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第1章
発情、発情、発情。
しおりを挟む「じ、樹里……ちゃん」
「っ!!見るなバカ!」
慌てて裾を引っ張り隠すがもう遅い。
見られた、見られた、見られた。
「え、えっと……サービス?」
「………」
あまりの恥ずかしさにじわ、と涙が滲む。
私のばか。せめて下着履いておけばまだマシだったのに。
よりによってノーパンとか、変態みたいじゃん。
さらに暴れたせいで持っていたアイスもべちょり。
「あーあ、こぼれた」
「っ、ゆうきのせいだろ!」
棒だけになったアイスを投げつけるとこら、と苦笑いされる。
テーブルにあったティッシュを引き寄せて、そのまま拭いてくれる。
胸元に落ちた青いシミにポンポンと置かれる裕貴の手に心臓が勝手に刻み出す。
焦ってそのまま立ち上がろうとすると、だめと制される。
「おれのせいなんでしょ?だったらおれが綺麗にしないと」
「い、いい……っ」
「じゅーり、大人しくしなさい」
「ひゃ、」
乳首を掠めるように動くティッシュに思わず大げさな声が漏れる。
あまりの恥ずかしさに手で口を覆うと、悪戯な視線とかち合った。
濡れたところの冷たさで敏感になる突起。
何度も掠めるようにそこを刺激されて腰がキュンと疼いた。
何?何されてる、私。
兄、であるはずの男。だけど焦がれて、諦めている相手のこんな行動にいけない何かを期待してしまいそうになる。
混じり合う瞳が、欲情しているように見えてしまうなんて。
「樹里………」
「ん、ぅ」
腰を掴まれてぐっと引き寄せられると、無防備な自分の下半身が裕貴のスウェットに擦れる感覚。
汚してしまうのが、いや、そんな状態なのがバレるのが嫌で慌てて腰を浮かすがまた戻される。
そして耳元で囁かれる名前。樹里。
「ゆ、うき」
「ん?」
裕貴の瞳に自分の顔が映る。
とろりと蕩けて、まるでだらしない。
こんな顔、こいつに見せてるなんて信じられない。
でも、裕貴も同じような顔をしていて、それが全然似ていない2人の共通点みたいで思わずふっと笑みがこぼれた。
「なに笑ってんの」
「別に……ヘンな顔」
「樹里だって……」
「ヘンな顔?」
「してないけど、顔に書いてある」
にぃ、と浮かぶえくぼ。
――おれに、エッチなことしてほしい、って。
◇◇
「ん、っんん…っ、ぁ、あ……」
服の中に忍び込んだ裕貴の指。
そこは樹里の胸の突起をくりくりと弄ったり、指の腹で擦ったりする。
自分でも胸を触ることはあったけど、人にされるとこんなに身体が跳ねてしまうものなのか。裕貴の動かすリズムに合わせて、どうしても息が漏れてしまう。
「樹里、目とろんってしてる…ココ、きもちいい?」
「や、っうるさ…ひぁん」
悪態をつくとすぐに叱るみたいに強く弾かれてしまった。
こんな声、絶対聞かれたくないのに。
馬鹿みたいにぐずぐずの顔だって見ないで欲しいのに、裕貴は悪趣味だ。
自分の膝の上に乗せたまま、じっと覗き込むように、樹里から目を離さないのだ。
少しでも目線を向ければバッチリ視線が絡み合ってしまうから、樹里はさっきから裕貴の喉仏とか唇ばっかり見てしまう。
そして、舌舐めずりする裕貴のいやらしさに、アイスを舐めた長い舌を思い出す。
それだけで、また身体がぴくん…と反応してしまって、もう、本当に嫌だった。
「樹里、あまい匂いする……」
「ァ、アイス…こぼしたから…」
「うん、そうだけど樹里のえっちな匂いも混ざってる感じ」
「ん……」
何それ。
よくわからないのに、柔らかい声でそんなことを言われたらじわと頬が熱くなる。
裕貴はそのまま鼻を寄せるように樹里の鎖骨に顔を埋めてぺろりと舐めた。
味わうみたいに甘く噛まれたり、吸われたりして、その度に力が抜けて行く。
樹里もすぐ下にある裕貴の頭頂部に甘えるように顔を埋めた。
◇
髪の毛が頬を撫でて心地よい。
目を瞑って頭皮や前髪の付け根に無意識に唇を寄せてしまうと、くすぐったいのか少し下にいる裕貴が小さく笑ってさらに腰を引き寄せて来る。
「樹里、ちゅーするならこっちでしょ」
ん、と突き出される唇。
一瞬止まる。そんな、そんな簡単に許されてしまって本当にいいの?
ついさっきまで意識して意識して、それでも触れることは諦めていた身体。唇。ぜんぶ。そんな無防備に明け渡して、この男は本当にわかってるの?
戸惑う樹里が顔を背けようとすると、「だめ」と頬に手を添えられて優しく戻される。
その手はそのまま唇へ移動して、樹里の下唇をつう、と撫でる。その刺激だけで小さく反応する身体が、いかにも待ちきれないと言っているようで恥ずかしかった。
裕貴もそんな様子に気づいたのか、小さく笑う。
「ほら、樹里」
ここまでしておいて、自分からはしないなんてずるい男。
樹里はなんだか悔しくなって、しがみついていた裕貴の二の腕をギュウッと強く握った。
柔和な顔をして逞しいそこは、樹里の手では覆いきれない。
それでも「いてっ」と目を丸くした隙を狙って、顔を傾けて、その半開きになった唇を――奪った。
「ん、」
すぐに離れようと思っていたのに、触れるだけで想像以上に気持ちよくて思わず動けなくなった。
そのまま裕貴の手が樹里の髪の毛に手を差し込んで来て、もう逃げられなくなる。
甘く唇で食まれて、濡れた感触に腰が震える。
さっきまで食べてたアイスの甘さが伝わって来る。
もう、あの味を正気で食べられない。
「樹里、くちあけて」
「ふっ、あ、ぁ…ん、む」
言われるがまま薄く口を開くと、裕貴の熱い舌が差し込まれる。
ビクビクしていた自分の舌と強引に絡められ、それだけで脳みそが痺れてしまうようだった。
息がうまくできなくなって、裕貴の上にぎゅっとすがりつく。
腰も無意識に裕貴のスウェットに擦りつけるように動いて、布ごしの硬い感触にぎくりとなった。
先ほど1人でシていたときに想像していた、あの感触。それが今、自分に興奮して硬くなっていると思うと堪らなかった。
キスは止まらず、部屋には水音と、自分の甘えたような気持ちのわるい声が響く。
舌の先端を甘噛みされながら強く吸われると、未知の感覚に怖くなって思わず身体が逃げてしまう。
もちろん裕貴にすぐに腰を戻されて、逆に股間がぐりぐりと押し付けられるかたちになる。
何度も動くから、もう樹里の服の裾は完全にずり上がってしまっていた。
腰に添えられていた裕貴の手がずり下がり、いつの間にかお尻を撫でている。
「…っ、樹里のお尻、きもちー」
「っは、ん、……む、やぁっ…!」
揉みしだくように掴まれて、抗議の声を上げたいのにそれすらすぐに唇で飲み込まれる。
角度を変えて、さらに奥まで嬲られ、上顎をツゥ…と舌先でなぞられる。
声が出てしまわないように必死に耐えると、どんどん上手く息が出来なくなって、酸欠のような感覚。
なんか、こわい。
回らない頭で必死に自分を保とうとするけれど、もうキャパオーバーだった。
「やぁ、……っ、~~…はなし、てっ…ん…ぅ」
「だぁめ」
そう言って、樹里の舌を一際強く吸ってぢゅうう、と音を立てる。
同時に掴んでいたお尻も強く掴んで、自らの股間に引き寄せて下半身同士を密着させる。
その刺激に樹里のぬるついた秘部がくちゅ、と控えめに音を立てた。
ぐりっとあたる硬い感触にぐりぐりと押し付けられて、敏感な場所が押し潰されてしまう。
「っ!…ひぁっ、」
その瞬間、同時に食まれた唇。
驚いてくねった身体がまた腰を擦り付ける結果になってしまい、その瞬間頭が真っ白になって爪先まで電流が走った。
「~~っ、」
うそ、うそ、こんな。
「今、軽くイったでしょ」
耳元に囁かれて、それだけでまた身体がびくんと反応してしまう。
自分でいじっている時とは、比べものにならないくらいの快感。
まだ身体が痺れているようだった。
こんな、キスだけで……?
整わない息を必死に取り戻しながら、樹里はもう後戻り出来ない事態に戸惑っていた。
裕貴はなぜこんなことをしたのだろう?自分がノーパンでいて、それを見てしまったからついムラっとしてしまった、とかそういうのだろうか。
この兄ならばあり得る、と思ってしまった。
女に対して、全般的にそういうところがあることを自分はよく知っていた。
だとすれば、私が誘ってしまったことになるのかもしれない。
いや、確実にそうだろう。
自ら下半身を見せつけたようなものなのだから。
どうしよう。
こんなことで一線を越えてしまって、自分たちはこれからどうなってしまうのか。
ダメだとわかっていたのに、結局流されたのは自分も同じだから、なかったことにしようと言われてしまえばもう何も反論はできない。
「なあんか、他のこと考えてるでしょ?」
ぎらりと光る大きな瞳。
からかうように歪む雄の顔。
考えていたのは結局裕貴のことなのに、その顔に下半身がきゅんと疼いて何も言えずにコクと息を飲んだ。
「ちゃんと集中しなさい」
叱るみたいに言って、すっと目を細める。
「ひぃん……っ、ふぁ、あ、っだめ」
アイス垂れたとこ、舐めてあげる。
そう言われて足を開かされると、中途半端にソファに預けていた身体がバランスを崩す。
背もたれに身体を預けたまま、脚の間に裕貴が入り込んで、私の秘部をぢゅうう、と甘く吸った。
「っは、びしょびしょ」
「やぁ、っ!ゆう、き……」
信じられない光景だった。
太ももの下に手を差し入れられて、自分の下半身が貢ぎ物みたいに裕貴の顔面に差し出されて。
こんな風に顔を埋めて、舌先でいじられるなんて。
「やぁ…やだぁ、きたないから…っ」
ぢゅ、ちゅ、っぢゅるる…っ、激しくて下品な音。絶対わざとたてられている水音に全身が熱くなる。
固くてぬるぬるになった箇所を強く吸われて、再びの強い快感。
ピクピクと何度も腰が跳ねて、またしても達してしまった。
自分で弄るときとは全然違う、遠慮なく快感を引きずりだされるこの感覚。
こんなの知ってしまったら、もう戻れるわけがない。
「樹里、平気?」
「へ、き……」
真っ赤な顔でくたくたになった樹里をみて、裕貴は心配の度合いを高めたらしく、いつの間にか兄の顔で顔を覗き込んでいた。
自分ではわからなかったが、どうやら数分ぽうっとしてしまっていたらしい。まだ頭がぼんやりしている。頭を大きな手で撫でられて、安心してしまう。
どうにか言葉を伝えたいのに、どんどん裕貴の声が遠くなる。
抗えない急激な眠気。
あ、どうしよう。なにこれ、酸欠とか?
このままじゃ終わっちゃう…いやだ、これが最初で最後のチャンスかもしれないのに。
だからといって、急に素直になんてなれるわけがなかった。
必死に手を伸ばして、水を取りに行こうとする裕貴を引き止めた。
「なに、まだシたいの?」
お兄ちゃんはトイレで一発ヌきますけどね、なんて軽口。
そんなの絶対に嫌だった。最後までシてほしいのに。
にらみつけると、ふっと優しく息を吐いた裕貴の顔が近づいてくる。
こっちだけがワガママ言っているみたいな、そんな優しい顔で笑うなんて卑怯だ。
兄貴みたいな顔して。
さっきまでこの身体にむしゃぶりついてたくせに。
なんでそんな余裕なの?
なんで私ばっかり裕貴が好きなの?
言いたいことを言う前に、閉じそうな瞼に優しくキスをされてそのまま落ちた。
「おやすみ、樹里。」
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