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エビマヨ
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最近、好き放題に肉を焼いたり、パンを食べたり、山で見つけたものを色々食べたりしている。
……なのに。
全然太らない。
それどころか、どんどん魔力が増えていく。
今では、鑑定をかけっぱなしのまま、山を歩き続けられるようになっていた。
そんなある日、山でいくつか収穫があった。
・葡萄
・レモン
・トマト
・甘味のある葉っぱ
(これは……いける)
⸻
まずはトマト。
適当な大きさに切って鍋に入れ、火にかける。
塩胡椒を少し、ニンニクも少量。
形がなくなるまで煮詰めるので、しばらく放置。
その間に――
甘味の葉っぱを刻み、熱湯へ。
一煮立ちしたら火を止め、葉っぱを取り出す。
(毒性があるって話、聞いたことあるし)
念のため浄化。
トマトは、煮詰まったところで灰汁を取り、冷ましておく。
⸻
お酢がないので、若い葡萄を砕いて絞る。
少し置いて、上澄みをすくう。
……が、正直面倒なので、これも浄化。
次はマヨネーズ。
・卵の黄身
・塩
・油
・葡萄の汁(酢代わり)
撹拌。
卵は、たまに仕入れているやつをこっそり使う。
まあ、いいだろ。
⸻
食堂で使っているじゃがいもから、日々ちまちまと集めておいたデンプン。
それで作った片栗粉を使う。
昨日仕入れた、エビっぽい魔獣。
5歳児の手のひらサイズ。
それに片栗粉を絡め、多めの油で揚げ焼き。
油をしっかり切っておく。
⸻
ソースを作る。
・マヨネーズ
・レモン汁
・ケチャップ
・葡萄の汁
・甘味のエキス
いい感じに混ぜ合わせて――
エビと和える。
完成。
「……うまそー」
一つ、つまみ食い。
(勝ち)
⸻
余った卵白に、片栗粉と甘味を混ぜ、フライパンで両面を焼く。
皿に乗せるとき、くるっと巻いておく。
食後のおやつ、完成。
さらに、硬いパンを油で揚げて――
エビマヨと一緒に食べる。
うまい。
甘くて、酸っぱくて、フルーティ。
エビがうまい。
硬いパンで一旦休憩して、またエビマヨ。
(無限)
⸻
満足した後は、デザートのクッキー。
紅茶とか、ないのかな。
サクサク、ちょっとカリ。
今まで甘いものがなかったから、
それだけで、すごく幸せ。
(これ、保存できないかな……)
無限に入るカバンとか、あったら最高なんだけど。
⸻
そんなことを考えていたら、横から声がした。
「うま! これなんだ! これも食堂で出していいか!?」
「いいけど……調味料そんなにないから。たくさんは出せないと思うよ」
作り方を説明した結果、
しばらくは家族だけで食べることになった。
⸻
空間魔法のことを考えながら、うたた寝していると――
真っ白な場所にいた。
(あ、懐かしい)
「来たか、涼太くん。楽しんどるかな?」
「とても楽しいです。
何を食べようか考えて、作って、美味しかったときが嬉しくて。
何より、太らないのが最高です」
「おー、喜んでくれたか!」
神様は笑う。
「食べすぎた分は、魔力に変換されるようにしておいたんじゃよ!」
みかんを食べながら、何気ない会話。
そこで、聞いてみた。
「無限に入って、時間が止まるカバンとか……欲しいです」
「そうじゃなぁ」
「“時間停止マジックバッグ”と唱えれば、好きな鞄をそれにできるようにしておこう」
「ただし、その世界では貴重品じゃ。
バレないように使いなさい」
「ありがとうございます!」
「では、そろそろ起きる時間じゃ。また来なさい」
⸻
譲られるような感覚で、目が覚めた。
「こんなところで寝ると風邪ひくぞ。
夜ご飯の時間だ、起きなさい」
焼いた肉。
硬いパンを、味の薄いスープに浸して食べる。
(……柔らかいパンか、ご飯が食べたい)
「父さん、カバンが欲しいんだけど」
すると母さんが言った。
「明日、街に行くわよ? 一緒に行く?」
「やった! 街に行くの初めてだ!」
父さんも続ける。
「マシューが教えてくれたチンジャオロースが人気でな。
売り上げが少し上がったんだ。お小遣いをやるよ」
(あ、俺マシューって名前だった)
生まれてからあんまり呼ばれてない気がするけど……
放任してくれてることに感謝だ。
「やった! 何買おうかなー!」
ワクワクしてくる。
「ちゃんと考えて買いなさいよ」
母さんが、優しい顔で言う。
「わかってるー。おやすみ」
皿を片付けて、明日の街を楽しみに眠りについた。
……なのに。
全然太らない。
それどころか、どんどん魔力が増えていく。
今では、鑑定をかけっぱなしのまま、山を歩き続けられるようになっていた。
そんなある日、山でいくつか収穫があった。
・葡萄
・レモン
・トマト
・甘味のある葉っぱ
(これは……いける)
⸻
まずはトマト。
適当な大きさに切って鍋に入れ、火にかける。
塩胡椒を少し、ニンニクも少量。
形がなくなるまで煮詰めるので、しばらく放置。
その間に――
甘味の葉っぱを刻み、熱湯へ。
一煮立ちしたら火を止め、葉っぱを取り出す。
(毒性があるって話、聞いたことあるし)
念のため浄化。
トマトは、煮詰まったところで灰汁を取り、冷ましておく。
⸻
お酢がないので、若い葡萄を砕いて絞る。
少し置いて、上澄みをすくう。
……が、正直面倒なので、これも浄化。
次はマヨネーズ。
・卵の黄身
・塩
・油
・葡萄の汁(酢代わり)
撹拌。
卵は、たまに仕入れているやつをこっそり使う。
まあ、いいだろ。
⸻
食堂で使っているじゃがいもから、日々ちまちまと集めておいたデンプン。
それで作った片栗粉を使う。
昨日仕入れた、エビっぽい魔獣。
5歳児の手のひらサイズ。
それに片栗粉を絡め、多めの油で揚げ焼き。
油をしっかり切っておく。
⸻
ソースを作る。
・マヨネーズ
・レモン汁
・ケチャップ
・葡萄の汁
・甘味のエキス
いい感じに混ぜ合わせて――
エビと和える。
完成。
「……うまそー」
一つ、つまみ食い。
(勝ち)
⸻
余った卵白に、片栗粉と甘味を混ぜ、フライパンで両面を焼く。
皿に乗せるとき、くるっと巻いておく。
食後のおやつ、完成。
さらに、硬いパンを油で揚げて――
エビマヨと一緒に食べる。
うまい。
甘くて、酸っぱくて、フルーティ。
エビがうまい。
硬いパンで一旦休憩して、またエビマヨ。
(無限)
⸻
満足した後は、デザートのクッキー。
紅茶とか、ないのかな。
サクサク、ちょっとカリ。
今まで甘いものがなかったから、
それだけで、すごく幸せ。
(これ、保存できないかな……)
無限に入るカバンとか、あったら最高なんだけど。
⸻
そんなことを考えていたら、横から声がした。
「うま! これなんだ! これも食堂で出していいか!?」
「いいけど……調味料そんなにないから。たくさんは出せないと思うよ」
作り方を説明した結果、
しばらくは家族だけで食べることになった。
⸻
空間魔法のことを考えながら、うたた寝していると――
真っ白な場所にいた。
(あ、懐かしい)
「来たか、涼太くん。楽しんどるかな?」
「とても楽しいです。
何を食べようか考えて、作って、美味しかったときが嬉しくて。
何より、太らないのが最高です」
「おー、喜んでくれたか!」
神様は笑う。
「食べすぎた分は、魔力に変換されるようにしておいたんじゃよ!」
みかんを食べながら、何気ない会話。
そこで、聞いてみた。
「無限に入って、時間が止まるカバンとか……欲しいです」
「そうじゃなぁ」
「“時間停止マジックバッグ”と唱えれば、好きな鞄をそれにできるようにしておこう」
「ただし、その世界では貴重品じゃ。
バレないように使いなさい」
「ありがとうございます!」
「では、そろそろ起きる時間じゃ。また来なさい」
⸻
譲られるような感覚で、目が覚めた。
「こんなところで寝ると風邪ひくぞ。
夜ご飯の時間だ、起きなさい」
焼いた肉。
硬いパンを、味の薄いスープに浸して食べる。
(……柔らかいパンか、ご飯が食べたい)
「父さん、カバンが欲しいんだけど」
すると母さんが言った。
「明日、街に行くわよ? 一緒に行く?」
「やった! 街に行くの初めてだ!」
父さんも続ける。
「マシューが教えてくれたチンジャオロースが人気でな。
売り上げが少し上がったんだ。お小遣いをやるよ」
(あ、俺マシューって名前だった)
生まれてからあんまり呼ばれてない気がするけど……
放任してくれてることに感謝だ。
「やった! 何買おうかなー!」
ワクワクしてくる。
「ちゃんと考えて買いなさいよ」
母さんが、優しい顔で言う。
「わかってるー。おやすみ」
皿を片付けて、明日の街を楽しみに眠りについた。
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