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私が嫌いなのは鈍感なパパだけ?
しおりを挟む中に入ると二十畳は有るかと思われるリビングの中央には七人程が座れるテーブルと椅子があり壁には五十インチ程有るテレビとヨーロッパ風の食器棚が有った。
|窓際に歩いて行き由姫は自慢げな表情で。
「此処からの景色はとても良いですわよ」
私と美優は驚いた表情で。
「すごいね~ 窓から遠くが見える~」
「凄くいい景色よね、街並みが小さく見える」
続けて由姫は。
「此方はリビングですので、お兄様が帰ってくると皆さん気を遣うでしょうから、私の部屋へ案内いたしますわ」
そう言ってリビングから続く廊下を歩いて行き、奥から二番目のドアを開けて入って行ったので、私たちも続けて入った。
中に入ると中央にはガラスのテーブル、奥にはヨーロッパ風のベッド(待って何か違和感の有るドレッサーが……)辺りを見ていた私は気付いてしまった、壁に直接付けられた両開きの窓の様な物、普通ドレッサーと言えば一体式のはず?
「素敵まるでヨーロッパの貴族みたいな部屋ね」
そこから目線を逸らし誤魔化した。
「由姫ちゃんあれ何?」
指でドレッサーみたいなのを美優が指し示すと、私たちを見ながら矢継ぎ早に語りだした。
「あれはドレッサーの様な物ですわ、私とお兄様のコミュニケーションを取る為の必要不可欠なアイテムですわ、毎日着替えをする際には扉を開けますの」
妙に納得した様に美優は頷いていたが私は心の中で(何で着替えの時に……)と困惑の表情を浮かべながら頷き話を変える様に。
「所で何処に座れば良いのかなぁ~」
「立ち話もなんですからお好きな所にお座りくださいな」
私は入口側に由姫は目の前に美優は右隣に座った。
「では本題にはいりますわ、昨日の遊園地はどうでしたか愛美さん」
「……えっと 普通に楽しかったわよ」
「そうでは無くてお父様とは何処まで行きましたの?」
「遊園地に……」
由姫は昨日の結果を聞いてきたが、手を繋いだだけとは言えず話すのが恥ずかしくて、はぐらかしてしまった。
落胆した様な顔で私を見ながら。
「……はぁ 全く以て何をしているのですか、せっかくのデートだと言うのに私くしなどお兄様に抱擁し、膝枕からの接吻までしたと言うのに」
「……そっ そんな事するの貴女だけでしょう! ゲームとかアニメじゃないんだし」
「美優さんはどう思います?」
「ん~ 有りかな~」
「そうですわよね、愛美さんは真面目すぎますわ、そんな事ではお父様を他の人に取られてしまいますわよ」
そう言いながら真面目な表情でここちらを見ていた、私は浮かない表情で。
「もう直ぐ入学式だしそれまでには…… 何とかしたいかなぁ……」
其の後色々話をして私たちは家まで送ってもらった。
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