勇者は夢見て強くなる

影狼

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第2話夢を見る勇者

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〈結城の夢の中〉
......

「..ん?ここは....僕の部屋?....
は、ははっ、やった、戻って来れた...
今の時間は~」

時計を見ると..AM9時..と表示されている。

「.......はぁ!?ち、遅刻じゃないか!!
め、母さんが起こしてくれないって珍しいな...さて、急いで支度しよう...」
と独り言をぼやき、一階へ降り、リビングへのドアを開ける。
そこは......リビングではなく
何かが祀られている祭壇?が有るだけだ。そのほかは暗闇で何も見えない。

「な...なんだここ、気味が悪い......ん?
なんだ?祭壇か...何か刺さっているけど....
まさかね...」と言い祭壇に突き刺さっている
〈錆びきった剣〉を握る。
そして..引っ張る。


シャキンッと音を立てて剣は呆気なく祠から抜けた。すると錆びきっていた剣が
光り、錆びが綺麗に消え去った。
青を基調とされた剣身、白っぽい色の派手でも地味でもない柄、剣の中心部には
赤い線が伸びている。
柄の中央には赤黒い宝石が埋め込まれ、
ただの剣ではないのが見て伺える。

「な、なんだ、この武器、剣....か....
日本刀みたいに片刃じゃなく両刃か...見た目の割には軽いな.....」と言い武器を足元に置く。置いた時に祠に手紙があることに気づいた。
「手紙?なんだろ」
僕はおもむろに手紙を開けて読んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうも。こんばんは、柊クン、災難な君へのプレゼントだよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とだけ書かれていた。
「プレゼント....これがか」
と言って剣を持つ。
「ありがとう」と言って祠に礼をすると
どこからか
(良いよ!)と聞こえた気がした。

僕が剣を持っているといつのまにかに
この剣の鞘が祠の前に備えられていた。
そして(使ってください)と今度ははっきりと聞こえたのだ。
僕は「はい」と言い鞘を取る。
鞘を取ったと同時に現実の意識が覚醒した。

『王都シオン〈シリウス城内〉(自室)』
寝返りをうった結城だが、手に何か異様な感触を覚えて
「ん....んん......ん?」
と声を上げる。寝る前は何も持っていなかったはず...
僕は目を開けて何を持っているのかを確かめる。
手に持っていたものは....夢の中で手に入れた
剣だった。

「え....?」
理解が追いつかずに少しの間固まってしまった。
結城はまさかと思い
「ステータス」を唱える。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レベル1
柊結城(ヒイラギユウキ)
職業ジョブ
ステータス表記不可
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
.......不明から勇者に変わっていた。
まずい...見つかれば絶対に利用される...

「明日のうちにこの国から出るか...」
と言うと
ドアからバタンと音が聞こえた。
「聞かれた!?」と思い、ドアに近づく。
ドアをそっと開き外を見ると....委員長が
居た。そして
「ゆ、結城くん...明日にh(ぐいっ!)」
〈パタン〉
....まずいと思い咄嗟に部屋の中に引き込んでしまった....どうしよう.....と思っていると

「あ、あの...明日には...出て行くとは...?」

「あぁ、委員長、今から言うこと、誰にも言わないでくれるなら詳しく話せるんだ。」
「わかった!誰にも言わない!むしろ墓まで誰にも喋らない!」
僕は心の中でおいおい...と呟いた後に告げる。
「僕のジョブがわかった。」
「えっ.....!?ま、まさか、」
「多分そのまさかで合ってるんだ。」
「「勇者(だ)『ですか?』」」

「この力を悪用されかねないから明日にはここを出て行くんだ。」

「そ、そんな...わ、私もついて行っても良いでしょうか...?」
「....疑われるぞ?」

「良いんです。もともと私の事を友達と思ってくれている人はほぼ居ないですから」
と言いくすっと笑う。

「......わかった。じゃぁ、明日、ここを出て行く。詳しい話は明日話す」

「わかりました!」.....
「私がここに来たのはこの義足に魔法で
バフをかけることができたんです。それも
不破のエンチャントです」

「エンチャントなんかいつの間に使えるようになったんだ?」
「部屋案内が終わり、衛兵さん達と話していると図書室が有ると小耳に挟んだので、図書室でさっきまで本を読んでいました。」

「さっきまでって...部屋案内されてからかなり経ってるんじゃないか?」

「はい。本を読むのは好きなのでつい読み更けてしまいました....」

「そうか.....今日はもう夜遅いから、部屋に戻ったほうがいいと思う。気をつけて戻るんだよ?」

「わかったわ、気遣いありがとうねっ」
と笑顔を見せて自分の部屋へと帰って行った。

「....しかしこの剣、どうしようか...必要な時にだけ出たりとか...〈シュン〉...
消えた!?」
シュン!
フッ...
シュン
フッ...
どうやら必要な時にだけ出せるみたいだ。

「もう一度寝るか....」
と言いベットに横になりもう一度眠った。
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