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葉菜花、帰ってきました編
49・一番元気になった人
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錬金術師・葉菜花が食事係を始めて三日が過ぎた。
ガルグイユ騎士団の団員達はみな彼女を認めている。
そもそもラトニー王国人なので、最初に魔石ごはんを見た瞬間に認めたともいえる。
ラトニー人に必須スキルともいえる『解析』で判明するのは食べ物に毒があるかどうか、痛んでいるかどうか、自分ならお腹を壊さないかどうかくらいだが、スキルを使わなくても匂いを嗅げばその食べ物が美味しいかどうかはわかるのだった。
「行儀が悪いぞ」
轡を並べて帰路に就いているのは、本日朝番だったふたりの騎士だ。
出勤時の部活帰りのDKセットはないものの、お土産パンはもらえる時間帯である。
注意を受けたほうは片手で手綱を持ち、もらったばかりの焼きそばパンを食べていた。
「いや、だってこれ、持って帰る途中で具が出ちゃうじゃん」
そのためコッペパン系は土産用にしない予定だったのだが、王弟コンセプシオンや聖女イザベルが葉菜花と話しているのを聞いて興味をそそられた騎士団員達が、グチャグチャになってもいいから作って欲しいと頼み込み、本日作ってもらったのだった。
「まあな。命がけでダンジョンアントと戦うというのに、こんな美味しいものが食べられない冒険者や傭兵達が気の毒だ」
「グチャグチャになってても美味しかったらいいと思わない?」
「そう言うが、見た目は大切だぞ。それになにより、包んだ布の中でほかのパンと味が混ざったらもったいないではないか」
「全部同じパンにしたら具が出てても大丈夫じゃない?」
「……貴殿は天才か!」
「いやー照れるなー」
騎士であっても貴族の子弟であっても、実態は食欲旺盛な若い男子に過ぎない。
ふたり以外の騎士団員達も馬上で楽しくバカ話に花を咲かせていた。
「ところでさ、お前気づいた?」
「なにをだ」
最初に尋ねたほうが声を潜める。
「……錬金術師殿の魔石ごはん食べると元気になるよな?」
「美味いものを食べたら元気になるのは当たり前だろう」
「そういうんじゃなくってさ、なんていうか……」
焼きそばパンを食べ終わった騎士団員は指についたソースを舐め取ったあと、腰に提げた袋から器用にクリームパンを取り出して齧る。
「このクリームパン食べるとさ、なんかいつもより頭の回転が速くなる気がするんだよね」
「神官や魔術師達がよく、甘いものを食べると頭の働きが良くなると言っているぞ」
「それだけじゃなくて、料理によっては力強さとか持ち堪えられる限度とかも変わる気がする」
「昨日手合わせする前にパンを食べていたのは、それを確かめるためだったのか」
ふたりはアリの巣殲滅が始まるまで朝番が続く。
仕事が終わったあとガルグイユ騎士団宿舎の訓練場で手合わせをするのが、ここ最近の日課だった。
「そう。でも団長みたいに『鑑定』持ってないから、気がするだけではっきりしないんだよね」
「団長も細かい数値で見えるわけではないというぞ」
「そっかー。ま、考えても仕方がないことだけどね。俺達に必要な情報なら、団長はちゃんと教えてくれるだろうし」
「だな。それに貴殿の元気が出たのは錬金術師殿が女性だったからではないか? これまでは寂しい男所帯だったからな」
「錬金術師殿は可愛いけど、女の子なら聖女様もいたじゃん」
「む。……ま、まあそうだな」
顔色を曇らせた友人に、騎士団員は顎を捻った。
「もしかしてお前、聖女様苦手? 巨乳派だったよね?」
「確かに聖女様はその、とても魅力的な方だが」
聖女イザベルがダンジョンに『聖域』を張り始めたころ、まだ存在が確認されていなかった横穴からダンジョンアントが逃げ出してきたことがあった。
「自分に襲いかかったダンジョンアントに顔色ひとつ変えず、黄金の腕輪の『アイテムボックス』からご愛用のハンマーを取り出して一撃したことがあっただろう? しかもそのあとで腹ごなしにもならない、と呟かれて」
「うんうん、カッコ良かったよねえ。俺、あれで聖女様有りになったよ」
「貴殿はあれで有りになったのか?」
「お前はなしになっちゃったの?」
「失礼ながら、な。強い女性は魅力的だが、やっぱりダンジョンコアを壊すだけのことはある、と」
「あはは、それは言える。でもそのとき戦ってたのバッドドラゴンだったんでしょ? バッドドラゴンは知能が低く暴食だ。魔力目当てで自分を生み出したコアも齧って弱らせてたんじゃない?」
「そうかもしれないな。……錬金術師殿が変成してくださるのはダンジョンアントのF級魔石だが、バッドドラゴンのS級魔石ならどんな料理になるのだろうか」
「赤くて甘いお菓子だったって」
「なぜ貴殿が知っている?」
問われた騎士団員は、自分が乗っている馬の首を撫でた。
「小休憩のときにコイツの様子見に行ったら団長がいて、話してたら教えてくれた」
「ああ。団長は馬達にも魔石ごはんを与えてくださっているからな」
「コイツらの調子もいいと思わない?」
「それは言える」
「まあ、あのリンゴの形のアップルパイもすっごく美味しかったから、それで元気なのかもしれないけどさ」
「馬も人間も美味に喜ぶ心は……ちょっと待て。貴殿、あのアップルパイを食べたのか?」
「うん。団長に言ったらくれた。俺達は食いしん坊だからって、最初から錬金術師殿が多めに作ってくれてるんだって。黄色い芋ようかんっていうのも美味しかったよ」
「休憩になると馬のところにばかり行っていたのは、そのせいか!」
「結構みんな気づいてきたから、そろそろ奪い合いになりそうなんだよね」
「ぐぬぬ。もっと早く気づいていれば……っ!」
頭を掻きむしる友人を見て、騎士団員は苦笑した。
結局みんなラトニー人だ。
「俺達も馬も元気になったけど、一番元気になったのは団長だよね」
「そうだな。いつも全身鎧を纏ってらっしゃるから表情は見えないが、錬金術師殿が来る前の数日は明らかに覇気を失ってらっしゃった」
「アリの巣殲滅に向けての下準備が上手く行ってないのかと思ってドキドキしちゃったよ」
「貴殿は案外繊細だからな」
「案外ってなんだよ?……錬金術師殿ってさ、ふたりっきりのときは団長のことシオン君って呼んでるんだ。こないだ俺、聞いちゃった」
「シオン卿の聞き間違いではないのか?」
ガルグイユ騎士団団長にしてラトニー王国の王弟コンセプシオンが田舎貴族のシオン卿と名乗って秘密裡に行動していることは、王宮を訪れる貴族達にとっては公然の秘密だ。
コンセプシオンが正体を隠しているのは、あくまで市井の人間に対してである。
「いやー、シオン卿って呼んでおいてタメ口はないだろ」
「……団長にも春が来たのかな」
「エンリケ国王陛下がご成婚なさるまでは難しいんじゃない? セルジオ副団長とかうるさそうだし」
「セルジオ副団長はなあ……団長のことを慕っているのは間違いないとはいえ」
季節は春の半ばだが、少し前から気温は初夏に近かった。
コンセプシオンを慕うセルジオが彼を真似て、見るからに暑苦しい全身鎧姿だったのは記憶に新しい。
もっとも兜をつけていると魔石ごはんが食べにくいという理由で、錬金術師が来てすぐに彼も部分鎧に変えていた。
──あの錬金術師が団長の恋人なのだとしたら、アリの巣殲滅が終わっても騎士団の宿舎に差し入れをしてくれるかもしれない。
そんな幸せな夢を見ながら、騎士団員達は森を進むのだった。
ガルグイユ騎士団の団員達はみな彼女を認めている。
そもそもラトニー王国人なので、最初に魔石ごはんを見た瞬間に認めたともいえる。
ラトニー人に必須スキルともいえる『解析』で判明するのは食べ物に毒があるかどうか、痛んでいるかどうか、自分ならお腹を壊さないかどうかくらいだが、スキルを使わなくても匂いを嗅げばその食べ物が美味しいかどうかはわかるのだった。
「行儀が悪いぞ」
轡を並べて帰路に就いているのは、本日朝番だったふたりの騎士だ。
出勤時の部活帰りのDKセットはないものの、お土産パンはもらえる時間帯である。
注意を受けたほうは片手で手綱を持ち、もらったばかりの焼きそばパンを食べていた。
「いや、だってこれ、持って帰る途中で具が出ちゃうじゃん」
そのためコッペパン系は土産用にしない予定だったのだが、王弟コンセプシオンや聖女イザベルが葉菜花と話しているのを聞いて興味をそそられた騎士団員達が、グチャグチャになってもいいから作って欲しいと頼み込み、本日作ってもらったのだった。
「まあな。命がけでダンジョンアントと戦うというのに、こんな美味しいものが食べられない冒険者や傭兵達が気の毒だ」
「グチャグチャになってても美味しかったらいいと思わない?」
「そう言うが、見た目は大切だぞ。それになにより、包んだ布の中でほかのパンと味が混ざったらもったいないではないか」
「全部同じパンにしたら具が出てても大丈夫じゃない?」
「……貴殿は天才か!」
「いやー照れるなー」
騎士であっても貴族の子弟であっても、実態は食欲旺盛な若い男子に過ぎない。
ふたり以外の騎士団員達も馬上で楽しくバカ話に花を咲かせていた。
「ところでさ、お前気づいた?」
「なにをだ」
最初に尋ねたほうが声を潜める。
「……錬金術師殿の魔石ごはん食べると元気になるよな?」
「美味いものを食べたら元気になるのは当たり前だろう」
「そういうんじゃなくってさ、なんていうか……」
焼きそばパンを食べ終わった騎士団員は指についたソースを舐め取ったあと、腰に提げた袋から器用にクリームパンを取り出して齧る。
「このクリームパン食べるとさ、なんかいつもより頭の回転が速くなる気がするんだよね」
「神官や魔術師達がよく、甘いものを食べると頭の働きが良くなると言っているぞ」
「それだけじゃなくて、料理によっては力強さとか持ち堪えられる限度とかも変わる気がする」
「昨日手合わせする前にパンを食べていたのは、それを確かめるためだったのか」
ふたりはアリの巣殲滅が始まるまで朝番が続く。
仕事が終わったあとガルグイユ騎士団宿舎の訓練場で手合わせをするのが、ここ最近の日課だった。
「そう。でも団長みたいに『鑑定』持ってないから、気がするだけではっきりしないんだよね」
「団長も細かい数値で見えるわけではないというぞ」
「そっかー。ま、考えても仕方がないことだけどね。俺達に必要な情報なら、団長はちゃんと教えてくれるだろうし」
「だな。それに貴殿の元気が出たのは錬金術師殿が女性だったからではないか? これまでは寂しい男所帯だったからな」
「錬金術師殿は可愛いけど、女の子なら聖女様もいたじゃん」
「む。……ま、まあそうだな」
顔色を曇らせた友人に、騎士団員は顎を捻った。
「もしかしてお前、聖女様苦手? 巨乳派だったよね?」
「確かに聖女様はその、とても魅力的な方だが」
聖女イザベルがダンジョンに『聖域』を張り始めたころ、まだ存在が確認されていなかった横穴からダンジョンアントが逃げ出してきたことがあった。
「自分に襲いかかったダンジョンアントに顔色ひとつ変えず、黄金の腕輪の『アイテムボックス』からご愛用のハンマーを取り出して一撃したことがあっただろう? しかもそのあとで腹ごなしにもならない、と呟かれて」
「うんうん、カッコ良かったよねえ。俺、あれで聖女様有りになったよ」
「貴殿はあれで有りになったのか?」
「お前はなしになっちゃったの?」
「失礼ながら、な。強い女性は魅力的だが、やっぱりダンジョンコアを壊すだけのことはある、と」
「あはは、それは言える。でもそのとき戦ってたのバッドドラゴンだったんでしょ? バッドドラゴンは知能が低く暴食だ。魔力目当てで自分を生み出したコアも齧って弱らせてたんじゃない?」
「そうかもしれないな。……錬金術師殿が変成してくださるのはダンジョンアントのF級魔石だが、バッドドラゴンのS級魔石ならどんな料理になるのだろうか」
「赤くて甘いお菓子だったって」
「なぜ貴殿が知っている?」
問われた騎士団員は、自分が乗っている馬の首を撫でた。
「小休憩のときにコイツの様子見に行ったら団長がいて、話してたら教えてくれた」
「ああ。団長は馬達にも魔石ごはんを与えてくださっているからな」
「コイツらの調子もいいと思わない?」
「それは言える」
「まあ、あのリンゴの形のアップルパイもすっごく美味しかったから、それで元気なのかもしれないけどさ」
「馬も人間も美味に喜ぶ心は……ちょっと待て。貴殿、あのアップルパイを食べたのか?」
「うん。団長に言ったらくれた。俺達は食いしん坊だからって、最初から錬金術師殿が多めに作ってくれてるんだって。黄色い芋ようかんっていうのも美味しかったよ」
「休憩になると馬のところにばかり行っていたのは、そのせいか!」
「結構みんな気づいてきたから、そろそろ奪い合いになりそうなんだよね」
「ぐぬぬ。もっと早く気づいていれば……っ!」
頭を掻きむしる友人を見て、騎士団員は苦笑した。
結局みんなラトニー人だ。
「俺達も馬も元気になったけど、一番元気になったのは団長だよね」
「そうだな。いつも全身鎧を纏ってらっしゃるから表情は見えないが、錬金術師殿が来る前の数日は明らかに覇気を失ってらっしゃった」
「アリの巣殲滅に向けての下準備が上手く行ってないのかと思ってドキドキしちゃったよ」
「貴殿は案外繊細だからな」
「案外ってなんだよ?……錬金術師殿ってさ、ふたりっきりのときは団長のことシオン君って呼んでるんだ。こないだ俺、聞いちゃった」
「シオン卿の聞き間違いではないのか?」
ガルグイユ騎士団団長にしてラトニー王国の王弟コンセプシオンが田舎貴族のシオン卿と名乗って秘密裡に行動していることは、王宮を訪れる貴族達にとっては公然の秘密だ。
コンセプシオンが正体を隠しているのは、あくまで市井の人間に対してである。
「いやー、シオン卿って呼んでおいてタメ口はないだろ」
「……団長にも春が来たのかな」
「エンリケ国王陛下がご成婚なさるまでは難しいんじゃない? セルジオ副団長とかうるさそうだし」
「セルジオ副団長はなあ……団長のことを慕っているのは間違いないとはいえ」
季節は春の半ばだが、少し前から気温は初夏に近かった。
コンセプシオンを慕うセルジオが彼を真似て、見るからに暑苦しい全身鎧姿だったのは記憶に新しい。
もっとも兜をつけていると魔石ごはんが食べにくいという理由で、錬金術師が来てすぐに彼も部分鎧に変えていた。
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