チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第五章~近畿大波乱~

織田包囲網始動3

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家康のこの言葉に諸将は驚いた。
普通であれば私情は捨て、お家のために戦働きを命じるものである。
しかし家康はそれとは真逆に寝返らせ味方にしろと言う方法に出た。

家康がそう言って少しの間があった後に刹那が声を出し

「諏訪家の勝頼殿、真田家の信綱殿には既に書状を送ってあります。」

と軍議の場で知らせた。

それを聞いた諸将の中で武田に友や身内がいるものが次々に声を出し密書を送ることを知らせた。

「皆、わしの名を出してかまわん。家康の名の元に寝返りし者の本領を安堵すると文に記せ。少しでも助けたくば必死に寝返らせるのだ。よいなっ!!」

「「「「「はっ。」」」」」

こうして家康は出陣を少し先延ばしにする形にしその間に武田の戦力を書状を用いて減らすことにした。

その軍議から3日後、刹那の元に勝頼と信綱からの返書が届いた。

「殿、書状にはなんと。」

「うむ。まず勝頼殿の書状には今回の織田包囲網への参加は知らされてなかったようだ。勝頼殿は義信殿に考え直すように説いたが認められなかったようだ。それで勝頼殿は我らが攻めて来るのであればそれに加わりたいとのことだ。」

「おお、勝頼殿は我らにお味方致すと。」

それを聞いた海玄は少しほっとしたような表情を浮かべた後

「殿、勝頼はわしが武田の当主にしようかと悩んだ男だ。存分に使ってやってくだされ。」

「ええ。頼りにしています。そして信綱殿の書状だが。武田は兵をまとめ岐阜を目指すつもりらしい。信綱殿は具合が悪いと言ってその軍には参加しないようにしているとのことだ。」

「我らが敵対するとは思ってなかったのでしょうか。」

「それはないだろうが、どうやら甘く見られているのかもしれないね。それか織田を倒せば徳川は恐れて武田を攻めてこないと踏んだかってところだろう。」

「あのバカ息子めが。あれほど殿のことを甘く見てはならんと口をうるさくして申したのにわしがいなくなったと思ったらそんな諫言も忘れてしもうたのかっ。殿、神威軍の先陣はわしに任せてはいただけないだろうか?」

「息子との戦です。辛い役割ではありませんか?」

「あのような馬鹿者。息子ではもうありませぬ。どうか、わしに先陣を賜りたく。」

刹那は少し考えてから

「わかりました。我らの先陣は海玄に任せます。望む兵数を持って戦に望んでください。」

それから数日後、家康がまた軍儀を開き、そこで出陣の日取りを3日後と決めた。
軍儀の中で武田の家臣の中から数名がこちらに寝返ることを知らせてきたとの報告もあがり徳川の士気は高くなった。

「皆、思う存分戦うのだっ。」

出陣の日を迎え徳川軍総勢10万の軍勢が武田へと進攻を開始した。

忠勝を総大将とする関東勢3万が上野へ、刹那が率いる神威軍2万が甲斐へ、そして家康率いる本隊5万が遅れて甲斐へ進む手筈となった。

また、途中で諏訪勝頼が合流することになっていた。

「海玄、殿から先陣を賜ることが出来たから好きにやってくれて構いません。」

「殿、ありがたき幸せ。甲斐は誰よりも存じておりますので必ず勝利をお届け致します。」

海玄はまずは躑躅々崎館を抑えるべきだと進言し刹那はそれを許可した。

「海玄、躑躅々崎館を抑えれば甲斐は抑えたも当然と言うのはどうゆうことなのか教えてもらえるか?」

「わしがどうして堅牢な城ではなく躑躅々崎を拠点としたか。それはあそこが経済の中心で甲斐にとっての要所となっていたからじゃ。逆を言えば甲斐の一番の弱点とも言える。あそこを抑えられると諸将の間での連絡が取りづらくなる。」

「だが、義信とてそれは知って十分な兵力を置いているのではないか?」

刹那がそう言うと丹波が現れ

「殿、海玄殿に頼まれて調べてきたが、どうやら義信は本拠を深志城に移してそこの防衛を強化したようですぞ。」

「ということは躑躅々崎館の守りは薄くなっているのか。」

「躑躅々館の守りは原昌胤が3000の兵を率いて守っている。」

「昌胤か。あやつは兵の扱いに長けている。油断はできませんな。」

「確かに原昌胤は優秀な人物だと聞いている。海玄、どのように攻める?」

「まずは降伏の使者を立てて見ますかな。あいつとの戦、こちらの兵も無傷ではすみませぬゆえ。」

「そうか。では使者を誰がやる。」

「殿、それはわしが行きましょう。」

「海玄がか。だが、お前は死んだことになっているもしバレてしまえば武田のほうに情報がもれてりまわぬか。」

刹那がそう言うと海玄は

「成功すれば昌胤をこちらに率い入れることができる。ダメであればそれはそれで使い道がございますよ。」

海玄はそう言うと陣を出て自ら使者として出向いていった。

「殿、よろしいので?海玄殿に行かせてしまって。」

「あぁ。あの信玄公があそこまで言うのだ。何か考えがあるのだろう、ここは任せよう。」
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