった瞬間。

石は形を保てず、砂のように散ったのだった。

~~~~~~

場面は最初に遡る。

「な、なんだぁ?何が起こったんだ??」

泣いている私と私の手のひらを交互に見て今起きた事を理解できない様子だった。

当然であろう。私すら何をしたのか分からなかったのだ。

「あぁ、やっぱりそうだねぇ。」

そして何やら納得した様子のお婆さん。

お婆さんはまだ固まっている人達をよそに、泣いている私の方へ歩いてくる。
  )
「ほぅれ、お嬢ちゃん。可愛い顔をそんなに涙で濡らすもんじゃないよ。」

お婆さんは初めて会ったときのようににハンカチを差し出してくる。

ーー今度はあのときのような音もでずーー

私はハンカチで涙を吹く。

私が落ち着いた頃、お婆さんは私にこう言った。

「お嬢ちゃん、あたしの弟子にならないかい?」

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