スカっとする小話集

なろう小説家志望の男

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会社の旅行で山に捨てられた俺。犯人の上司はバカにしてくるも、会社の株価が大変なことに!?

前編

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 俺は某おもちゃメーカーで派遣社員として働いている。
派遣社員ではあるが、この仕事に向いていたため順調に成果を上げることができた。
会社の代表的な商品を3個も生み出したのは、我ながらよくやったと思う。
仕事に関しては滞りがなく、充実していたが俺にはある悩みのタネがある。
それは、いつも嫌味ばかりいってくる無能な上司の存在。
特に直近で腹が立ったことを取り上げるとすれば、俺が高卒であることに気づいた瞬間だ。

「おい、高卒派遣!」

 と、俺のあだ名をそのように呼ぶようになった。いくら上司と部下とはいえ、最低限の礼儀は必要だろう。とはいえ、派遣の身。強く出れないのが悲しい。また、それからは餌が与えられたように俺への嫌味がエスカレートしていった。
今時、子どもだって言うのを躊躇うような暴言を平気で言ってくるようになったのだ。
友達との飲みの席でそれを話したら、友人Aがこういった。

「どうせその上司、仕事もできないんじゃないの?」

 と。彼の言葉は的を射ていて、実際上司は仕事をいつもサボってる。大概の仕事はいつも俺へたらい回しして処理させていた。ていうか、無能が行き過ぎて何にも仕事がわからなくて投げているように思ってしまうほど酷い。渋い顔して「うぅん」と唸る様は一丁前だが、自分には出来ないと判断したら俺へ投げる。他の社員にはしないところを見ると、派遣社員の俺だからぞんざいに扱っても平気だと考えているのだろう。ここまでの話を聞いた友人は、またしても相槌のように口を開いた。

「ハハハっ、それじゃあさ。〇〇はその上司よる仕事ができるってことか?」

 俺はビールを飲み干した後、首を横に振った。確かに自分一人でこなせるタスクもあるが、ほとんどは周りの協力なしでは進められなかった。だから、別に俺が並外れた能力がある訳じゃない。ただ、あの上司がヘボすぎるせいか誰でもそつなくこなせるように見えるのかもな。

「よくそれで上司やれてるな、そいつ」

 友人Aは笑いながらそういった。上司がそれでも平気なのは、俺の会社が未だに年功序列制度を重視しているからだ。会社にただ長くいるだけで、どんなアホやクズでも上司になれる制度なのさ。いい加減廃止してくれって思うよ。で、長く会社にいれば役職が与えられるものだからなんの努力もしてこなかった無能な社員が上司になれるって理屈だ。

 ほんと......ただの無能であればいいのにさ、そいつ責任感も皆無なんだ。この前、上司に任された資料を準備して送ったら、あろうことか紛失しやがった。俺が数日間かけて必死に準備したというのに......。翌日のミーティングで使うから、急いで再準備しろって言われた時にはグーパンしてやろうかと思ったよ。自分で紛失させといて、部下に尻拭いさせるのかってね。まぁ流石にグーパンはしなかったけど、俺も積もるものがあったからつい口を滑られた。

「次は自分で揃えておいてください! 俺も自分のタスクがあるので、無理です」

 とね。初めてその上司に逆らったんだが、

「高卒の派遣ごときが、生意気な口叩くな!  お前のような捨て駒、仕事を与えるだけでも感謝こそされど、キレられる筋合いはねんだよ!」

 と、怒鳴られた。話を聞いていた友人Aは、枝豆を床に落としたのもあってか自分事のように上司に文句を吐いた。

「なんだよその上司......無能はお前だっての。聞いているだけで腹が立つな」

 話はまだ終わっていない。上司はまくし立ててこう続けた。

「派遣なんていう捨て駒はな、俺が人事に一声かけただけですぐにクビに出来るんだからな」

 と、脅してきた。下から言われるのが嫌な気持ちはわかるが、少し逆らったりする度に脅されたら堪ったものじゃない。大人の会話というのを習わなかったのだろうが、マジで無能すぎて苦笑いが止まらん。

「でもいるよな。間違っているの気づいていながら、逆切れする奴。そういう奴って自分に自信がないだよ」

 友人Aはそう断言し、話を続ける。

「それかあれか、人を見下して自分を持ち上げて気持ち良くなってるのかもな」

 と。彼の分析と俺の推測は一致していた。そういうものだと割り切って、できるだけ上司の嫌味はスルーするようにしていた。最初に述べた通り、上司以外のことではこの会社に不満はない。むしろ仕事が楽しいぐらいだ。この会社は派遣という立場である俺にも、色々な企画に参加させてくれる。それがのちに生み出す、「チョチョQ」の開発だ。おもちゃ開発にあたって、押すのではなくゴムのように引く力で勢いよく走るミニカーは面白いのではないか。ということを契約先に提案したところ、それが受け入れられ、開発に参加することになった。スピードが出る仕組みのため、耐久性を上げるための材料費で価格は少し高めに設定してある。ちょろちょろ走る姿がかわいいということで、うちの会社の定番商品になった。しかしながら、上司は派遣社員である俺の活躍が目障りだったようだ。会社に貢献したという事実を、認めたくないのだろう。この企画は俺だけではなく、チームで協力して進めていたというのに。派遣社員というのが鼻につき、毛嫌いされているようだった。その頃から、上司の嫌味はエスカレートしていった。

 最近で一番イラついたのは、半年前に俺の父が急逝した時だ。葬式とかのゴタゴタで数日間連休した時、

「派遣はいいよな、適当に仕事休めて! 責任なんて持たないんだから、忙しい時期でも関係なく親の葬式だからってだけで休めるんだからな!」

 と、小言をいっていたらしい。確かに休んでいた間、同じ部署の仲間に迷惑をかけてしまったのは事実だ。だが派遣とはいえ、忌引き休暇は当然の権利だろう。今時、親族の葬式で休めない会社を探す方が大変ではないのか。と、突っ込みたい気持ちが湧いた。そして、連休したことをしばらくの間、嫌味のネタにされてしまった。

 それからも、上司の煽りや嫌味は止むことがない。相手にするだけ疲れると思うし、最近は無視するようにした。でも、俺も忍耐強いわけではない。反論したい気持ちを飲み込んだままだと、頭がおかしくなると思ったから友人Aに愚痴を吐かせてもらったよ。彼はポンと俺の肩に手を置きこういった。

「あぁ、それならどんどん吐き出せ! てか、そんな性格悪い上司、絶対いつか足元掬われるだろうよ」

 と、飲みの席で励ましてくれた。とりあえず、仕事は向いているから嫌味に耐えられなくなる寸前までは頑張ってみることにした。こうして俺は友人Aと再び会う数か月の間で、さらなる仕打ちを受けることになる。

「数か月ぶりだが、様子が変だな。また愚痴吐くか?」

 再び再会した友人Aは、開口一番俺を見てそういった。実は、この数か月の間でありえないくらい酷い仕打ちを受けた。だが、それを契機に気分が晴れる出来事が起こったのだ。俺は愚痴ではなく、その話を聞いてほしくて彼を呼んだのだ。

「ほう、あの上司絡みでいいことか。面白そうだ、聞かせてくれ!」
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