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滅亡する国2
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私は王宮の入り口に転移した。数名の騎士達が突然転移してきた私を不審に思ったようで声をかけてきた。
「王宮への転移は認められていない。何者だ」
「あら、丁度良いわ。この依頼書の依頼人がここだと聞いたから来たの。国王に合わせてちょうだい」
一人の騎士が私の持っていた依頼書に目を通すと、馬鹿にしたように依頼書を破いて陛下には会う事は出来ないと告げてきたわ。
「あら? そんな事をしても良いと思っているの?」
私は依頼書を破った騎士に向かって指さすと騎士の頭はパチンと弾けて首から下の身体がゴトリと横たわる。
「せっかく貰った依頼書を破くからよ?」
騎士の突然の死に他の騎士達は動揺し、動けないでいた。
その光景を見ていた他の衛兵や一般人と思わしき人達はあまりの出来事にガタガタと震えている。
騎士の死体を見たドレスを着た女の一人は悲鳴と共に倒れてしまった。人間達は応援を呼びに行ったのか少し騒がしくなってきたが、私は気にせずにお城の中へ進み国王を探す。
流石に王宮と言うだけあって同じような部屋がいくつもあり、一人で探すのは面倒だ。
「ちょっとそこの貴方、国王は何処かしら?」
従者と思われる男は不意に声を掛けられて困惑顔をしている。随分と中まで入ったから先程の騎士の事は分かっていないようだ。
「只今の時間は謁見室だと思われます」
「そう、国王に会いに来たの。謁見室まで案内してちょうだい」
私は従者に案内を頼むと従者はこちらですと案内してくれた。
謁見室の前に着くと、従者は集まってきた騎士達の姿に気づいたのか、頭を下げてさっと居なくなった。
騎士達が援軍を呼び、大勢の騎士達が後を追って来ているようだし、丁度良いわ。
私は手を挙げると同時に絢爛豪華な扉は激しい音を立てて吹き飛ぶ。
謁見室には国王と宰相、そして貴族らしき男達が居たが、一様に目を見開きこちらを見ている。
「貴方がこの国の王かしら? 聞きたい事があるのだけど?」
「今、謁見中なのだぞ? 無礼な奴め。この者を捕らえよ!」
国王の合図と共に部屋の中にいた騎士達が私を捕らえようと周りを取り囲んだ。
「ふふっ、良い物を見せてあげるわ」
錫杖が床を突くとシャランと音が鳴なり、赤い絨毯がじわじわと黒く変化していく。
やがて床の黒い部分がモヤとも煙ともいえないような物が上り始め、モヤが騎士達を捕まえて動きを止める。
騎士達はモヤに捕まると呻き声を上げ出した。
話をしようにもこれでは呻き声で話が聞こえないわね。
私は防音魔法を騎士達に使い国王の方へ向きを変える。
謁見室の外に集まった騎士達はその異様な光景に入ることを躊躇っているようだ。
「さて、国王様。聞きたいのだけれど、良いかしら?」
国王も宰相も側にいた貴族も騎士達の姿を見て恐怖でへたり込んでいる。
「このギルドの依頼人は貴方?」
先程騎士によって破られた依頼書は魔法で繋ぎ合わせ、国王の目の前で見せて確認させる。
「ワシは知らん! こんなもんは知らん!」
震えながらそう答える。
「あら、そう? ではこれではどうかしら?」
自白魔法を国王に向かい唱える。
「本当に貴方が依頼したものでは無くて?」
「ワシが宰相と話をして依頼を出した。あそこの森を手にしたくてな。だが、騎士を派遣して何か有れば国の沽券に関わる。
まずはしがらみのないS級冒険者に依頼したのだ」
国王の顔が途端に白くなる。
「ふぅん。そうなの。私があそこの森にいる理由を忘れたのかしら? それにしても私を狩に来るとは良い度胸ね?
あぁ、請け負った冒険者達は生きているわよ?」
シャランと錫杖をもう一度床に突くと、三人の冒険者が私の前に現れた。三人とも虚な表情で何かを呟いているが、聞き取る事は出来ない。
三人の喉は傷付けられ、逃げる足も、攻撃する腕も無い。生きているのが不思議な状態であった。
国王や宰相達は冒険者達の姿を見て恐慌状態に陥り叫びはじめる。
「あらあら、思ったより酷いわね。ふふっ、仕方がないわよね。さて、どうしましょうか?」
私はニコリと笑いながら頭を傾けていい事を思いついた、とばかりに騎士達を解放した。
「私、怒っているのよ。こういう馬鹿な人間が定期的に現れるのよね。人間風情で魔女を殺そうだなんて。貴方達も狩られてごらんなさい」
私は錫杖の先を床に付けて魔法を唱えると、床は大きな円状の黒い穴が開いた。
穴からは地を這うような唸り声が聞こえており、その声はどんどん近づいて穴から魔物が一体、また一体と這い出てくる。
「王様、生き残っていたら魔女の森へ来て下さいな。この穴は三日三晩は塞がらないわ。騎士様達も国を消滅させたくなければ頑張りなさいな。ではね」
私は言い終わると魔女の森へと転移した。
「ガロン、彼等の国は消滅すると思う?」
帰ってきた私にお茶を用意しながらガロンは答える。
「国は無くなるでしょうな。地底の魔の物は地上の魔物とは違いますし。国が無くなった後に強力な聖女や勇者が出現し、討伐。これが毎回のパターンですぞ?」
「まぁ、そうよねぇ。今回は私が地底の穴を開けちゃったけど、原因を作った人間達は反省して欲しいわねぇ」
私はガロンに差し出されたロード国王宮仕様のデザートに舌鼓を打った。
「王宮への転移は認められていない。何者だ」
「あら、丁度良いわ。この依頼書の依頼人がここだと聞いたから来たの。国王に合わせてちょうだい」
一人の騎士が私の持っていた依頼書に目を通すと、馬鹿にしたように依頼書を破いて陛下には会う事は出来ないと告げてきたわ。
「あら? そんな事をしても良いと思っているの?」
私は依頼書を破った騎士に向かって指さすと騎士の頭はパチンと弾けて首から下の身体がゴトリと横たわる。
「せっかく貰った依頼書を破くからよ?」
騎士の突然の死に他の騎士達は動揺し、動けないでいた。
その光景を見ていた他の衛兵や一般人と思わしき人達はあまりの出来事にガタガタと震えている。
騎士の死体を見たドレスを着た女の一人は悲鳴と共に倒れてしまった。人間達は応援を呼びに行ったのか少し騒がしくなってきたが、私は気にせずにお城の中へ進み国王を探す。
流石に王宮と言うだけあって同じような部屋がいくつもあり、一人で探すのは面倒だ。
「ちょっとそこの貴方、国王は何処かしら?」
従者と思われる男は不意に声を掛けられて困惑顔をしている。随分と中まで入ったから先程の騎士の事は分かっていないようだ。
「只今の時間は謁見室だと思われます」
「そう、国王に会いに来たの。謁見室まで案内してちょうだい」
私は従者に案内を頼むと従者はこちらですと案内してくれた。
謁見室の前に着くと、従者は集まってきた騎士達の姿に気づいたのか、頭を下げてさっと居なくなった。
騎士達が援軍を呼び、大勢の騎士達が後を追って来ているようだし、丁度良いわ。
私は手を挙げると同時に絢爛豪華な扉は激しい音を立てて吹き飛ぶ。
謁見室には国王と宰相、そして貴族らしき男達が居たが、一様に目を見開きこちらを見ている。
「貴方がこの国の王かしら? 聞きたい事があるのだけど?」
「今、謁見中なのだぞ? 無礼な奴め。この者を捕らえよ!」
国王の合図と共に部屋の中にいた騎士達が私を捕らえようと周りを取り囲んだ。
「ふふっ、良い物を見せてあげるわ」
錫杖が床を突くとシャランと音が鳴なり、赤い絨毯がじわじわと黒く変化していく。
やがて床の黒い部分がモヤとも煙ともいえないような物が上り始め、モヤが騎士達を捕まえて動きを止める。
騎士達はモヤに捕まると呻き声を上げ出した。
話をしようにもこれでは呻き声で話が聞こえないわね。
私は防音魔法を騎士達に使い国王の方へ向きを変える。
謁見室の外に集まった騎士達はその異様な光景に入ることを躊躇っているようだ。
「さて、国王様。聞きたいのだけれど、良いかしら?」
国王も宰相も側にいた貴族も騎士達の姿を見て恐怖でへたり込んでいる。
「このギルドの依頼人は貴方?」
先程騎士によって破られた依頼書は魔法で繋ぎ合わせ、国王の目の前で見せて確認させる。
「ワシは知らん! こんなもんは知らん!」
震えながらそう答える。
「あら、そう? ではこれではどうかしら?」
自白魔法を国王に向かい唱える。
「本当に貴方が依頼したものでは無くて?」
「ワシが宰相と話をして依頼を出した。あそこの森を手にしたくてな。だが、騎士を派遣して何か有れば国の沽券に関わる。
まずはしがらみのないS級冒険者に依頼したのだ」
国王の顔が途端に白くなる。
「ふぅん。そうなの。私があそこの森にいる理由を忘れたのかしら? それにしても私を狩に来るとは良い度胸ね?
あぁ、請け負った冒険者達は生きているわよ?」
シャランと錫杖をもう一度床に突くと、三人の冒険者が私の前に現れた。三人とも虚な表情で何かを呟いているが、聞き取る事は出来ない。
三人の喉は傷付けられ、逃げる足も、攻撃する腕も無い。生きているのが不思議な状態であった。
国王や宰相達は冒険者達の姿を見て恐慌状態に陥り叫びはじめる。
「あらあら、思ったより酷いわね。ふふっ、仕方がないわよね。さて、どうしましょうか?」
私はニコリと笑いながら頭を傾けていい事を思いついた、とばかりに騎士達を解放した。
「私、怒っているのよ。こういう馬鹿な人間が定期的に現れるのよね。人間風情で魔女を殺そうだなんて。貴方達も狩られてごらんなさい」
私は錫杖の先を床に付けて魔法を唱えると、床は大きな円状の黒い穴が開いた。
穴からは地を這うような唸り声が聞こえており、その声はどんどん近づいて穴から魔物が一体、また一体と這い出てくる。
「王様、生き残っていたら魔女の森へ来て下さいな。この穴は三日三晩は塞がらないわ。騎士様達も国を消滅させたくなければ頑張りなさいな。ではね」
私は言い終わると魔女の森へと転移した。
「ガロン、彼等の国は消滅すると思う?」
帰ってきた私にお茶を用意しながらガロンは答える。
「国は無くなるでしょうな。地底の魔の物は地上の魔物とは違いますし。国が無くなった後に強力な聖女や勇者が出現し、討伐。これが毎回のパターンですぞ?」
「まぁ、そうよねぇ。今回は私が地底の穴を開けちゃったけど、原因を作った人間達は反省して欲しいわねぇ」
私はガロンに差し出されたロード国王宮仕様のデザートに舌鼓を打った。
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