王太子殿下は甘い物を召し上がりません!

ゆみ

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帰り道

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「レジナルド様は、どうして婚約者がいらっしゃらないんですか?」
「え、何?いきなりどうしたの?」
 ステーリアの王太子が来てからというもの、セシリアの横には常にレジナルドが張り付くようになっていた。学園からの帰りの馬車の中、ふと会話が途切れた瞬間に、セシリアは前々から気になっていたことを聞いてみようと思い立ったのだった。
「レジナルド様は随分と学園のご令嬢たちの間でも人気があるんですもの。お仕えする殿下よりも先に婚約してはいけない決まりでもあるのですか?」
「昔はそういうのもあったらしいけどね。俺はそういうことは言われたことがないかな。」
「そうなのですか…では、やはりリーナ様…ですか?」
「は?ちょ、ちょっと~!なんでそこで王女殿下?」
 学園では以前から『レジナルドは叶わぬ恋をしている』という噂があった。セシリアの耳に届くくらいなのだから知らない者はいないほど広まっている噂だろう。
「リーナ様とは幼馴染になるのでしょう?」
 レジナルドはジークフリートと常に一緒にいるから普段は目立たないが、これでも公爵令息だ。
「…まぁ、ジークとリーナ王女とはずっと一緒にいるから幼馴染ではあるけど──でもね、俺はそんな風な目で王女殿下を見たことは一度もない!」
「まぁ、一度も…ですか?」
「そう、一度もない!断言できる!!…向こうは意識してたみたいだけどさ──」
 ──?!
「レジナルド様…」
「あ、もちろん昔の話だよ?」
 リーナ王女の方が叶わぬ恋をしていたのか。しかもこの様子だと想いを告げていたということだろうか…。
「リーナ様の方から…何か言われた事があるのですか?」
 セシリアが少し前のめりになった丁度その時、馬車が城門を潜るのが分かった。間もなく王宮に到着するだろう。それに気が付いたレジナルドが意地悪く微笑んだ。
「残念、時間切れかな?」
「──はい。」
 止まった馬車から先に降りたレジナルドが周りを確認するとセシリアの方に手を差し伸べる。ジークフリートとは少し違うが洗練された仕草だ。セシリアが手を借りながら馬車を降りているとレジナルドが耳元で囁いてきた。
「続きが気になるのなら、部屋でじっくりと教えてあげるけど…」
「…あ」
 顔を上げるとそこには出迎えに来てくれたジークフリートの姿が…。
「おかえり、リア。随分楽しそうだね?レジー?」
「「ジーク!」様」
「よかったら私にもじっくりと聞かせてほしいな、レジナルド?」
「あ~もぅ、ジークが名前で呼ぶ時って絶対やばいじゃん…違うって、これは…」
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