チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第二章~国持ち大名~

上洛への道4

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それから街道拡張工事は大久保長安を筆頭に石田正澄、鳥居元忠、一門から井伊直親という布陣で行われることになった。

拡張工事の布陣を整えると刹那は以前から行っていたお茶の生産のほうを見るために一路遠江へと向かった。

途中、井伊谷に向かうなど、馴染みの深い村々に顔を出しに行くと総出での歓迎を受けるなど刹那の徳川領内での人気の高さを再確認することになった。

茶葉の生産をさせている村に着くと村長が茶畑を案内してくれた。

「始め全然葉がつかずに失敗ばかりでしたが、ようやく神威様がおっしゃられた状態になりました。」

「よくここまで頑張ってくれました。感謝します。」

刹那はそう言い村長の手を強く両手で握った。

お茶の葉の生産が軌道に乗ったことを確認できた刹那は、次に緑茶と烏龍茶と紅茶の作り方を教えて、それぞれをここの名産として売るように指示を出した。
それを任せられた職人たちは刹那の指示に従いそれぞれの製法を一生懸命勉強した。

完成したお茶は徳川家の主力名産物の1つになり、大名や公家衆がこぞって求めるようになった。
刹那は家康に進言し、緑茶、烏龍茶、紅茶のセットを近衛家や帝へ献上することになった。

この役目は刹那に任せられ、刹那は京に登ることになった。

刹那はまず、普段献金をする時の窓口となっている菊亭晴季の元に顔を出した。

「晴季様、お久しゅうございます。」

「おお、これは刹那殿。こたびはいかがなされましたかな?」

「はい、此度は主、徳川家康の命により参上致しました。」

刹那はそう言うと晴季に桐箱を渡した。

「これはなんですかな?」

「はい、領内で作りました。お茶の詰め合わせでございます。」

晴季は箱を開けて中身を確認した。

「日本茶と、ほかのものはなんですか?見たことがないものですが。」

「はい。緑茶のほかに烏龍茶と呼ばれる茶葉を半分ほど発酵させたものと、紅茶と呼ばれる茶葉を烏龍茶よりも更に発酵させたものでございます。」

「ほう。では味をみるとしましょう。」

それからそれぞれのお茶を飲んだ晴季は感動のあまり言葉が出ないでいたが。正気に戻ると絶賛の嵐であった。

「この紅茶とやらが一番気に入りました。お茶の詰め合わせ、帝にも必ず献上しましょう。普段から献金を積み重ねてる徳川ですから帝も喜んで受け取っていただけるでしょう。」

「よろしくお願い致します。」

刹那は晴季に任せると伊勢へ戻った。

刹那が伊勢に戻ってから少しすると晴季から手紙が来た。

内容は帝と近衛家に献上したお茶についての返書が届くとの言伝だった。

「帝がわざわざ返書を寄越すとは。ずいぶん気に入ってくれたようだな。」

「殿の仕事が実った証拠でございますな。」

左近が紅茶を飲みながらそう言った。
刹那もまた共に紅茶を飲んでいた。

「これを作ったのは遠江の領民達だ。お茶で出る利益が福利厚生の資金になりあの者達に帰るだろう。殿もそこの大切さは理解していただいたから疎かにすることはないからね。」

「今の大殿を作られたは殿や酒井様のお力にございますな。」

「いや、家康様に資質がなければ俺らの言葉など意味をなさなかったさ。俺はあの方を必ず天下人にしてみせる。」

「ならば、殿の支えは私がしっかり務めましょう。」

それから数日後、菊亭の手紙であったように帝からの手紙が京より届いた。

「殿、帝からはなんと。」

「あぁ、どれも素晴らしいお茶である。いままではお茶と言えば緑茶だけだったが、それは朕の間違いであった。烏龍茶と紅茶もそれぞれ良さがありどれも捨てがたい。と書いてある。」

「これで帝御用達の品がまた一つ増えましたな。」

「あぁ、日本において帝の御用達の品の威力は絶大だ。公家衆達の評価を上げることもできるからな。今は織田のこともあるからあまり官位などをもらうのもまずいが、いずれは三河守以上の位もらうつもりだからね。献金などは惜しまない。」

「大殿の官位が上がれば殿にも官位が授与されるのではないですか?」

「俺は別にそんなのいらないよ。殿が天下人になればそれでいいさ。」

「殿は欲がございませんな。」

左近が呆れ気味にそう言うと

「そんなことはないぞ?俺は欲の塊のようなものだよ。民には幸せな暮らしをしてもらいたいし、殿には天下を取ってもらいたい。そして俺の家臣達、その家族、領民、皆を笑顔にする。これほど欲深なやつはいないよ。」

刹那はそう言って笑うのであった。
それを見て左近は、

「そんな殿だからこそ我らも心からお支えしたいと思うのですがね。」

と心の中で思うのであった。

「ん、まだ手紙には続きがあるな。なになに。神威刹那に申す。次に京へ参る時は朕の元に来るように。なっ、なんだとぉぉぉぉぉぉぉ。」

「とっ、殿。そっ、そのような。」

帝本人が誰かを呼び出すことありえない中、刹那が呼ばれることはさすがの刹那も想像していなかった。
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