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第三章~筆頭家老としての行動 関東編~
関東遠征
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浜松城での家康のあの発言から二年後、刹那は兵を引き連れて小田原城を包囲していた。
「伝令、小田原城の北条氏康、岩付城へと逃れました。小田原城落城にございます。」
「ようやく落ちたか。まさか、包囲から半年もかかるとは思わなかったな。」
「いえ、半年で落とせたのはむしろ上出来でしょう。小田原城は天下の名城にございますれば、そう簡単ではございません。」
「しかし、よく二年でここまで完成させたものだ。」
「殿から北条攻略を聞いた時のことは今でも覚えています。」
孫市と丹波が正式に刹那の家臣となったあの日、家康が言った北条攻略はあの時すぐに行われるというものではなかった。
むしろそのために準備をしろと言う意味合いのほうが大きかったのである。
刹那はあの日から孫市には鉄砲の生産、丹波と半蔵には北条やその同盟国などの内部調査、九鬼嘉隆には水軍の強化、左近には自軍の増兵、訓練を、また、昌幸に命じ武田との関係の強化を図った。
本隊においても刹那を筆頭に忠次と忠世、忠勝が中心となり準備を行った。
またこの二年の間に織田は近畿での支配力を強め、今は本願寺との戦いに明け暮れていた。また、姫路のほうまで勢力を伸ばし羽柴秀吉に中国方面軍の総大将を命じ毛利攻めを命じていた。
浅井とは同盟関係を継続しており、朝倉とも友好な関係であった。
また東は徳川が武田と友好な関係にあることから織田も武田と不可侵条約を結んでいた。
徳川の動きが少なかったことを好機と見た勢力拡大に邁進した二年であった。
小田原城を落とした家康の元に安房を治める里見義堯が訪れた。
「お初にお目にかかります。安房の里見義堯と申します。此度は小田原攻略おめでとうございます。少しばかりではございますが、兵糧をお持ちしました。お受け取り下さりませ。」
「うむ。義堯殿かたじけない。して、今回の用向きはどのようなものかな。」
「はい。此度はお願いがあり参りました。」
「願いとはなんだ。」
「はい。此度は徳川様、武田様が合力して北条を攻めているとお伺いしました。つきましてはその軍に我らを同行させていただきたくお願いに参りました。」
「ふむ。味方が増えることは嬉しきことだ・・・」
家康がそう言うと言葉を遮る形で刹那が発言した。
「義堯殿にお尋ねしたい。我らに同行しあなたは何を望まれるのですか。北条と言う強敵を近くに持ちながら安房を治めているほどの人物が得のないことはなさるとは思えません。この同行の裏に何かあるのではないですか?」
刹那がそう言うと義堯は刹那のほうを見てふっと笑みを浮かべた。
「いや、さすがは徳川にこの人ありと言われるお方だ。私の考えなどお見通しですか。」
そこまで言うと義堯は家康のほうに向き直り
「徳川様にお願いがございます。里見家を徳川傘下にお加え願いたい。そして、北条を滅ぼした後に安房、上総、下総の統治を認めていただきたい。」
「今の安房、上総に加え、下総をよこせと言うことだな。」
「はい。その通りでございます。下総は我らが一度手に入れし土地、それをまた北条に奪われて今は安房と上総のみにございます。しかし、我らは下総を手に入れられるならこれより先、徳川家に終生忠誠をお誓い致しましょう。どうか、この願い聞き届けてはいただけませんでしょうか。」
義堯はそう言うと頭を下げた。
家康は目線を刹那のほうに向ける
それを見た刹那が変わりに話始めた。
「義堯殿、終生忠誠を誓うと言う言葉に嘘偽りはございませんね。」
「もちろんにございます。お疑いなら人質をおとりいただいても構いません。」
「わかりました。殿。」
「うむ、里見義堯。これよりは我が傘下に加わり、安房と上総を治めよ。そして、北条を滅ぼし後は下総も加増致す。だが、内政のやり方は徳川の方針に従ってもらう。それで異存ないか。」
「はっ。ありがとうございます。」
「最後にひとつ申し上げておきます。義堯殿。あなたが名将であることは存じておりますが、これより後に良からぬことは考えませぬように。もしも裏切るようなことがありますれば、私が黙っておりませんよ。」
刹那はそう言うと義堯に微笑みを見せた。
その刹那の顔は笑みの中に底知れない恐怖があり、それを感じ取った義堯はすぐにもう一度平伏したのであった。
この事がきっかけとなったかは定かではないが、徳川に服従する勢力の主たちが口を揃えて「あの笑顔を見てから神威殿を裏切ることは死んでもしてはならんと思うようになった。」と言うのであった。
義堯を味方に引き入れた家康は軍をまとめるとそのまま東に進み北条領を侵攻して行った。
その一方、武田軍は沼田城と厩橋城を同時に侵攻して上野においての北条の勢力を無くし上野全てを支配下に治めようとしていた。
「刹那も良く考えたものだ。我らと共に北条を攻めるとは。」
「しかし、その策に乗ることでお館様は上野を手に入れようとしているではありませんか。」
「刹那の策に乗れと申したは幸隆、お前ではないか。」
「武田に取っても良い話でしたので。」
「伝令、小田原城の北条氏康、岩付城へと逃れました。小田原城落城にございます。」
「ようやく落ちたか。まさか、包囲から半年もかかるとは思わなかったな。」
「いえ、半年で落とせたのはむしろ上出来でしょう。小田原城は天下の名城にございますれば、そう簡単ではございません。」
「しかし、よく二年でここまで完成させたものだ。」
「殿から北条攻略を聞いた時のことは今でも覚えています。」
孫市と丹波が正式に刹那の家臣となったあの日、家康が言った北条攻略はあの時すぐに行われるというものではなかった。
むしろそのために準備をしろと言う意味合いのほうが大きかったのである。
刹那はあの日から孫市には鉄砲の生産、丹波と半蔵には北条やその同盟国などの内部調査、九鬼嘉隆には水軍の強化、左近には自軍の増兵、訓練を、また、昌幸に命じ武田との関係の強化を図った。
本隊においても刹那を筆頭に忠次と忠世、忠勝が中心となり準備を行った。
またこの二年の間に織田は近畿での支配力を強め、今は本願寺との戦いに明け暮れていた。また、姫路のほうまで勢力を伸ばし羽柴秀吉に中国方面軍の総大将を命じ毛利攻めを命じていた。
浅井とは同盟関係を継続しており、朝倉とも友好な関係であった。
また東は徳川が武田と友好な関係にあることから織田も武田と不可侵条約を結んでいた。
徳川の動きが少なかったことを好機と見た勢力拡大に邁進した二年であった。
小田原城を落とした家康の元に安房を治める里見義堯が訪れた。
「お初にお目にかかります。安房の里見義堯と申します。此度は小田原攻略おめでとうございます。少しばかりではございますが、兵糧をお持ちしました。お受け取り下さりませ。」
「うむ。義堯殿かたじけない。して、今回の用向きはどのようなものかな。」
「はい。此度はお願いがあり参りました。」
「願いとはなんだ。」
「はい。此度は徳川様、武田様が合力して北条を攻めているとお伺いしました。つきましてはその軍に我らを同行させていただきたくお願いに参りました。」
「ふむ。味方が増えることは嬉しきことだ・・・」
家康がそう言うと言葉を遮る形で刹那が発言した。
「義堯殿にお尋ねしたい。我らに同行しあなたは何を望まれるのですか。北条と言う強敵を近くに持ちながら安房を治めているほどの人物が得のないことはなさるとは思えません。この同行の裏に何かあるのではないですか?」
刹那がそう言うと義堯は刹那のほうを見てふっと笑みを浮かべた。
「いや、さすがは徳川にこの人ありと言われるお方だ。私の考えなどお見通しですか。」
そこまで言うと義堯は家康のほうに向き直り
「徳川様にお願いがございます。里見家を徳川傘下にお加え願いたい。そして、北条を滅ぼした後に安房、上総、下総の統治を認めていただきたい。」
「今の安房、上総に加え、下総をよこせと言うことだな。」
「はい。その通りでございます。下総は我らが一度手に入れし土地、それをまた北条に奪われて今は安房と上総のみにございます。しかし、我らは下総を手に入れられるならこれより先、徳川家に終生忠誠をお誓い致しましょう。どうか、この願い聞き届けてはいただけませんでしょうか。」
義堯はそう言うと頭を下げた。
家康は目線を刹那のほうに向ける
それを見た刹那が変わりに話始めた。
「義堯殿、終生忠誠を誓うと言う言葉に嘘偽りはございませんね。」
「もちろんにございます。お疑いなら人質をおとりいただいても構いません。」
「わかりました。殿。」
「うむ、里見義堯。これよりは我が傘下に加わり、安房と上総を治めよ。そして、北条を滅ぼし後は下総も加増致す。だが、内政のやり方は徳川の方針に従ってもらう。それで異存ないか。」
「はっ。ありがとうございます。」
「最後にひとつ申し上げておきます。義堯殿。あなたが名将であることは存じておりますが、これより後に良からぬことは考えませぬように。もしも裏切るようなことがありますれば、私が黙っておりませんよ。」
刹那はそう言うと義堯に微笑みを見せた。
その刹那の顔は笑みの中に底知れない恐怖があり、それを感じ取った義堯はすぐにもう一度平伏したのであった。
この事がきっかけとなったかは定かではないが、徳川に服従する勢力の主たちが口を揃えて「あの笑顔を見てから神威殿を裏切ることは死んでもしてはならんと思うようになった。」と言うのであった。
義堯を味方に引き入れた家康は軍をまとめるとそのまま東に進み北条領を侵攻して行った。
その一方、武田軍は沼田城と厩橋城を同時に侵攻して上野においての北条の勢力を無くし上野全てを支配下に治めようとしていた。
「刹那も良く考えたものだ。我らと共に北条を攻めるとは。」
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