46 / 157
第四章~内務~
妊娠、そして結婚へ3
しおりを挟む
「そのようなこと考えてもおりませぬよ。」
「心配せんでも徳川は同盟国だ。何か起こそうという気はないわ。返り討ちにあうのが目に見えているしな。こたびはな、信康殿に縁組を持ちかけにきたのだ。」
「若様にでございますか?」
刹那はついに来たか内心では思いながらも初めて聞いたような対応をした。
「織田と徳川が更に深い絆で結ばれるためには婚礼こそ大事だとな。」
「それは良いお話だと思いまする。殿にはお話になられたので?」
「いや、明日話すことにしている。その場に刹那もおれ。」
「承知致しました。」
刹那から承諾を得ると信長は家康の元に向かった。
その後も傘下の当主が刹那の元に来て酒を酌み交わしていった。
その中で、刹那は北条氏康との話の時に配下に加えたいと考えていた数人の名前を出した。
すると氏康は「刹那殿に見込まれるほどの人物が当家におりましたか。」と喜んで刹那の元に差し出すように手配してくれた。
もちろん、刹那はその者らが納得して来てくれるのであればと言ったのだが、氏康曰く嫌がるものはいないだろうとのことであった。
刹那が北条家からほしいと思って氏康に相談した人物は、北条綱成の子北条康成、成田長親の二人であった。
刹那は無理を聞き入れてくれたお礼にと皇室御用達となったお茶のセットを帰る時に持って帰ってもらえるように手配した。
それを飲んだ氏康は紅茶にハマったと刹那は後々耳にした。
ほかの諸将にも土産品を用意し、徳川家の威光と繁栄ぶりをアピールした。
翌日、朝餉の席には幸隆と信玄も同席していた。
刹那は昌幸に同席する許可を与え、珍しく大人数での食事になった。
普段食事をともにするのは刹那と妻のおとわ、息子の直虎、そして給仕をしてくれるお菊が刹那の配慮で朝餉をともにすることが普通であった。また、夜は家臣が招待され飲みを合わせた夕食になることもあるが、朝でこの人数は珍しいことであった。
給仕をしているお菊も人数が多いこともあって今日は相当張り切っている様子だった。
信玄と幸隆は朝から空に夢中で、傍から見たら本当に甲斐と信濃を治める領主とそれを補佐する参謀なのかと疑うレベルであった。
「空姫ー、信玄の爺じゃぞー。」
「真田の爺様もおるぞー。」
二人の爺様を見て朝から空も笑顔で、二人はもうメロメロといった感じであった。
「信玄様、幸隆殿、朝餉の用意ができました。どうぞお召し上がりください。」
刹那がそう言うと名残惜しそうにしながら席に着いた。
「刹那殿、空姫の婿はさぞかし立派な者でなければわしが許さんぞ。この甲斐の虎が認める男でなければな。」
「これはこれは、ずいぶんな難題でございますな。信玄公を納得させられるような男子など、いつになったら出会えるのでしょう。」
「殿、空が嫁に行きそびれるなどかわいそうなことになる前に良き婿を見つけてくださいね?」
「うっ、うむ。努力する。」
おとわの言葉に汗をかきそうになる刹那であった。
「して、刹那殿、直虎殿が元服なされたのを機会に直虎殿の嫁探しなどをされてはいかがかな?」
「そうでございますね。しかるべき姫を見つけねばなりませぬな。ちなみに、直虎よ。」
「はい。なんでしょうか父上?」
「お主、好いている女子などはおるか?」
「いえ、今はございません。」
「そうか。では、候補を見繕う故、お前が気に入れば嫁にすると言うのはどうだ?私はおとわを嫁にしたのは好いておったからだ。直虎も好いた女子と結婚するのが一番良い。」
「はい。楽しみにしております!」
「武田家からも良き姫がおれば出すぞ?」
「ありがとうございまする。」
こうして急務ではないにしろ直虎の嫁探しも始まったのである。
朝餉を済ませると信玄と幸隆は直虎の嫁探しだと領国へ帰って行った。
刹那は支度を済ませると家康の元に向かい、信長が来るのを待った。
「家康殿、待たせてすまなかったな。」
「いえ、してこたびはどのようなお話で?」
「うむ。信康殿に我が娘の徳姫を輿入れさせたいと思ってな。」
「信康に徳姫をでございますか。」
「うむ。両家の絆を深めるためにも是非にと思うのだが、いかがだろうか?」
信長にそう提案された家康はちらっと刹那のほうを向いた。
家康に視線を向けたら刹那は黙ったまま静かに頷いた。
「では、良しなにお願い致します。」
「そうかっ。良かったわ。では我も城に戻り徳に輿入れの支度をさせるとする。」
そう言って信長も帰って行った。
「刹那、よかったのか?」
「はい。嫁をもらうことは問題がないと判断致しました。」
「心配せんでも徳川は同盟国だ。何か起こそうという気はないわ。返り討ちにあうのが目に見えているしな。こたびはな、信康殿に縁組を持ちかけにきたのだ。」
「若様にでございますか?」
刹那はついに来たか内心では思いながらも初めて聞いたような対応をした。
「織田と徳川が更に深い絆で結ばれるためには婚礼こそ大事だとな。」
「それは良いお話だと思いまする。殿にはお話になられたので?」
「いや、明日話すことにしている。その場に刹那もおれ。」
「承知致しました。」
刹那から承諾を得ると信長は家康の元に向かった。
その後も傘下の当主が刹那の元に来て酒を酌み交わしていった。
その中で、刹那は北条氏康との話の時に配下に加えたいと考えていた数人の名前を出した。
すると氏康は「刹那殿に見込まれるほどの人物が当家におりましたか。」と喜んで刹那の元に差し出すように手配してくれた。
もちろん、刹那はその者らが納得して来てくれるのであればと言ったのだが、氏康曰く嫌がるものはいないだろうとのことであった。
刹那が北条家からほしいと思って氏康に相談した人物は、北条綱成の子北条康成、成田長親の二人であった。
刹那は無理を聞き入れてくれたお礼にと皇室御用達となったお茶のセットを帰る時に持って帰ってもらえるように手配した。
それを飲んだ氏康は紅茶にハマったと刹那は後々耳にした。
ほかの諸将にも土産品を用意し、徳川家の威光と繁栄ぶりをアピールした。
翌日、朝餉の席には幸隆と信玄も同席していた。
刹那は昌幸に同席する許可を与え、珍しく大人数での食事になった。
普段食事をともにするのは刹那と妻のおとわ、息子の直虎、そして給仕をしてくれるお菊が刹那の配慮で朝餉をともにすることが普通であった。また、夜は家臣が招待され飲みを合わせた夕食になることもあるが、朝でこの人数は珍しいことであった。
給仕をしているお菊も人数が多いこともあって今日は相当張り切っている様子だった。
信玄と幸隆は朝から空に夢中で、傍から見たら本当に甲斐と信濃を治める領主とそれを補佐する参謀なのかと疑うレベルであった。
「空姫ー、信玄の爺じゃぞー。」
「真田の爺様もおるぞー。」
二人の爺様を見て朝から空も笑顔で、二人はもうメロメロといった感じであった。
「信玄様、幸隆殿、朝餉の用意ができました。どうぞお召し上がりください。」
刹那がそう言うと名残惜しそうにしながら席に着いた。
「刹那殿、空姫の婿はさぞかし立派な者でなければわしが許さんぞ。この甲斐の虎が認める男でなければな。」
「これはこれは、ずいぶんな難題でございますな。信玄公を納得させられるような男子など、いつになったら出会えるのでしょう。」
「殿、空が嫁に行きそびれるなどかわいそうなことになる前に良き婿を見つけてくださいね?」
「うっ、うむ。努力する。」
おとわの言葉に汗をかきそうになる刹那であった。
「して、刹那殿、直虎殿が元服なされたのを機会に直虎殿の嫁探しなどをされてはいかがかな?」
「そうでございますね。しかるべき姫を見つけねばなりませぬな。ちなみに、直虎よ。」
「はい。なんでしょうか父上?」
「お主、好いている女子などはおるか?」
「いえ、今はございません。」
「そうか。では、候補を見繕う故、お前が気に入れば嫁にすると言うのはどうだ?私はおとわを嫁にしたのは好いておったからだ。直虎も好いた女子と結婚するのが一番良い。」
「はい。楽しみにしております!」
「武田家からも良き姫がおれば出すぞ?」
「ありがとうございまする。」
こうして急務ではないにしろ直虎の嫁探しも始まったのである。
朝餉を済ませると信玄と幸隆は直虎の嫁探しだと領国へ帰って行った。
刹那は支度を済ませると家康の元に向かい、信長が来るのを待った。
「家康殿、待たせてすまなかったな。」
「いえ、してこたびはどのようなお話で?」
「うむ。信康殿に我が娘の徳姫を輿入れさせたいと思ってな。」
「信康に徳姫をでございますか。」
「うむ。両家の絆を深めるためにも是非にと思うのだが、いかがだろうか?」
信長にそう提案された家康はちらっと刹那のほうを向いた。
家康に視線を向けたら刹那は黙ったまま静かに頷いた。
「では、良しなにお願い致します。」
「そうかっ。良かったわ。では我も城に戻り徳に輿入れの支度をさせるとする。」
そう言って信長も帰って行った。
「刹那、よかったのか?」
「はい。嫁をもらうことは問題がないと判断致しました。」
5
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる