悪役転生した奴隷商人が奴隷を幸せにするのは間違っていますか?

桜空大佐

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<第一巻:冷酷無慈悲の奴隷商人>

第九話:奴隷商人の息子は奴隷三人を呼びつける

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 奴隷商ソレの館は、三階建の石造りで元領主の住まいだったことから周囲は高い塀に囲まれている。
 奴隷を置いておくには広さと逃げられにくさも重要だったので、払い下げの話があった時に二つ返事で購入を決めたそうだ。
 そんな話を夕飯の時に父親から聞かされた。
 話を振ったのは俺からだけどね。

 何しろ、この肉体に宿ってから一日も経っていないのだ。
 引きこもりでめんどくさがり屋の俺には、この一日は長かった。
 それでも、見るのも聞くのも新鮮なこの世界は面白い。特に奴隷制度があるのは気に入った。

 俺が夢中でやっていたゲームが、エルフを奴隷化してハーレムを作るという、いわゆるエロゲだったもんだから、このファンタジー世界に来られたのは幸運だったのかも知れない。

 しかし、俺は階段から落ちるという間抜けな状態で死んだ。きっと両親も悲しんでいると思うと、喜んでばかりはいられない。
 俺のパソコン立ち上げたままだし、ゲーム画面のままだから親に俺の趣味がモロバレしたはず。しかも、宅配便でオナホが届いてるはずだし。
 いまさら焦ってもどうしようもないけど……母さん、ほんとゴメンよ。

 ノックする音がして、アルノルトが顔を出す。ちゃんとノックをする習慣が身についてるようで良かった。
 突然ドアを開けられると焦るからさ。何かと都合というものがあるのだよ、男の子には。

「三人をお連れしました」

 うむ、なんてえらそうに頷いて見せたけど、ケモミミ三人娘が入ってきたら、つい鼻の下が伸びる。可愛いな、ケモミミ。

 無色の木綿素材の貫頭衣は、布の穴に頭を入れて腰で縛るだけの簡易なものではなく、きちんとワンピースっぽいデザイン。ただし、胸元が鳩尾みぞおちあたりまでざっくりと開いているもんだから、豊かなお胸がはみ出して見えている。
ちょっと、サービスが過ぎるんじゃないでしょうか?
 売り物の奴隷用の貫頭衣とはいえ、これはちょっと性的アピールが強い気がするんだけど……
 こんなエッチな服を考えた人はエライ!

「私は下がってよろしいでしょうか?」

 一礼して下がろうとするアルノルトを引き止めると、四人に部屋のソファに座るように促す。

「よろしいのでしょうか?」
「かまわん。ゆっくり話がしたい」

 アルノルトはソファに座ると、奴隷ちゃんたちは壁際に並んで立った。俺としては、アルノルトではなく奴隷ちゃんに座って欲しかったんだけど……

「アルノルトさん、なぜそんな真ん中に座るんですかね?」
「あああっ、も、申し訳ありませんでした!」

 飛び上がるように立ち上がると、ソファの端に座り直した。

 壁際に立つ奴隷たちを見ると目を伏せて見ないようにしているが、獅子人族のじゃじゃ馬娘は笑いをこらえているのか肩がヒクヒクと上下していた。

「おい、獅子耳の娘。面白いか?」
「ひゃっ、も、申し訳ありません……」

 アルノルトの驚きようは確かに俺も思わず笑ってしまうところだったから、若い女の子なら笑わずにはいられないだろう。

「獅子耳のお前、こっちに来い」

 どう見ても猫耳だが、本人が獅子というから、あえて獅子耳と呼んだけど、この子の名前はなんだっけ?
 獅子耳の女の子が、苦い顔を一瞬見せたが、一歩前に出る。
 本当は怒らないから怖がらずに、こっちにおいでと言いたいところだが、そんなこと言えるわけもなく、俺はソファに踏ん反り返ったまま、顎をしゃくる。
 それを早く来いと受け取ったのか、足早で近寄ってきた。

「お前の名前は?」
「はい、マリレーネです」

 近くに歩み寄ると床に正座し、静かに名乗った。
 じゃじゃ馬女でも、ちゃんと挨拶はできるんだ。

「お前たちもソファに座れ」

 壁際に立つ他の二人に声を掛け、手でソファを指差す。

「「えっ! いいんですか?」」

 アルノルトまでビックリしてるけど、こっちがビックリだわ。この世界の常識は知らんが、ソファくらい座らせていいよね?

「いいから、さっさと座れ!」
「……はい」

 恐る恐る狐娘のアーヴィアちゃんと、金髪でタレ耳のパオリーアちゃんがアルノルトの隣に座る。
パオリーアちゃんは尻尾の位置が悪かったのか、何度か立ったり座ったりを繰り返して、やっと腰を落ち着けたみたいだ。いったい、どんな尻尾を持ってるのか、あとで見せてもらおう。

「マリレーネが座るところがないな。どうしようか……」
「私は、ここで大丈夫です……」

床に座ったマリレーネが言う。

「そういうわけにはいかん。そうだ! アルノルト、キミは俺の隣に座れ。マリレーネは、アルノルトのところに」

 アルノルトが俺の隣に来て、目の前にケモミミ娘たちが座る。うん、みんな可愛いな。
 こうやって見比べてみると、人間の女の子に動物の耳があるだけでほとんど同じだなあ。
 違うのは尻尾があるくらいか。

「パオリーアは、何族?」
「私は犬人族です」

 間髪入れずに答えたパオリーアをマジマジと見る。
 見た目はかなりの美人さんだ。西欧風のモデル体型って感じで、奴隷にするにはもったいないくらいだ。こんな奴隷が買えるのなら俺が買ってみたい。
 それにしても、犬らしい特徴はあまり感じられない。耳は確かにポインターのような猟犬の耳を彷彿とさせる。
 尻尾はやっぱり犬の尻尾なんだろうか? 

「犬人族の尻尾はどういう形なのだ? 見せてくれないか?」
「えっ?……」

 赤面して俯いたパオリーアちゃんは立ち上がると、後ろを向く。

「ワンピースで尻尾が隠れていて見えん」

 すると、パオリーアちゃんは裾を掴むとグイッと持ち上げて、ゆっくりとめくり上げ始めた。尻ほっぺが見え、そしてお尻が丸見えに!
 さらに、パオリーアちゃんがお尻を突き出したもんだから、慌てた。

「ちょっと、ちょっと……」

 慌てて制止しようとしたけど、何を勘違いしたのかさらに尻をこちらに突き出してくる。
 尻尾を見るより、違うところに目が行くんだけど……

「ありがとう。綺麗な尻尾だね」

 尻尾なんて全く見てないけどね。あそこは大変きれいでした。

 くるっと向き直ったパオリーアちゃんがちょこんと座ると、ペコリと頭を下げて言う。

「はい……あ、ありがとうございます……」

 真っ白なお肌のパオリーアちゃんが、今は真っ赤になってる!可愛いぃー!

「ところで、部屋の方はどうかな? 五人では狭くないか?」

 アルノルトが肘でマリレーネを突っつくと、呆けていたのかマリレーネがスクッと立ち上がり、裾を持ち上げて尻を出そうとする。

「ぬぁっ! ちがう! そうじゃない!」

 こいつ俺の話を聞いてなかっただろう。
 見せてくれるならありがたく拝見するが……いや、さすがにこれ以上のナマ尻は目の毒だ。

「お前、俺の話を聞いてなかっただろ」
「も、申し訳ありませんっ!」

 またもや土下座したマリレーネに、いいからいいからと声をかけてソファに座らせる。土下座するのが当たり前になってるんだろうな。
奴隷をそう躾けた張本人は、何と無く想像できる。
 奴隷だから、それが当たり前なのかもしれんが、卑屈すぎるのもどうなんだろう。

「あそこはずっと空き部屋だから、奴隷たちの部屋にした。もちろん、好きに使っていい。パオリーアはみんなに毎朝起きたらベッドメイクをすること、部屋の掃除を毎日することをみんなに徹底させてくれ」

 パオリーアが、はい喜んで!と張り切る横でマリレーネが不思議そうな顔で俺を見る。
 また、何か勘違いされてるんじゃないか?

「あの……ベッドも使っていいんでしょうか?」
「ああ、かまわない。仲良くみんなで使ってくれ。でも、壊すなよ」
「わかりました。ありがとうございます」

 パオリーアとマリレーネは頭を下げると、アーヴィアも慌てて頭を下げた。

「奴隷は今まで一日のほとんどを、あの汚い小屋で過ごしてきたと思うが、これからは毎日屋敷の掃除など雑務もしてもらう。デルトやアルノルトの指示でやってくれ。わかった?」
「「はいっ!」」

返事がいいね!

 それから俺は、アルノルトに風呂について、親父と相談して決めたことを説明した。

「あの、お風呂はご主人様と同じ風呂に?」
「そうだ。だが、毎日ではない。人数が多いからな。部屋ごとに順番を決めろ。パオリーアが決めたら良い。公平になるようにするんだぞ。それと、毎日交代で風呂の掃除をするように」

 パオリーアは、はいと返事をすると申し訳なさそうに言う。

「今日は水浴びをさせていただいたり部屋を与えてくださったり、それにお風呂まで……あの、私たちはいったい何を……」

 俺はパオリーアが何を心配しているのか分からず、しばらく黙っていた。
 沈黙は数秒だったと思うが、俺の言葉を待つ四人が身を縮こませているところを見ると、どうやら俺が交換条件を出すと思っているようだ。

「別に何も。奴隷は 奴隷商人おれたちにとっては商品だ。特に女は清潔にして美しくしている方が高く売れる。それだけだ」
「わかりました。高く買っていただけるように精進します」

「ああ、そう頼む。では、話はおしまいだ。戻っていいぞ」

 俺は手で下がるようにアルノルトに合図すると立ち上がった。

「ニート様、今夜のご奉仕はどのようにいたしましょう。三人でよろしいでしょうか?」
「は?……」
「……え?」

 ご奉仕って……? 何か頼んでいたか?
 まあ、三人ですれば早く終わるか……

「奉仕作業は三人でやってくれ!」
「はっ!承知しました」

 お前たちは残れ、と奴隷たちに声をかけアルノルトは退室した。
 なんだか嫌な予感……

 案の定、その後はとても気まずい時間が過ぎていった。
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