スカっとする小話集

なろう小説家志望の男

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高級マンションを占拠した姑「ここは息子が借りている家なのよ!」→私「あ、OKですw」その後…

前編

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  私は今年で30歳になるバリバリ働く社会人。化粧関係の会社に勤務している。
どんな化粧品が女性の為になるのか試行錯誤するこの仕事は、私にとてもあっている仕事だと思う。モデルのショーなんかに携わる時は残業も多く、長期出張に行くこともある。
しかし夫の、

「〇〇、いつも頑張ってて偉いね。〇〇がいない間は俺がちゃんと、家庭を守るから安心してね。〇〇は気にせず、仕事に夢中になってくれ」

 と、優しく励ましてくれる。夫との出会いは大学からで、社会人になってもう数年の付き合いだ。もう少し落ち着いたら子供が欲しいと、夫と話し合っている。特に妊活をしている訳ではなく、ゆーっくり子供ができるのを待っている感じだ。

 しかし最近、お金が溜まってきたので夫と話し合って高級マンションを購入することにした。お金はかなり減ったが、子育ても考慮しての決断だ。高級マンションだけあって、いくつも内覧した中から慎重に選んだ。その甲斐あってか、ここに住んで数日だがかなり気に入っている。

 仕事が終わり、自宅に帰宅したら夫と晩酌してゆっくり過ごすことも増えた。広々としたリビングで夫とこうして過ごすのは、最近の楽しみの1つになっている。こういった惚気話を仲の良い女友達に話すと、

「夫婦2人、仲良くて楽しそうで良いね」

 と、よく言われる。だけど、高級マンションに引っ越したと言った時は流石にずるいと少し妬まれた。

 ある日、私はモデルのショーの運営に携わるために1週間の長期出張に出掛けた。こんなに長い泊まりがけになると、鍵をなくしてしまうことが多々あるので、対策として自宅の鍵は家に置いて行くようにしている。

 そして、1週間ぶりの夫との再会に胸を高鳴らせ、インターホンを押した。

「はい、どちら様でしょうか?」

  と、枯れた女性の声がした。どうやら、義母がインターホンに出たようだ。

「お義母さん!? ひ、久しぶりです。どうしてうちに?」

  少し驚きながらそう聞いてみると、

「あ~、〇〇さんねぇ。で、私たちのお家に何か用かしら?」

 と、逆に質問を返されてしまった。義母は息子である夫が可愛くてしょうがないのか、私のことをよく思っていない。恐らく、私が奪い取ったと考えているのだろう。だからなのか、いつも嫌味を吐いたり、こうやって何の連絡もなく勝手に行動されるので私は少し苦手に感じていた。

「何の用って、ここは私の家でもあるんですよ? 鍵置いてきちゃったので、開けてもらえませんか?」


 私がそう言うと、義母はため息をついた。インターホン越しでも聞こえる大きさでだ。

「はぁ、しょうがないわね。この機会にあなたと話したかったし、今回だけ開けてあげるわ」

  義母はそう言いながらフロントの扉を開けた。私は急いでエレベーターに乗り、部屋に向かった。自宅の部屋に着き、玄関を開けると嫌そうな顔の義母が出迎えた。

「はぁ、遅いわよ。私が待っているのわかってて、わざと遅く来たんじゃないの? はぁ、だからこんな嫁もらうんじゃないって私は反対したのよね」

「え、はぁ」

  義母は勝手に家に上がっているにもかかわらず、偉く我が物顔でそういった。圧倒される私に、義母は立て続けに喋り出す。

「あのね、このマンションは私と息子の2人で住むことに決まったから」

「えぇ!?」

「当たり前でしょう。1週間も息子を放置して出掛けたのよ? 家庭を持つ妻の資格は無いわ。私が家事をすればあの子は安心するし、いいわよね?」

  事が勝手に進行しすぎて、私は義母の言っていることが理解できなかった。

「あの、ここは夫と私の2人で購入したマンションですよ? それなのに、どうしてお義母さんが同居するなんて話になるんですか?」

「あなた肝心なこと忘れてるわね。名義はどちらだっけ? えぇ?」

「それは、夫の名義ではありますけど・・・・・・」

「ふふふ、ほーらみなさい! このマンションは息子が名義を持っているでしょ? 息子がここの主なんだから、居候の女は出ていけ! 家族の私が住むのはまーったく文句言われる筋合いはないわよね?」

  わ、私が居候だって? 意味が分からない。どう考えても余所者は義母だろうに。私は義母と話し続けても無駄と悟り、夫を呼び出してもらうことにした。

「もういいです。一旦、夫と直接話をさせてください。家にいるんですよね?」

「うーん、息子は奥にいるわよ。でも、あなたなんかとは話さないと思うわよ。なんてったって、私と二人暮しすることも、余所者を追い出すことも了承しているんですからね。息子がねぇ、言うのよ。あなたみたいな女との結婚生活はもう限界だって」

  理解に苦しむ義母の発言を聞いていると、部屋の扉の隙間から夫がこちらを伺っていた。

「ねぇ! 〇〇くん、これどういう訳か教えてよ!私が仕事している間に、こんな話進めちゃって、納得出来ないわよ」

「えぇ~と、それは・・・・・・」

  夫は口ごもって言葉を濁らせ、答えを何も伝えてくれなかった。

「もう、往生際が悪いわね〇〇さん。息子も同意しているんだから、もう素直に諦めてくれる? 今後の話は全部、私を仲介してもらうから!」

  夫は、玄関まで出てくる気配がない。結局、納得出来ないが私は義母のを通して今後の話を続けることになってしまったのだ。

「えぇ、惚気話から一転して何よそれ。義母に家を乗っ取られるなんて」

  話を聞いていた友人は、思いがけない展開に口をぽかんと開けていた。

「てか旦那さんも酷いわね。言いなりになってさ」

  私は友人に話を続けた。

「そもそも、嫁の私が家を追い出されるなんておかしな話じゃないですか」

  私がそう粘ると、義母は勝ち誇ったように不気味な笑みを浮かべた。

「そうそれ、その事なんだけど。私があなたの代わりになる息子にお似合いのお嫁さんを紹介しておいたのよ。息子もね、彼女のこと偉く気に入ったらしいわ。おかげで再婚をするつもりだと言ってくれたわ」

「はぁ!? ど、どういうことですか???」

「頭悪いわね。そのままの意味よ。息子はあなたと離婚したいって言っているのよ。離婚届もほら、息子の項目は全部記入されているでしょ? あなたもちゃんと書いて、提出しておきなさい。息子の新生活には、あなたは不要なのよ」

 義母が掲げていたのは、空欄が埋め尽くされた離婚届だった。よく見ると、夫の字でちゃんと書かれていて、印鑑も押されている。私がそれに記入すれば、本当に完成してしまう。

「〇〇くん! こんな大事なときに隠れてばかりなんてあんまりでしょ! ちゃんと自分の口で説明してよ!」

 私は義母の後ろで様子を伺う夫に怒鳴ったが、

「馬鹿! 話は私を通せっていってるでしょうが!」

 と、同じような声量で義母に遮られてしまった。これでは直接話すこともできない。

「はぁ。もういいです。私がこの家を出ていくのは構いません。でも夫は生活が難しくなりますよ。確認ですけど、本当に離婚して・・・・・・いいんですね?」

「あぁ、もちろんだとも。息子がちゃんと働いて、このマンションのローンも支払うからねぇ。ていうかそれより、あなた早く離婚届出しに行きなさい! そして、二度と戻ってくるな!」

 あぁ、義母は本当に私の話を理解する気はないようだ。結局、私は夫の本音を聞き出すことができぬまま家を追い出されてしまった。目の前で扉をバタンと強く閉められ、鍵を掛ける音がした。私はただ、通路にぼーっと立ち尽くすことしかできなかった。

 しかし時間が経過するにつれて、義母と夫へのイライラが湧き上がってくる。特に腹立たしいのは義母ではなく、後ろにいた夫。自分は何もせず、ただ義母の後ろで様子を見て事が終わるのを待っていた。はぁ、見栄っ張りな夫にそそのかされたのが全ても間違い。夫の名義でマンションを購入するんじゃなかった・・・・・・。

 私はとりあえず、その日はホテルに泊まることにした。そして、その後どのようにするか対策を考えることにした。ここから私の静かな復讐が幕を開ける。
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