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本編
1.レミリアの誕生日
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「レミリア、十六歳のお誕生日おめでとう。これでようやく結婚できるわね」
誕生日を迎えた朝。朝食の席に着くなり母親セレスから娘レミリアへと伝えられた言葉は、ひどく事務的なものだった。
父であるダニエル・アルバード侯爵はこの場にはいない。レミリアの記憶にある限り、父がこの食卓についたことは無い。大半を平民出身の愛妾メリクルの邸宅で過ごしており、公爵家の出であり正妻である母のいる本邸に帰ってくることは稀だった。
「お母さま、結婚って……」
リンドブロム大公国の貴族社会においては、通常なら十五歳から社交界へデビューして人脈を作り、二十歳ぐらいまでに相手を見つけ、大公家に許可を願い出る。許可が出れば家同士の強固な契約『婚約』が叶い、来たるべき時に『婚姻』と相成る。
両親もそうやって結ばれたはずで、まずは『婚約』ではないのか、とレミリアは言いかけたが、
「お黙りなさい」
とピシャリと跳ねのけられた。
「もう時間が無いの。今はまだ大公家の許可が無いからあの女はダニエルの子を産めないけれど、あなたが独身のままふらふらしていたらいつ不適格とみなされて強硬手段に出るかわからないわ。まぁ勿論、仮に許可が出てあの女が男子を産んだとしても、わたくしが産んだあなたを差し置いて平民の女が産んだ子なんかが侯爵家を継げる訳はないのだけれど。おほほほほ!」
母はいつもこうだ。自分の言いたいことをひたすら喋りまくり、レミリアの言葉をまともに聞いたことが無い。ただ命令するだけだ。……それはきっと、これからも。
彼女にとって、レミリアは自分の自尊心を満たす道具でしかないのだ。
しかし、こうは言いつつも母も焦っているのだろう。制度上のことだけで言えば、平民腹の男子でも侯爵家を継ぐことはできる。優先されるのは直系の血筋であり、父親が現侯爵である以上、何の問題もないのだ。
上流貴族八家では子供は二人まで認められているが、現在その〝二人目〟がアルバード家に認められていないのは、母の弟である現フォンティーヌ公爵の体面を慮っているに過ぎない。
「相手はあなたの従兄弟のカルロスよ。カルロス・ワイマー子爵。彼に後を継がせるわ。必要な書類は手元に取り寄せてあるし、フォンティーヌ家にも根回しはしてあるの。明日の朝一番に大公宮に参上するから、そのつもりでいなさい」
「明日って……」
「何度言わせるの!? 返事は『かしこまりました』でしょ!?」
バシャーッという音と共に、レミリアの頭上から大量の水が浴びせられる。
母セレスが得意とする水魔法だ。火と違い、体を傷つけることなくレミリアをいたぶることができるこの水流の魔法を、母は好んで使っていた。レミリアを自分の思い通りに動かすために。
「本当に物覚えの悪い子ね!」
母が振るう扇から二発目、三発目の水が放たれてレミリアを直撃する。
レミリアの美しいプラチナブロンドの髪がべたべたと顔や体に張り付き、ひどい有様になっていた。服はぐっしょりと濡れて重くなり、椅子の下には水たまりができている。目の前の卓上に並べられてあったパンもサラダも水浸しで、すでに食べられる状態ではなかった。
しかしレミリアは両手の拳を膝の上で握り、俯いたまま身じろぎもせず耐えていた。ここで下手に抵抗すれば、母の神経を逆撫でしてしまう。癇癪を起こした母は、その溢れる魔精力の勢いそのまま暴れまくり、手が付けられなくなるのだ。
「申し訳……ありませんでした」
レミリアがゆっくりと頭を下げると、セレスは「フン」と鼻で息をつきパチリと扇を閉じた。
「わかったのならいいわ。今日は部屋から出ないように。作法の練習でもしているといいわ。あなたは社交界デビューもしていないのだから」
レミリアが社交界デビューを済ませていないのも母の計画だ。母が望まない余計な人脈を作られては困るし、恋などもってのほか、という理由で。
何しろレミリアは――とても美しかったのだから。
* * *
伯爵以上の上流貴族八家に自由恋愛など許されない。それは勿論、レミリアにもわかっていた。
両親だってレミリアを儲けたあとはほぼ別居状態だ。父親の愛人はしょっちゅう変わっていたが、ここ三年程は城下町の大きな商家の娘に夢中だという。
しかし……相手が従兄弟のカルロスとは。カルロスはフォンティーヌ公爵家の次男だ。従兄弟結婚は禁止されてはいないが、血が近すぎる。そんなにフォンティーヌの血筋が大事なのか。アルバード侯爵家だって立派な家だ。プリメイル侯爵家と並び、この国では次点の権力者と言っていい。
いや、次点が気に入らないのかもしれない……と、レミリアは考える。
母は優秀だった。貴族令嬢としても魔導士としても優秀過ぎるぐらい優秀だった。現在フォンティーヌ公爵家を継いでいる弟よりも彼女の方がよほど上流貴族八家筆頭にふさわしかったかもしれない。
しかし、リンドブロム大公国では直系男子優先である。弟が生まれた瞬間、彼女は嫡子ではなくなった。
その不満がすべて自分へとぶつけられている――レミリアにはそうとしか思えなかった。
幸い、アルバード侯爵である父ダニエルは娘のレミリアに優しかった。セレスを頼むね、すまないね、と謝りながらレミリアにこっそりと会いにきてくれていた。
幼い頃は甘いお菓子をお土産に持って来たり、花を渡したり。
少し大人になってからは街の仕立て屋で作らせたというドレスや、なかなか手に入らない書籍を抱えながら。
そして昨年、十五歳の誕生日には、アルバード領のはずれにある別荘の鍵を渡してくれた。
「レミリア。もしセレスから逃げたくなったら、ここに隠れなさい」
「でも、私がいなくなったら、アルバード家は……」
「わたしがどうとでもするさ。レミリアは気にしなくていいんだよ」
そう言って微笑む父親のガラス玉のような瞳を見て、レミリアは確信した。
父は、レミリアに侯爵家を継いでほしいとは思っていないのだ。むしろ邪魔だと思っている。そのまま失踪でもしてもらって〝後継不在〟という事態にし、自分の愛妾に子供を産ませて後継者にしたいのだ。
父ダニエルも、結局はレミリアを道具として見ていただけなのだ。
レミリアを盾にして母セレスから逃げ、やがてレミリアには母の鬱憤をぶつける矛先となってもらい――その後は、彼女の心を挫く最大の駒として動いてもらう、と。
部屋に戻ったレミリアは、ずぶ濡れのみすぼらしい姿に似つかわしくない強い光を帯びた眼差しで窓の外の青い空を見上げた。
――あれから一年。
ついに、このときが来た。
アルバード家が所有する――風の魔獣『ユーケルン』の魔法陣を起動すべき時が。
誕生日を迎えた朝。朝食の席に着くなり母親セレスから娘レミリアへと伝えられた言葉は、ひどく事務的なものだった。
父であるダニエル・アルバード侯爵はこの場にはいない。レミリアの記憶にある限り、父がこの食卓についたことは無い。大半を平民出身の愛妾メリクルの邸宅で過ごしており、公爵家の出であり正妻である母のいる本邸に帰ってくることは稀だった。
「お母さま、結婚って……」
リンドブロム大公国の貴族社会においては、通常なら十五歳から社交界へデビューして人脈を作り、二十歳ぐらいまでに相手を見つけ、大公家に許可を願い出る。許可が出れば家同士の強固な契約『婚約』が叶い、来たるべき時に『婚姻』と相成る。
両親もそうやって結ばれたはずで、まずは『婚約』ではないのか、とレミリアは言いかけたが、
「お黙りなさい」
とピシャリと跳ねのけられた。
「もう時間が無いの。今はまだ大公家の許可が無いからあの女はダニエルの子を産めないけれど、あなたが独身のままふらふらしていたらいつ不適格とみなされて強硬手段に出るかわからないわ。まぁ勿論、仮に許可が出てあの女が男子を産んだとしても、わたくしが産んだあなたを差し置いて平民の女が産んだ子なんかが侯爵家を継げる訳はないのだけれど。おほほほほ!」
母はいつもこうだ。自分の言いたいことをひたすら喋りまくり、レミリアの言葉をまともに聞いたことが無い。ただ命令するだけだ。……それはきっと、これからも。
彼女にとって、レミリアは自分の自尊心を満たす道具でしかないのだ。
しかし、こうは言いつつも母も焦っているのだろう。制度上のことだけで言えば、平民腹の男子でも侯爵家を継ぐことはできる。優先されるのは直系の血筋であり、父親が現侯爵である以上、何の問題もないのだ。
上流貴族八家では子供は二人まで認められているが、現在その〝二人目〟がアルバード家に認められていないのは、母の弟である現フォンティーヌ公爵の体面を慮っているに過ぎない。
「相手はあなたの従兄弟のカルロスよ。カルロス・ワイマー子爵。彼に後を継がせるわ。必要な書類は手元に取り寄せてあるし、フォンティーヌ家にも根回しはしてあるの。明日の朝一番に大公宮に参上するから、そのつもりでいなさい」
「明日って……」
「何度言わせるの!? 返事は『かしこまりました』でしょ!?」
バシャーッという音と共に、レミリアの頭上から大量の水が浴びせられる。
母セレスが得意とする水魔法だ。火と違い、体を傷つけることなくレミリアをいたぶることができるこの水流の魔法を、母は好んで使っていた。レミリアを自分の思い通りに動かすために。
「本当に物覚えの悪い子ね!」
母が振るう扇から二発目、三発目の水が放たれてレミリアを直撃する。
レミリアの美しいプラチナブロンドの髪がべたべたと顔や体に張り付き、ひどい有様になっていた。服はぐっしょりと濡れて重くなり、椅子の下には水たまりができている。目の前の卓上に並べられてあったパンもサラダも水浸しで、すでに食べられる状態ではなかった。
しかしレミリアは両手の拳を膝の上で握り、俯いたまま身じろぎもせず耐えていた。ここで下手に抵抗すれば、母の神経を逆撫でしてしまう。癇癪を起こした母は、その溢れる魔精力の勢いそのまま暴れまくり、手が付けられなくなるのだ。
「申し訳……ありませんでした」
レミリアがゆっくりと頭を下げると、セレスは「フン」と鼻で息をつきパチリと扇を閉じた。
「わかったのならいいわ。今日は部屋から出ないように。作法の練習でもしているといいわ。あなたは社交界デビューもしていないのだから」
レミリアが社交界デビューを済ませていないのも母の計画だ。母が望まない余計な人脈を作られては困るし、恋などもってのほか、という理由で。
何しろレミリアは――とても美しかったのだから。
* * *
伯爵以上の上流貴族八家に自由恋愛など許されない。それは勿論、レミリアにもわかっていた。
両親だってレミリアを儲けたあとはほぼ別居状態だ。父親の愛人はしょっちゅう変わっていたが、ここ三年程は城下町の大きな商家の娘に夢中だという。
しかし……相手が従兄弟のカルロスとは。カルロスはフォンティーヌ公爵家の次男だ。従兄弟結婚は禁止されてはいないが、血が近すぎる。そんなにフォンティーヌの血筋が大事なのか。アルバード侯爵家だって立派な家だ。プリメイル侯爵家と並び、この国では次点の権力者と言っていい。
いや、次点が気に入らないのかもしれない……と、レミリアは考える。
母は優秀だった。貴族令嬢としても魔導士としても優秀過ぎるぐらい優秀だった。現在フォンティーヌ公爵家を継いでいる弟よりも彼女の方がよほど上流貴族八家筆頭にふさわしかったかもしれない。
しかし、リンドブロム大公国では直系男子優先である。弟が生まれた瞬間、彼女は嫡子ではなくなった。
その不満がすべて自分へとぶつけられている――レミリアにはそうとしか思えなかった。
幸い、アルバード侯爵である父ダニエルは娘のレミリアに優しかった。セレスを頼むね、すまないね、と謝りながらレミリアにこっそりと会いにきてくれていた。
幼い頃は甘いお菓子をお土産に持って来たり、花を渡したり。
少し大人になってからは街の仕立て屋で作らせたというドレスや、なかなか手に入らない書籍を抱えながら。
そして昨年、十五歳の誕生日には、アルバード領のはずれにある別荘の鍵を渡してくれた。
「レミリア。もしセレスから逃げたくなったら、ここに隠れなさい」
「でも、私がいなくなったら、アルバード家は……」
「わたしがどうとでもするさ。レミリアは気にしなくていいんだよ」
そう言って微笑む父親のガラス玉のような瞳を見て、レミリアは確信した。
父は、レミリアに侯爵家を継いでほしいとは思っていないのだ。むしろ邪魔だと思っている。そのまま失踪でもしてもらって〝後継不在〟という事態にし、自分の愛妾に子供を産ませて後継者にしたいのだ。
父ダニエルも、結局はレミリアを道具として見ていただけなのだ。
レミリアを盾にして母セレスから逃げ、やがてレミリアには母の鬱憤をぶつける矛先となってもらい――その後は、彼女の心を挫く最大の駒として動いてもらう、と。
部屋に戻ったレミリアは、ずぶ濡れのみすぼらしい姿に似つかわしくない強い光を帯びた眼差しで窓の外の青い空を見上げた。
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