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挑戦状はプレッツェル
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「おいしいんだけどさぁ。」
目の前の美しく弧を描いた物を手で砕きながら、レジナルドは抗議の声をあげた。
「これ絶対俺に対する挑戦状だと思うんだ…。」
「挑戦状?」
気にせずそれをそのままの形で口にしたジークフリートがいい音を立ててプレッツェルをかじった。
「ほら」
大きく口を開けて見せるレジナルドの方を、嫌そうな顔をして見ているのはリーナだ。
「ここ、虫歯あるのわかる?硬い菓子をわざわざ選んだなんて絶対嫌がらせだよ!」
「レジーが甘いものばかり食べているからではないの?」
そう言うリーナが先ほどから食べているのは蜂蜜と砂糖がまぶしてあるプレッツェルだ。
「リーナ様だってそうじゃん?」
「私はレジーより二つ年上だし、第一虫歯はないわ!」
「年は関係ないでしょ?」
レジナルドは小さく砕いたプレッツェルを恐る恐る口にした。
「虫歯が痛むなら今日は食べなければいいじゃないか?」
「だから痛くはないんだけどさ、挑戦状を受け取ったら受けて立たないといけないの!」
レジナルドのプレッツェルもリーナと同じ甘い物が用意してあるようで、荒い砂糖の粒が噛んだ途端ガリッと音を立てた。
「?!」
「レジー?今何か音が…ガリッて…。」
レジナルドは口に入っているものを吐き出す訳にも行かず、どうしようかと一瞬迷った。きっと今のは敗北の音だ…。目でジークフリートに合図をすると手で口元を抑えたまま席を立つ。
「大丈夫だったの?歯が抜けたの?血が出た?」
戻った途端リーナが心配そうな顔をしてまくし立ててきた。
「血はもう止まったし近くにいた侍女に見てもらったから大丈夫だよ。綺麗に抜けちゃったって。」
レジナルドは近すぎるその距離に仰け反るようになりながらリーナをかわすと、ジークフリートの隣の席に戻った。
ジークフリートは穴の空いたプレッツェルをその手で弄びながら退屈そうにしている。
「ジークどうしたの?」
「ん?何が?」
「食べないの?それ。」
「これ?」
ジークフリートは指に嵌めたままのプレッツェルをレジナルドの目の前に差し出した。
「食べ物で遊んだら駄目じゃない!」
「遊んでない、今から食べるから持っているだけだよ。姉上は最近少し怒りすぎじゃないか?さっきはレジーの歯が抜けただけだというのにあんなに大騒ぎして──」
「ジーク!それはレジーには言わなくていいの!」
「?」
ジークフリートは肩を竦めると手にはめたままだったプレッツェルはそのままに、レジナルドの腕をつついた。
「レジー、あっちの噴水でさっきの続きしよう、行くぞ?」
「あ、ちょっと待ってよ!」
何だかよく分からないけれどとりあえずレジナルドは皿からプレッツェルを一掴み取ると、リーナの方をチラッと見ながら背を向けた。しかし一歩踏み出すと思いとどまってリーナを振り向く。ジークフリートに逃げられたリーナは言い過ぎたと思ったのか俯き気味に座ったまま微動だにしない。
「一緒に…来ないの?」
リーナは目を丸くしてレジナルドを見上げた。
「いいの?」
「いいに決まってる、急いで!」
レジナルドはプレッツェルを一つ口にくわえるとにっこりと笑い、先にジークフリートを追いかけ始めた。
「レジー、お行儀悪いわよ!」
追いかけようとしたリーナは皿に残ったプレッツェルを一つ持って行こうかと悩んだが、そのまま何も持たずに二人のもとへ駆けて行った。
目の前の美しく弧を描いた物を手で砕きながら、レジナルドは抗議の声をあげた。
「これ絶対俺に対する挑戦状だと思うんだ…。」
「挑戦状?」
気にせずそれをそのままの形で口にしたジークフリートがいい音を立ててプレッツェルをかじった。
「ほら」
大きく口を開けて見せるレジナルドの方を、嫌そうな顔をして見ているのはリーナだ。
「ここ、虫歯あるのわかる?硬い菓子をわざわざ選んだなんて絶対嫌がらせだよ!」
「レジーが甘いものばかり食べているからではないの?」
そう言うリーナが先ほどから食べているのは蜂蜜と砂糖がまぶしてあるプレッツェルだ。
「リーナ様だってそうじゃん?」
「私はレジーより二つ年上だし、第一虫歯はないわ!」
「年は関係ないでしょ?」
レジナルドは小さく砕いたプレッツェルを恐る恐る口にした。
「虫歯が痛むなら今日は食べなければいいじゃないか?」
「だから痛くはないんだけどさ、挑戦状を受け取ったら受けて立たないといけないの!」
レジナルドのプレッツェルもリーナと同じ甘い物が用意してあるようで、荒い砂糖の粒が噛んだ途端ガリッと音を立てた。
「?!」
「レジー?今何か音が…ガリッて…。」
レジナルドは口に入っているものを吐き出す訳にも行かず、どうしようかと一瞬迷った。きっと今のは敗北の音だ…。目でジークフリートに合図をすると手で口元を抑えたまま席を立つ。
「大丈夫だったの?歯が抜けたの?血が出た?」
戻った途端リーナが心配そうな顔をしてまくし立ててきた。
「血はもう止まったし近くにいた侍女に見てもらったから大丈夫だよ。綺麗に抜けちゃったって。」
レジナルドは近すぎるその距離に仰け反るようになりながらリーナをかわすと、ジークフリートの隣の席に戻った。
ジークフリートは穴の空いたプレッツェルをその手で弄びながら退屈そうにしている。
「ジークどうしたの?」
「ん?何が?」
「食べないの?それ。」
「これ?」
ジークフリートは指に嵌めたままのプレッツェルをレジナルドの目の前に差し出した。
「食べ物で遊んだら駄目じゃない!」
「遊んでない、今から食べるから持っているだけだよ。姉上は最近少し怒りすぎじゃないか?さっきはレジーの歯が抜けただけだというのにあんなに大騒ぎして──」
「ジーク!それはレジーには言わなくていいの!」
「?」
ジークフリートは肩を竦めると手にはめたままだったプレッツェルはそのままに、レジナルドの腕をつついた。
「レジー、あっちの噴水でさっきの続きしよう、行くぞ?」
「あ、ちょっと待ってよ!」
何だかよく分からないけれどとりあえずレジナルドは皿からプレッツェルを一掴み取ると、リーナの方をチラッと見ながら背を向けた。しかし一歩踏み出すと思いとどまってリーナを振り向く。ジークフリートに逃げられたリーナは言い過ぎたと思ったのか俯き気味に座ったまま微動だにしない。
「一緒に…来ないの?」
リーナは目を丸くしてレジナルドを見上げた。
「いいの?」
「いいに決まってる、急いで!」
レジナルドはプレッツェルを一つ口にくわえるとにっこりと笑い、先にジークフリートを追いかけ始めた。
「レジー、お行儀悪いわよ!」
追いかけようとしたリーナは皿に残ったプレッツェルを一つ持って行こうかと悩んだが、そのまま何も持たずに二人のもとへ駆けて行った。
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