2 / 3
胎動
胎動2
しおりを挟む
皇都の東に軍に付随する様々な建物が並んでいる一角がある。
その一番奥、知らなければ誰もたどり着けない皇都の城壁に隣接する形でその建物、情報管理塔はあった。
外からは4階建てとはわからない煉瓦造りの建物、1階から3階まではすべて公文書で埋め尽くされている。
その最上階である4階のその部屋には窓の類は一切ない。
直径10メートルほどの円筒状の部屋、その壁と床にはそれほど強くはないが赤く発光する石で円を基調とした非常に細やかな幾何学模様が描かれている。
そして中央に一人の女性とその周りに黒衣の男性が一人、そして4人の白装束の男性の姿があった。
中央の白装束に身を包んだ女性。その額からは汗がにじみ出ている。
長時間この状態なのだろう。着物は汗で濡れ肉感的な体のラインがとても良く強調されていた。
その扇情的ともいえる姿を目に入れながら周りの男たちの表情はどれも固く厳しい。
永遠に続くとも思える張り詰めた空気、それは突然破られた。
・・・再度きました・・・
女性が聞き取れないほどの小さな声でつぶやく。
分析官。接続を。
非常に低い声で周りの5人のうち最も年配と思える黒衣の男性が声を発する。
残りの4人のうち3人が中央の女性に向かって両手をかざした。
残り一人は書記なのだろうか筆を持ち紙を広げる。
脳裏に広がるイメージがおぼつかない。苦痛、悔恨、イメージよりも心の動揺がダイレクトに伝わってくる。
頭が刺すように痛い。
捷・・・弟の名前を心で強く念じる。この距離だ、感情を伝えれるほどの能力が自分に無いのはわかっている。
わかっていても思わずにはいられない。
こんなことは初めて・・・
今まで7年間一度もこんなことは無かった。弟のおかげで功一等を得た3年前、すべてを順調に幸せに皇都で安穏と暮らせてこれたのはただただ弟のおかげだ。
それも全て今回の任務で終わるはずだった。4日前の交信。はにかむ様な声で明確に私だけに発せられたイメージ。
ねえさん。これで戻るよ。戻ったら話したい事や会わせたい人がいるんだ。
その時伝えられた脳にこびりついた弟のイメージが自分の感情を動揺させ縛る。私は何もできない。ただ受け止め媒介するだけ。その無力感が心を締め付ける。
冷静にならないと・・・
意識せずとも涙がこぼれる。こんな感情を伝えられたことは今までなかった。初めての経験だけに零れ落ちる涙が止まることはない。
数十分前、即座に途絶えてしまった最初の交信。そして今のこの感情の混乱。
その全てが捷の現状を明確に伝えていた。
ふっと具体的なイメージが画像を伴って伝わってくる
・・・大量の鋼皮革・・・
分析官3名と声が重なる。彼らもまたイメージを共有している。そのうち一人はシンクロさせすぎたのだろう彼女と同じように瞳から涙がこぼれていた。
・・・腎石、そして神石・・・
今度は彼女だけが言葉を発した。
その場の長とおもわれる黒衣の年配の男が唖然とした表情で目を見開く。周りの分析官も驚きのあまり声を発することが出来なかったようだ。
一人書記だけが淡々と筆を滑らしている。
痛みのイメージがひどい。自分の足までが熱傷に侵されているようなリアルな苦痛。汗がひときわ噴出した。
・・・大きい、とても大きい何か。船?・・・
漠然とした黒く巨大なイメージ。痛みのイメージが多きすぎて画像自体に意識を持っていけない!!
媒介し見ている分析官達は声を発することすらできていないようだった。
・・・甲種・・・一人・・・炎?広範囲・・・走っている・・・
失神しそうになる。左足ばかりか右手がもぎ取られたような感覚。これ以上ダイレクトにイメージを受け取ると頭がどうにかなりそうだった。
分析官の一人が倒れる。痛みのイメージに耐えられなかったようだ。
無理もない。今までこのような状況で意識を共有したことなど誰も経験した事が無いのだ。
のどの奥からひねり出すように女が声を出す。
追われながら・・・伝達しているようです・・・
森、炎、犬?情報になるとは思えないイメージが二転三転する。
痛みのイメージとともに頭がどうにかなりそうだった。
それと共に思う、こんな状況でも情報を伝えようとする捷の意思の強さ、そしてその能力。
・・・森?・・・炎、犬・・・
分析官が叫ぶように言葉を発している。
明らかに異常。額からは汗がとりとめもなく流れ、そのこめかみには血管が浮き出ていた。
そしてついに残り二人のうち一人の分析官が口から泡を吹いて倒れた。
ここまでか・・・
年配の男が叫ぶ。
神石の発動を切れ!!
書記がその言葉を聞き、慌てて白装束の女の足元で光っていた大きな赤い石に床に置いていた槍状の物体を突き刺す。
その瞬間、壁と床に張り巡らされていた幾何学文様に配置されていた石が眩く一瞬光り、完全な闇が部屋を覆い尽くした。
そして女と残った分析官1人は雷に打たれたように一瞬硬直したのちその場にどさっと倒れこむ。
一瞬の間があり、その後周りの壁が3か所開き炎の明かりが部屋に差し込んだ。
どたどたと一気に数十人の男がなだれ込む。そして女を含む倒れた4人に走り寄り何か治療をしているようだった。
その中を一人の壮年の男がのそっと入って来る。
かなりの長身だ。そして一言、黒衣の男に問いただした。
捷はどうなった?
首を振りながら男が答える
おそらく、生きてはおらぬかと。
情報は?
大部分は引き出せたかと要員の回復を待ち明日の午後には詳しい報告を・・・
ただ非常に厄介な問題が何点かあります。
まず一点、我々は最も遠方より情報を飛ばせる優秀な人員を失った可能性が高い。
2点目、王国は我々のこの工作員網を把握した可能性がある。
そして我々の情報共有システム、その情報伝達の能力について何か情報を得たのかもしれません。
長身の男がため息をつきながら答える。
是非もない・・・
この20年、ほとんどリスクを冒さない形で情報を得れていたことこそが奇跡に近かったのだ。
国境3都市に潜入している人員へリスク管理を最高度で取るように伝えねばならん。
東、西、中央の砦に3日間赤色ののろしを上げろと伝達しろ。
おそらく王国も確信はしていないのか、それとも潜入している人員をあぶりだす人材が少数なのだ。
でなければ他の工作員も同時に何らかの妨害を受けたはず。
了解いたしました。
閣下、院と親王殿下へのご報告はどのように?
今日はもう遅いが殿下にだけは即伝えねばならん。
あのお方は非常に難しい。
半日報告が上がるのが遅れればそれだけ疑念を持たれるそんなお方だ。
とりあえず現時点で判明した情報をすべてまとめろ。
私自身が森ノ宮に上がり直接ご報告する。
院はそのあと、すべての情報がまとまり対応が終わった後でよい。
はっ、了解しました。
書記官が近寄り、メモを差し出してくる。
情報をまとめ、印を押すため黒衣の男はそれを持って部屋から出る。
ちょうどその時、女が数人の男に担がれて部屋から出される所だった。
白装束は汗でずぶぬれになりその肌は青白く生気の類は一切感じられなかった。
消えゆく意識の中で女は感じた。
弟の思いを、幸せそうに遊ぶ女性と弟に似た小さな子供。頼みますという昔聞いた弟の声を。
後日その情報を彼女が上司に伝えることはなかった。
その一番奥、知らなければ誰もたどり着けない皇都の城壁に隣接する形でその建物、情報管理塔はあった。
外からは4階建てとはわからない煉瓦造りの建物、1階から3階まではすべて公文書で埋め尽くされている。
その最上階である4階のその部屋には窓の類は一切ない。
直径10メートルほどの円筒状の部屋、その壁と床にはそれほど強くはないが赤く発光する石で円を基調とした非常に細やかな幾何学模様が描かれている。
そして中央に一人の女性とその周りに黒衣の男性が一人、そして4人の白装束の男性の姿があった。
中央の白装束に身を包んだ女性。その額からは汗がにじみ出ている。
長時間この状態なのだろう。着物は汗で濡れ肉感的な体のラインがとても良く強調されていた。
その扇情的ともいえる姿を目に入れながら周りの男たちの表情はどれも固く厳しい。
永遠に続くとも思える張り詰めた空気、それは突然破られた。
・・・再度きました・・・
女性が聞き取れないほどの小さな声でつぶやく。
分析官。接続を。
非常に低い声で周りの5人のうち最も年配と思える黒衣の男性が声を発する。
残りの4人のうち3人が中央の女性に向かって両手をかざした。
残り一人は書記なのだろうか筆を持ち紙を広げる。
脳裏に広がるイメージがおぼつかない。苦痛、悔恨、イメージよりも心の動揺がダイレクトに伝わってくる。
頭が刺すように痛い。
捷・・・弟の名前を心で強く念じる。この距離だ、感情を伝えれるほどの能力が自分に無いのはわかっている。
わかっていても思わずにはいられない。
こんなことは初めて・・・
今まで7年間一度もこんなことは無かった。弟のおかげで功一等を得た3年前、すべてを順調に幸せに皇都で安穏と暮らせてこれたのはただただ弟のおかげだ。
それも全て今回の任務で終わるはずだった。4日前の交信。はにかむ様な声で明確に私だけに発せられたイメージ。
ねえさん。これで戻るよ。戻ったら話したい事や会わせたい人がいるんだ。
その時伝えられた脳にこびりついた弟のイメージが自分の感情を動揺させ縛る。私は何もできない。ただ受け止め媒介するだけ。その無力感が心を締め付ける。
冷静にならないと・・・
意識せずとも涙がこぼれる。こんな感情を伝えられたことは今までなかった。初めての経験だけに零れ落ちる涙が止まることはない。
数十分前、即座に途絶えてしまった最初の交信。そして今のこの感情の混乱。
その全てが捷の現状を明確に伝えていた。
ふっと具体的なイメージが画像を伴って伝わってくる
・・・大量の鋼皮革・・・
分析官3名と声が重なる。彼らもまたイメージを共有している。そのうち一人はシンクロさせすぎたのだろう彼女と同じように瞳から涙がこぼれていた。
・・・腎石、そして神石・・・
今度は彼女だけが言葉を発した。
その場の長とおもわれる黒衣の年配の男が唖然とした表情で目を見開く。周りの分析官も驚きのあまり声を発することが出来なかったようだ。
一人書記だけが淡々と筆を滑らしている。
痛みのイメージがひどい。自分の足までが熱傷に侵されているようなリアルな苦痛。汗がひときわ噴出した。
・・・大きい、とても大きい何か。船?・・・
漠然とした黒く巨大なイメージ。痛みのイメージが多きすぎて画像自体に意識を持っていけない!!
媒介し見ている分析官達は声を発することすらできていないようだった。
・・・甲種・・・一人・・・炎?広範囲・・・走っている・・・
失神しそうになる。左足ばかりか右手がもぎ取られたような感覚。これ以上ダイレクトにイメージを受け取ると頭がどうにかなりそうだった。
分析官の一人が倒れる。痛みのイメージに耐えられなかったようだ。
無理もない。今までこのような状況で意識を共有したことなど誰も経験した事が無いのだ。
のどの奥からひねり出すように女が声を出す。
追われながら・・・伝達しているようです・・・
森、炎、犬?情報になるとは思えないイメージが二転三転する。
痛みのイメージとともに頭がどうにかなりそうだった。
それと共に思う、こんな状況でも情報を伝えようとする捷の意思の強さ、そしてその能力。
・・・森?・・・炎、犬・・・
分析官が叫ぶように言葉を発している。
明らかに異常。額からは汗がとりとめもなく流れ、そのこめかみには血管が浮き出ていた。
そしてついに残り二人のうち一人の分析官が口から泡を吹いて倒れた。
ここまでか・・・
年配の男が叫ぶ。
神石の発動を切れ!!
書記がその言葉を聞き、慌てて白装束の女の足元で光っていた大きな赤い石に床に置いていた槍状の物体を突き刺す。
その瞬間、壁と床に張り巡らされていた幾何学文様に配置されていた石が眩く一瞬光り、完全な闇が部屋を覆い尽くした。
そして女と残った分析官1人は雷に打たれたように一瞬硬直したのちその場にどさっと倒れこむ。
一瞬の間があり、その後周りの壁が3か所開き炎の明かりが部屋に差し込んだ。
どたどたと一気に数十人の男がなだれ込む。そして女を含む倒れた4人に走り寄り何か治療をしているようだった。
その中を一人の壮年の男がのそっと入って来る。
かなりの長身だ。そして一言、黒衣の男に問いただした。
捷はどうなった?
首を振りながら男が答える
おそらく、生きてはおらぬかと。
情報は?
大部分は引き出せたかと要員の回復を待ち明日の午後には詳しい報告を・・・
ただ非常に厄介な問題が何点かあります。
まず一点、我々は最も遠方より情報を飛ばせる優秀な人員を失った可能性が高い。
2点目、王国は我々のこの工作員網を把握した可能性がある。
そして我々の情報共有システム、その情報伝達の能力について何か情報を得たのかもしれません。
長身の男がため息をつきながら答える。
是非もない・・・
この20年、ほとんどリスクを冒さない形で情報を得れていたことこそが奇跡に近かったのだ。
国境3都市に潜入している人員へリスク管理を最高度で取るように伝えねばならん。
東、西、中央の砦に3日間赤色ののろしを上げろと伝達しろ。
おそらく王国も確信はしていないのか、それとも潜入している人員をあぶりだす人材が少数なのだ。
でなければ他の工作員も同時に何らかの妨害を受けたはず。
了解いたしました。
閣下、院と親王殿下へのご報告はどのように?
今日はもう遅いが殿下にだけは即伝えねばならん。
あのお方は非常に難しい。
半日報告が上がるのが遅れればそれだけ疑念を持たれるそんなお方だ。
とりあえず現時点で判明した情報をすべてまとめろ。
私自身が森ノ宮に上がり直接ご報告する。
院はそのあと、すべての情報がまとまり対応が終わった後でよい。
はっ、了解しました。
書記官が近寄り、メモを差し出してくる。
情報をまとめ、印を押すため黒衣の男はそれを持って部屋から出る。
ちょうどその時、女が数人の男に担がれて部屋から出される所だった。
白装束は汗でずぶぬれになりその肌は青白く生気の類は一切感じられなかった。
消えゆく意識の中で女は感じた。
弟の思いを、幸せそうに遊ぶ女性と弟に似た小さな子供。頼みますという昔聞いた弟の声を。
後日その情報を彼女が上司に伝えることはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
悪役令嬢、休職致します
碧井 汐桜香
ファンタジー
そのキツい目つきと高飛車な言動から悪役令嬢として中傷されるサーシャ・ツンドール公爵令嬢。王太子殿下の婚約者候補として、他の婚約者候補の妨害をするように父に言われて、実行しているのも一因だろう。
しかし、ある日突然身体が動かなくなり、母のいる領地で療養することに。
作中、主人公が精神を病む描写があります。ご注意ください。
作品内に登場する医療行為や病気、治療などは創作です。作者は医療従事者ではありません。実際の症状や治療に関する判断は、必ず医師など専門家にご相談ください。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる