勇者は夢見て強くなる

影狼

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第1話想定外の職業

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〈?????〉
「.....ん」
誰?
「...ぎ.ん!」
この声は....委員長?
「柊くん!!」
「っ!!!」
僕はガバッと起き上がろうとしたが、
何かが唇に触れた。

〈チュッ〉と聞いたことがない音が聞こえた。
ボヤけていた視界がはっきりと見え始める。
....顔?
.....この顔は委員長?
......ち、近い....ん?この感覚..!!!!
そのことに気がついた僕はすぐに委員長から離れる。
「ご、ごめんなさい!!い、今のは事故なんだ!!本当にごめんさない!!」
と言うが委員長は....動かない。
周りのクラスメートはまだ目が覚めていないようだ。
しばらくして
「あ....は.....え?......」と委員長が再起動した。
「い、委員長、さっきは事故なんだ。狙った訳でもなく、自分から行った訳でもない。
ゆ、許しては貰えないかな?」
と言うと委員長は
「さっき?...事故?..!!!」どうやら思い出したようだ。一気に顔が赤くなる。
「い、いえ!あれは私も悪いのです!!
そ、それに私は....(願ったり叶ったりなんて言えない....)」
「も、もしかして.....初めてでしたか?」
と聞くと委員長は赤い顔をさらに赤くさせコクコクと頷く。やってしまった。
クラス内の女神の初キスを....
僕は土下座した。某漫画のようにひたいを地面に擦り付けて。
「ごめんなさぁぁぁぁぁい!!!」
「ふぁ!?き、気にしないで!?」
「だ、だってクラスで一番男子からモテてる
委員長のファーストキスを奪ってしまったんですよ!?気にしない訳ないじゃないですか!!」
と言うと委員長はこう言った
「私は嬉しいんですよ。だって私は....
君のことg(バタァァァアンッ)」
委員長が重要なことを話し始めた時、
僕たちがいる場所の扉が勢いよく開いた。
「成功だ!!!!」と声を上げるドレスを着た金髪少女。
「二人以外は眠ってるな....ふむ、主らは
召喚耐性でもあるのか?」と金髪少女が
ポツリと呟く。
「「召喚...?」」
未だ顔が赤い委員長と声がハモる。

「そうじゃ。よく来たな、異世界の者達よ!
願わくば貴様らの中から勇者がおる事を願っておるぞ?フハハハハ!ケホケホ...」
慣れていないのか、笑っている最中に咳き込んでいる。
そんなこんなしていると委員長が
「あ、あの、勇者...とは?」

「やはりその事を聞くか、だが、それは皆が目覚めてからじゃ。」と金髪少女は言い
ゴニョゴニョとつぶやきはじめた。 
〈@t→|73○〆1÷<」|〆^×☆%〉
なにをつぶやいたのかわからないが
日本語ではない何かなのは確実だった。
「そろそろ目覚めよ。〈モーニング〉」
と言った瞬間に〈カッ〉と閃光が起きた。
僕と委員長は目が眩んだ。すると...
「な、なんだここ!?」
「まさか!い、異世界転移!?ヤターーッ!」
「あ、ありえない....」
「お母さぁぁぁん!!」
と聞こえはじめた。少し時間を置いて
次々と目を覚ましていくクラスメート。
そこに金髪少女が
「皆の者!よく聞け!貴様らの中に勇者がおるかどうかを確認する!我の言う事を行うが良い!
まず、手の甲を確認しろ、紋章があるはずだ。

有るのを確認したら〈ステータス〉と言え。」と言うと各々がステータスと言い始めた。
そして...
「なんか出た!?」
「な、なんだこれ?」
「興味深いな、これ」
「うわっ、名前まで書かれてる!」
「ん?職業?」
「あ、俺格闘家だ。」
「私は占い師だ」
「俺は....獣使い!?俺獣苦手なんだよな」
「.....ふん、狂人か」不良も確認している。
委員長もステータスを見て驚いている。
「ねぇ、私はあんまりこう言うの知らないんだけど〈賢者〉ってあの賢者よね?」
....賢者だった。
僕も手の甲を確認してみる。
紋章があった。なので〈ステータス〉
と言ってみると視界の中に半透明なステータス画面が表示された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
柊結城
レベル1
次レベルまで5ポイント
職業ジョブ

ステータス表記不能
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と書いてある。......な、なんだこれ。
ジョブが不明?
「あ、あの...」と金髪少女に声をかける
「なんじゃ?...まさか勇者か!?」
「い、いえ、僕のジョブ、不明って書かれてるんですけど。」
「不明じゃと?そんなはずは無かろう。絶対にジョブは明かされておるのじゃ。
それとも何か、隠したいジョブか?それとも勇者なのか?」
「だから...ジョブには不明と書かれていますって」
「ふむ....衛兵、この者を捉えて牢に入れておけ。」と言うと衛兵達が扉を開け僕を掴む。
「な、なんで...?」と言うと
「なぜだと?自らのジョブを明かさない者は
拷問してでも口を割らせてやるんじゃよ。
こちらに不利になるジョブやもしれぬのでなぁ」と言って「連れて行け」と言う。

僕は衛兵に連れられ部屋から出された。
その間クラスメイトのみんなから、
なぜか除け者や邪魔者を見るような目を
向けられた。委員長と五十嵐を除いた者全員
が....

〈地下牢〉ー時間不明ー

ぽちゃん.....ぽちゃん....と水の音が響く
薄暗い地下牢に僕は入れられた。その時に
衛兵が「なんでジョブを隠してるんだ?」
などと聞かれたから
「隠していない。本当だ」と言うと
「はぁ...たまに隠そうとするやつがいるんだよ。その成れの果てがお前が今いる牢の奥にいる者たちさ。」
と言い〈ガチャリ〉と鉄格子の鍵を閉める。
「大人しくしておけよ、一応警告しておくぞ。魔法使いや賢者だとしてもこの牢の中では魔法は使えない。わかったな?」
と言われる。ここで抵抗しても無駄だと思ったので
「わかりました。」と言い横になった。
衛兵のガチャンガチャンガチャンと言う鎧の音が闇の中へと消えて言った。

何十分経ったのだろうか、
ガチャリとまた扉が開き、今度は委員長が
檻の中に入れられた。
そのあと兵士達が愚痴をこぼす。
「はぁ、今回は謎ジョブが多いな」
「あの鑑定眼が使えたらなぁ」
「鑑定眼?」と聞くと
「あぁ。鑑定眼だ。ある程度のレベル差の奴ならジョブやレベルを見抜くことができる。」
「ならその鑑定眼持ちで俺たちを見たらいい。」と言う。
「お前らが自分から言ってくれればいい問題だぞ。」
「だから僕は不明と書いてたんだよ!」
「私も不明と書いていました。」
そう訴えているとカツ、カツ、カツと
ヒールの音がして
「もう良い、主らはもう下がれ。我が直々に聴きだそう。」
「「ハッ!」」と言い暗闇の向こうへと姿を消した。
「おい、ヒイラギとやら、お主のジョブは本当に謎だな。鑑定ができん。
それに対してフミズキは賢者か...なぜ君は
賢者と名乗らずに隠した?」
「.....まさかの鑑定眼持ちだったとはな...」
「主は黙っておれ」と言われたのではぁ、とため息をつき黙る。
「私は......あの空間が嫌だったの」
と言い
「なぜそんなに嫌なのだ?.....まさか、主...
この者のこt(がしゃぁぁぁん)」

委員長が鉄格子に体当たりした!?

「なるほど、自分の口から言いたいのか。良かろう、許可する。」
僕は金髪少女の上から目線にイラッとしたが
耐える。すると委員長が
「わ、わた、私は....ひ、柊くんのことが...
す、す...す......(バタン)」
委員長が顔を真っ赤にして倒れた!?
な、何かの魔法か!?
「主、今我が魔法を使ったと思っておるだろうが、我は何もしていない。ただその者が
気を失っただけじゃ。
鍵は開けておる。その娘を担いで早く出てこい。」
.....一体何がしたいのやら...
僕は気絶した委員長を担いでクラスメイト達がいる部屋へと戻った。

戻って早々に
「なんだ、つまみ出されたんじゃなかったのか?はははっ!」と不良に言われた。
すると金髪少女が
「貴様、仲間に対するその言い方はなんだ?
まるでこの者が〈いらない者〉みたいな言い方ではないか。」

「はっ、事実そうだぜ?なんせ〈ザーーーッ〉なんだからよぉ~、」
........原因を言ったのであろうが、脳が勝手に
聞こえないように判断してしまった....
人間の自己防衛本能なのか?

「ほう、この者は貴様にとって〈ザーーーッ〉なのか?」と言いニヤリと笑う金髪少女。
「そうだ。だから気にいらねぇ。」
と言い睨みつけられる。
「そう言うのは互いに解決するが良い....
さて、皆の者!!聞け!!我はこの
〈王都シオン〉の女王。シオン・カロレインである!!!貴様らの中に勇者がいるはずだ!!勇者の称号を持つ者は名乗り出ろ!」と言う。
..........誰も出ない。
「誰も勇者がいないのか!?バカな!
これは勇者召喚の儀...なぜ勇者がいない!?」
静まり返る全員。
「まぁ良い、兵士長を呼べ!」と不機嫌そうに言うシオン
「はっ!!」と兵士が言い兵士長?を呼びに行く。
シオンは「はぁ~」と深いため息をつき言う。
「こんなことがあり得るのか...」と言うと
「勇者じゃなくていいならおれが行くぞ。」と不良が言い始める。
不良に向かってシオンが
「貴様のジョブは?」と問うと
「俺は狂人だ」
「狂人?聞いたことないジョブだな。」
「そうかい、じゃぁ、俺は自由にさせてもらうぞ~」と言い出て行く。
「はぁ、人の話を聞かん奴だ...
良いか、ここには〈化け物〉がいる。
君らにはここを守れるだけの力をつけてもらいたい。安心してくれ。
快適な生活を約束する。」


....嘘だ。このシオンとか言う奴、信用できない。こいつの瞳の奥にどす黒い何ががあるのを先ほどはっきりと見た。

〈こいつは僕たちを利用するだけのために呼び出したっぽいな、だが、勇者は本当に探しているみたいだな、〉
その後数分に渡って明らかな洗脳じみた事をみんなに語りかけていた。聞く耳を持たなかった僕と気絶していた委員長、モンスターの方に興味を示していた巧にこの場から離れている不良には効果がなかった。
洗脳じみた話が終わるとそれぞれ寝室へ案内された。僕は与えられた部屋に入りベットで横になった、そしてそのまま意識を落としたのであった...
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