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11 ラナSide2
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『カイト様とラナ様の婚姻届が受理されました』その言葉に涙が込み上げた。
知らせを待つ間、本当に苦しかったの。悲しくて何度も死んでしまいたくなった。待っていて本当に良かった。けれどカイト様が倒れたと言っていたわ。
私はすぐにカイト様の所へ向かいたいと父に願う。父の話によると、今は王宮の一室で医務官が付き添いながら治療しているらしい。
カイト様に使われた薬がとても強く、意識が混濁しているのだとか。父にすぐ王宮へ向かうように手配してもらった。
一秒でも早くカイト様に会いたい。
知らせではどんな状況なのか分からない。私は最低限の着替えで父と馬車に飛び乗った。
「……お父様。カイト様は大丈夫なのでしょうか?」
「分からん。だが、きっと王女と結婚する事を必死で抵抗したのではないか。何にせよ王宮で詳しく聞けると思う」
「……そうですね」
馬車の中には重い空気が流れる。口を開けば大切な何かが零れ落ちそうになる気がして、口を開く事が出来なかった。
「ホルン子爵様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
王宮の従者が馬車を降りた私達を出迎えてくれる。私と父は従者に案内されて王宮の中を進んでいく。逸る気持ちを抑えながら王宮の一室へと入った。
「ホルン子爵とご令嬢がお見えになりました」
従者は医務官に声を掛けた後、何事もなかったように去っていく。私達は部屋に入ると、独特な薬品の匂いがした。カイト様は無事なの?視線を彷徨わせた先にローゼフ子爵とベッドで寝ているカイト様らしき姿が目に飛び込んできた。
「お待ちしておりました」
その言葉を聞きながら近づいてカイト様の姿を確認する。カイト様は何かを呟いている。よく見ると、縄で縛られて動けない状態のようだ。
「……ローゼフ子爵。これはどういう事か!?」
父は驚き声を荒らげる。
「ホルン子爵、ラナ様。現在のカイト様の状態なのですが、説明しても宜しいでしょうか?」
「あぁ。詳しく頼む」
「ではこちらへお掛け下さい」
私達は医務官に促されるままローゼフ子爵と共にソファへと座った。ローゼフ子爵の顔色はとても暗い。
「ローゼフ子爵、カイト・ホルン子爵子息の事なのですが、グレイス王女に香水タイプの媚薬を掛けられたのです。この薬はとても強力で意識が朦朧としている状態が続いております」
「……媚薬?そんな薬が本当にあるのですか?」
父は半信半疑で医務官に聞いた。
「詳しく説明するとですね、強力な興奮剤と少量の幻覚薬と睡眠薬など複数の薬剤が混ぜられております。どれも毒ではありませんので解毒薬はありません。現在の彼の状況なのですが予想されるのは幻覚薬で軽い幻覚を見ており、睡眠薬で判断力が鈍くなっている、その上で性的な興奮状態に陥っていると思われます。
一つ一つの薬の効果は二、三日で切れるはずなのですが、合成された薬の成分が強く効いており、薬の効果が切れるのはいつになるかわかりません。幻覚が長く続けば精神が保てないかもしれません」
「そんなっ。先生、カイト様の事、何とかならないのでしょうかっ。彼を助けるためなら何でもしますからっ」
医務官の説明に私は泣きながら助けて欲しい一心で先生に懇願する。医務官は少し間を置いた後、小さく息を吐いて口を開いた。
「助ける方法は、ありますが、どうにも、言いにくいのですが」
医務官は言葉を濁す。
「先生、仰って下さい。難しい事なのでしょうか?」
私の言葉に医務官は父達に視線を合わせている。
「カイト様は性的な興奮が無くなればすぐに薬の効果は切れます」
「性的な興奮……?」
「ええ、そうです。元々グレイス王女と肉体関係を結ばせるための薬。カイト様はグレイス王女と肉体関係を結ぶことを拒否して今の状況に陥っているのです。カイト様と誰かが肉体関係になれば興奮は治まり、薬の効果も切れます」
医務官の言葉に私は顔を真っ赤にする。けれども、このような状況になっているのが良くないと思っていても王女と肉体関係を拒否したカイト様。
一縷の望みがある、王女を拒否してくれた事の嬉しさが心の底にジワリと広がる。けれど、カイト様を助けるためには肉体関係を持たなければいけない。
それが私以外で、となるときっと私は仕方がないと頭で理解しても嫉妬で身を焦がしてしまう気がする。心の何処かで許せないと感じてしまう。
多少早く初夜を迎えても、問題はないわ。
既に婚姻も受理されているもの。
私は恥ずかしいけれど、覚悟を決めて父達の前で言葉にする。
知らせを待つ間、本当に苦しかったの。悲しくて何度も死んでしまいたくなった。待っていて本当に良かった。けれどカイト様が倒れたと言っていたわ。
私はすぐにカイト様の所へ向かいたいと父に願う。父の話によると、今は王宮の一室で医務官が付き添いながら治療しているらしい。
カイト様に使われた薬がとても強く、意識が混濁しているのだとか。父にすぐ王宮へ向かうように手配してもらった。
一秒でも早くカイト様に会いたい。
知らせではどんな状況なのか分からない。私は最低限の着替えで父と馬車に飛び乗った。
「……お父様。カイト様は大丈夫なのでしょうか?」
「分からん。だが、きっと王女と結婚する事を必死で抵抗したのではないか。何にせよ王宮で詳しく聞けると思う」
「……そうですね」
馬車の中には重い空気が流れる。口を開けば大切な何かが零れ落ちそうになる気がして、口を開く事が出来なかった。
「ホルン子爵様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
王宮の従者が馬車を降りた私達を出迎えてくれる。私と父は従者に案内されて王宮の中を進んでいく。逸る気持ちを抑えながら王宮の一室へと入った。
「ホルン子爵とご令嬢がお見えになりました」
従者は医務官に声を掛けた後、何事もなかったように去っていく。私達は部屋に入ると、独特な薬品の匂いがした。カイト様は無事なの?視線を彷徨わせた先にローゼフ子爵とベッドで寝ているカイト様らしき姿が目に飛び込んできた。
「お待ちしておりました」
その言葉を聞きながら近づいてカイト様の姿を確認する。カイト様は何かを呟いている。よく見ると、縄で縛られて動けない状態のようだ。
「……ローゼフ子爵。これはどういう事か!?」
父は驚き声を荒らげる。
「ホルン子爵、ラナ様。現在のカイト様の状態なのですが、説明しても宜しいでしょうか?」
「あぁ。詳しく頼む」
「ではこちらへお掛け下さい」
私達は医務官に促されるままローゼフ子爵と共にソファへと座った。ローゼフ子爵の顔色はとても暗い。
「ローゼフ子爵、カイト・ホルン子爵子息の事なのですが、グレイス王女に香水タイプの媚薬を掛けられたのです。この薬はとても強力で意識が朦朧としている状態が続いております」
「……媚薬?そんな薬が本当にあるのですか?」
父は半信半疑で医務官に聞いた。
「詳しく説明するとですね、強力な興奮剤と少量の幻覚薬と睡眠薬など複数の薬剤が混ぜられております。どれも毒ではありませんので解毒薬はありません。現在の彼の状況なのですが予想されるのは幻覚薬で軽い幻覚を見ており、睡眠薬で判断力が鈍くなっている、その上で性的な興奮状態に陥っていると思われます。
一つ一つの薬の効果は二、三日で切れるはずなのですが、合成された薬の成分が強く効いており、薬の効果が切れるのはいつになるかわかりません。幻覚が長く続けば精神が保てないかもしれません」
「そんなっ。先生、カイト様の事、何とかならないのでしょうかっ。彼を助けるためなら何でもしますからっ」
医務官の説明に私は泣きながら助けて欲しい一心で先生に懇願する。医務官は少し間を置いた後、小さく息を吐いて口を開いた。
「助ける方法は、ありますが、どうにも、言いにくいのですが」
医務官は言葉を濁す。
「先生、仰って下さい。難しい事なのでしょうか?」
私の言葉に医務官は父達に視線を合わせている。
「カイト様は性的な興奮が無くなればすぐに薬の効果は切れます」
「性的な興奮……?」
「ええ、そうです。元々グレイス王女と肉体関係を結ばせるための薬。カイト様はグレイス王女と肉体関係を結ぶことを拒否して今の状況に陥っているのです。カイト様と誰かが肉体関係になれば興奮は治まり、薬の効果も切れます」
医務官の言葉に私は顔を真っ赤にする。けれども、このような状況になっているのが良くないと思っていても王女と肉体関係を拒否したカイト様。
一縷の望みがある、王女を拒否してくれた事の嬉しさが心の底にジワリと広がる。けれど、カイト様を助けるためには肉体関係を持たなければいけない。
それが私以外で、となるときっと私は仕方がないと頭で理解しても嫉妬で身を焦がしてしまう気がする。心の何処かで許せないと感じてしまう。
多少早く初夜を迎えても、問題はないわ。
既に婚姻も受理されているもの。
私は恥ずかしいけれど、覚悟を決めて父達の前で言葉にする。
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