溺愛ハッピーエンドが欲しくて頑張ったのに、なぜか彼氏はヤンデレ化した

ChaCha

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静かに閉じる檻

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ベルンハルトは、カレンの背中を見ていた。



中庭を抜けるその歩き方。

人の流れを気にしながら、無意識に距離を取る癖。

それでも、誰かに呼ばれれば、素直に足を止めるところ。



(……変わらない)



彼女は、何も変わっていない。



――だからこそ。



(……変わらないまま、起きている)



エルンスト。

名前を呼ぶ声。

向ける笑顔。



どれも短い。

どれも決定的ではない。



それでも。



(……多い)



ベルンハルトは、胸の奥でそう判断した。



偶然。

予定。

世界の流れ。



どれで説明してもいい。

だが、“結果”だけは一つだった。



カレンの周囲で、同じ人物が繰り返し発生している。



(……俺がいない瞬間に)



その事実が、静かに思考を侵食する。



疑ってはいない。

裏切りだとも思っていない。



――だからこそ、厄介だ。



(……選んでいるつもりが、ない)



カレンは、無自覚だ。

自分がどれほど人を引き寄せるかを、知らない。



知らないまま、

予定に近づいて、何かを踏んで、

世界に“起こさせている”。



(……危ない)



それは、彼女自身にとって。



ベルンハルトは、ゆっくりと結論に辿り着く。



(……管理が、必要だ)



独占ではない。

制限でもない。



“守る”ための配置。

“安全”な距離の設計。



・放課後は一緒に帰る

・中庭を通る時間帯をずらす

・先生との用件は、先に引き取る

・相談事は、俺を通す



(……当然だろう)



恋人として。



彼女を一番理解している者として。



ベルンハルトは、自分の判断を疑わなかった。



むしろ、安心する。



(……俺が見ていれば)



彼女が無自覚に踏む“予定”も、

余計な視線も、

不要な接触も。



――起きる前に、終わらせられる。



その時。



カレンが振り返った。



「ベルンハルト?」



柔らかい声。

信頼しきった目。



(……ほら)



疑いなんて、ない。



彼女は、俺を選んでいる。

だから――



「行こう」



ベルンハルトは、自然に彼女の隣へ立つ。



距離は近い。

でも、触れない。



逃げ場を残している。

――彼女のために。



(……俺が、守る)



カレンは何も知らずに、頷いた。



その背中に、

“選択肢”が一つずつ消えていくことも。



それでも、彼は微笑んだ。



これは、愛だ。

これは、配慮だ。

これは、正しい。



――そう、信じている。





ベルンハルト視点

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