チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第一章~家臣~

独立、そして改姓4

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刹那は長安に農業経営を教えた。内政に優れた長安は刹那の教える新しいやり方に大いに感銘を受け日々精進し、一ヶ月後には刹那の代行をできるほどになっていた。
また、刹那は水軍の技術を持っている嘉隆に遠江で漁業ができないかと相談し、遠江に水産業を興そうと計画していた。
内政面で、陸海と充実を図ることで両方の相乗効果を狙ったのである。
これまでも漁業は行われていたが、それは海の近くの村の者が暮らすために稼いだ程度のものであったが、刹那は島国の日本にとって海は資源の宝庫なのだから有効に利用するべきだと考えていた。
しかし、これまではその技術を持った者がおらず、計画は刹那の頭の中で頓挫していた。
そんなことを考えている時に偶然にも海に詳しい九鬼嘉隆が家臣へと加わったので刹那は計画を実行した。

嘉隆との相談の末、海近くに住んでいて元から漁業を生業としていた者達に声をかけ刹那は嘉隆を頭とする神威水軍を結成した。
水軍と言っても戦闘に重きを置いたものではなく、集団で大掛かりな漁を行うためのものである。
嘉隆も久々の海と言うことで大いに力を振るうべく奮起した。

また、左近には松平に従った国人衆をはじめ、武士になりたいと希望する者を集めさせ、教育をするように命じた。三河武士は強兵だが、遠江の武士達は長らく今川傘下の元そこまでおおきな争いをしてこなかったので、左近に鍛え直すことを命じたのである。
刹那は左近に自衛隊式の訓練が書かれた本を渡し、このように鍛えてほしいと頼んでおいた。
最初は不思議そうにしていた左近だったが、渡された本を読むとあらゆる状況にも対応できる兵を育てることができると感銘を受け、兵達と共に自らもその訓練に参加した。

上の者が率先して訓練を行っていることで下の者もやらなければ置いていかれるという危機感も生まれ、遠江の兵は三河武士以上の猛者ぞろいとなっていくのである。

農業、水産業、軍力と様々な方面において刹那の能力は発揮され、三河の武将達も我先にと刹那に教えを請うようになっていった。

ある日、元康から岡崎城へ来るようにとの書状が届いた刹那は家臣達に遠江のことを頼むと単身三河へと向かった。

「刹那、わざわざ呼びつけてすまなかったな。」

「いえ、殿のためならいつでも駆けつけて参ります。」

「おとわの様子はどうだ。大事ないか。」

「はい、母子共に健康だと薬師が申しておりました。」

「それはよかった。瀬名が刹那が来たら聞くようにとうるさくてな。」

「ご心配していただきありがとうございます。して、こたびのご要件は。」

「うむ、松平元康と言う名を変えようかと思ってな。」

「それは元康様のお名前を変えると言うことでよろしゅうございますか。元の字を捨て今川との手切れを済ませると。」

「名前も変える。理由は刹那の申す通りだ。だが、松平の姓も変える。」

「なんと変えますか。」

「祖父はずっと新田氏支流世良田氏系統の清和源氏であると言ってきたが正親町天皇に清和源氏の世良田氏が三河の守に任じられたことはないと拒否されていたらしいのだ。故に清和源氏や藤原姓を使えればと思うておる。」

元康の改姓の希望を元より知っていた刹那は妙案を出すような言い方で話始めた。

「殿、でしたら得川姓にまずなさるのが、よろしいかと。」

「得川姓だと?」

「はい。様々な文献を読んでいましたところ、松平氏の祖とされる世良田義季様は得川姓を名乗ったことがあるそうです。また、新田系得川氏が藤原姓を名乗ったことがあるのです。ゆえに殿が得川姓へと復姓なされば、氏を藤原氏としても道理は通るかと存じます。」

刹那の案を聞いた元康は感心したような顔つきで刹那を見た。

「刹那はすごいことを考え付くな。」

「殿が望まれることに善処して取り組むのが私の務めにございますれば。また、得川の得の字を人徳の徳になさるのがよろしいかと進言致します。」

「徳川か。うむ。気に入った。刹那、朝廷への根回しを頼めるか。」

「お任せを。このために献金を重ねて参りましたので。」

その後刹那の根回しにより元康の徳川姓への復姓はかない、氏を藤原氏とし、名を徳川家康と改めた。

また、同時に三河を平定したことを評価され従五位下三河守に斜任されたのである。

ここに徳川三河守家康の誕生である。
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