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第24話「裏生徒会と学園祭」
しおりを挟む「ごきげんよう、シオン」
「ごきげんよう、お姉様」
姉妹が挨拶を交わし紅茶をすする。
これが本来の裏生徒会の麗しき姿。
決闘なんてとんでもない。
そして制服を乱さず歩くのが淑女の嗜み。
今日は何もない、でも幸せな一日だ。
そこへ詩音へ迫りくる足音。
そのあどけない少女は裏生徒会会長のアリスである。
「ごきげんよう、シオンちゃん」
「ごきげんよう、アリス様」
「ポワレの方で順調に指名ランクが上がっているそうじゃない。そろそろ決闘してあげてもよくってよ?」
「それなんですが今はいいです。なんだか今の状態が心地よくなってきちゃって」
「そう、それは良い事だわ」
「すみません、アリス様・・・せっかくのお誘いをお断りして」
「いいのよ。むしろ嬉しいわ」
「お姉様、ちょっとよろしいでしょうか。学園祭の出し物についてなのですが・・・」
アリスの妹レオナが二人の間に割って入る。
思わぬ助け舟に安堵する詩音。
しかしアリスと話すのも結構気力を使う物である。
彼女は魔女のオーラの塊そのものの様な存在で、話しているだけでかなり疲労するのだ。
他の娘達は慣れてるようだが、詩音だけ未だに慣れていなかった。
「・・・オン、聞いてるの?」
「ほへ?」
「シオン、聞いてるの?」
「は、はい!なんでしょうかお姉様!」
「学園の出し物とは別に裏生徒会でも出し物を出すのよ」
「出し物って・・・模擬喫茶とかですか?」
「そうね、喫茶ポワレを普段通りやる事になるわ。それとは別にあなたには決闘祭に代表として出て欲しいのよ」
「決闘祭ってなんですか?」
「各サークルの魔術師達が代表を選出して全員でまとめて戦う特殊決闘の事よ。当然裏生徒会も出るわ」
裏生徒会って正式なサークルだったのかぁ、と今更ながら思う詩音だったが、
自分が代表と聞いてとても驚いた。
「こういうのって一番強い人が選ばれるんじゃないんですか?アリス様とか」
「こうみえても私忙しいのよ?」
「私も表の生徒会の仕事があって忙しいんですが」
「と・に・か・く、これはお姉様のお姉様命令よ。潔く引き受けなさい」
「分かりました・・・」
決闘祭の代表を引き受けるしかない詩音であった。
―
ついに始まった学園祭の準備。
どのクラスもどのサークルも現代と変わらずに準備を進めている。
表の生徒会長である詩音も普段以上に忙しく書類に目を通していた。
「ふぅ、これで一段落ね・・・」
「大丈夫ですか会長?後は私が・・・」
「じゃあお願いできる?私行く所があるから」
「はい」
その行く所とは勿論裏生徒会である。
書記のマリアは無論知っていたが、心酔する会長のやる事に口を出せないでいた。
これで生徒会の仕事が疎かになっているのなら文句のひとつもあるだろうが、
残された殆ど終わっている書類を見て、さすが会長だなぁと見直すマリアであった。
―裏生徒会
「じゃあ裏生徒会の出し物を発表するわよ!それは衣装喫茶です!」
アリスからの発表でおおおお!と歓声が上がる。
「ああ、コスプレ喫茶ですね」
「コス・・・?なんだいそれ?」
「(あ、やば)ななななんでもないです!」
エリシアに必死で誤魔化す詩音。
自分が転生者であるという事は誰にも秘密なのだ。
もしバレたらどんな厄介毎に巻き込まれる事やらわかった物ではない。
その場はなんとか切り抜ける事が出来たが今後は気を付けようと心に決めた詩音であった。
「所で衣装って何を着るんですか?着ぐるみとか?定番ですとメイドとかですけど」
「使用人(メイド)の恰好なんてみすぼらしい真似する訳ないでしょう?ドレスや騎士の鎧なんかよ」
ああそういえばここは中世時代まっただ中で、リアルなメイドさんが沢山いる時代だったけ。
それにここはお嬢様学校だし尚更だ。
詩音は転生者としての時代のズレにますます慎重に発言しなければと心掛けた。
「ところであなたドレスは持っているのよね」
「はい、この間王都で作って頂いた物が」
「よろしい。じゃあ今度それを着てきなさい。私がチェックしてあげる」
「あ、ありがとうございます、お姉様!」
こうして着々と裏生徒会も準備が進んでいくのであった。
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