当たり能力1個より、ハズレ能力10個の方が良いに決まってる

ネムスター

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俺には丁度いい

35話 依存

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とんでもないものを目撃してしまった
これが当たり能力の実態だ
規則で縛るのはいけないことではない
しかし、流石にやりすぎだろう
上限が無い能力を存分に使って暴れているのだ
治安は維持出来るかもしれない
でも、酔った不良たちの安全は脅かされている
彼らも誰かを傷付けた訳では無いのに
流石に厳し過ぎるのではないか

「私、絶対うさぎさんとか出さないからね?」

さっきからずっと呟くように言っている
怖がらせてしまった
本当に申し訳ない事をした
長い廊下は不思議と不安感を与え
木製の壁は妙に無機質な感じが漂っている
せっかくの旅行が台無しじゃないか
明日は遊園地に行こう
妹の気が晴れてくれるなら、なんでもしようか
隣では落ち着かない仕草が止み、小さな寝息が聞こえてくる
俺も目を閉じた
数分が経ってもやはり眠れない
心配している俺が一番怖いんだ
いつもの癖で、俺がもし火を出したら?
結局は俺も能力に頼っている
依存している度合いが違うだけ
料理系の番組で、コンロじゃなくて手に置いている人が居たっけ
俺は表面を炙る程度しかできないけど
何故か肉魚料理が増えたのは事実
気付いていなかったが、俺も能力の虜
いくらリスクがあっても、使っている
使わなくてもいい場面でだ
毎回寒さに悩まされながら料理する意味がどこにある
考えもせず課題を素早くおわらせる意味がどこにある
わざわざ逃げてきたというのに
妹だって怖くても帰りたいと嘆いたりはしていないわけで
このまま旅は続けよう
楽しい事ならいくらでもできる
明日が楽しみになってきた
深く暗い空が目に入る
まるで俺みたいだな
明るいと思ったら、いつの間にか暗くなって

時に泣き出したり、、、
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