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第五章~近畿大波乱~
織田包囲網始動4
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海玄が単身で躑躅々崎館に使者として出向いてから海玄が戻ってきたのは翌日のことであった。
家臣達は「殺されたのかもしれない。」「海玄様の仇討ちだ。」と騒ぐ者もいたが、刹那はそれを沈めさせ海玄が帰ってくるのを待った。
「殿、遅くなりました。館へお越しくださいませ。」
「ということは海玄、やったのだな?」
「はい。説き伏せましてございます。」
刹那達が館に入ると原昌胤が下馬した状態で待っていた。
「お初にお目にかかります。原昌胤にございます。」
「徳川家家臣、神威刹那です。このたびは降伏を受け入れていただき感謝します。」
「なんの、信玄公に刃を向けることなどできませぬ故、ささ、どうぞ中へお入りください。」
刹那は館の大広間に入ると上座に進められ鎮座した。
刹那の計らいで隣には海玄が座った。
その姿を見た昌胤は歓喜し涙を流した。
「お館様じゃ。お館様が帰ってこられた。」
「昌胤、今のわしはお館様ではない。刹那殿に仕える信濃海玄じゃ。そのことを忘れるでないぞ!」
「まぁ、まぁ、ここは信玄公でよいではないですか。せっかくの躑躅々崎館の中なんですから。」
刹那が微笑みながらそう言うので海玄も頭をポリポリと書きながら
「昌胤、息災であったようでなによりじゃ。」
と元家臣にねぎらいの言葉をかけた。
「もったいなきお言葉かたじけのうございます。しかし義信様をお留めする事ができず、悔しいばかりでございます。」
その言葉を聞いた刹那は
「昌胤殿、つまりあなたは織田包囲網に参加することに賛成ではなかったと言うことですか?」
「はい。私は織田との同盟もあり、徳川家との婚姻関係もありましたので、反対致しておりました。お館様は徳川殿と仲良くすることこそ武田が安寧である道だとおっしゃっておりましたので。」
「そうでしたか。昌胤殿以外に参加を反対して家臣はおりますか?」
「はい。お館様の側近でありました。武田四天王の山県昌景殿、内藤昌豊殿、馬場信春殿、高坂昌信殿の四名は反対されておりましたが、ほかの大多数が義信様のご機嫌を取るべく賛同しておりました。」
その状況を聞いた刹那は少し考え
「海玄、武田四天王を引き抜けませんか?」
そう海玄に聞いたのである。
刹那のその問いに海玄は
「わしが会うことができれば可能かもしれませぬ。だが、丹波や半蔵を使って書状と届けようともわしの字を真似たものの書状としか思わんでしょう。わしは死んだ身ゆえ。」
「そうですよね。武田四天王を味方にできれば勝頼殿のためにもなると思ったのですが。」
刹那のその発言に疑問を感じた昌胤は問いかけた。
「刹那殿、勝頼様のためとはどうゆう意味でございましょうか?」
「ん?あぁ、勝頼殿は信玄公が生きていることを知ってまして、今回もこちらに加わるてはずになっているのです。」
「そっ、それはまことにございますかっ!!」
「はい。勝頼殿が我らについた時にその補佐をしてくれる武将がほしいと思っていたのです。」
それを聞いた昌胤は再度頭を下げ
「刹那殿、某が馬場殿、高坂殿、山県殿、内藤殿に繋ぎを作ります。いえ、作らせてくださりませ。」
そう言った昌胤に刹那は近づき頭を上げさせると
「昌胤殿、お願いします。」
そう一言述べた。
それから昌胤は四人に書状を書き内密に話をしたいことを伝え躑躅々崎館に招いた。
それから数日、武田四天王の四人は館に訪れた。
刹那達は警戒されないように兵を引き、残ったのは刹那と海玄だけであった。
「昌胤、我らを呼び出すとはどうゆうようだ。しかも義信様に秘密にしてとは。」
「高坂殿の疑問もよくわかります。しかし、ぜひあってほしいお方がおりまして皆様をお呼び致しました。」
「ええぃ、昌胤、回りくどい言い回しはやめよ。わしらを誰に会わせようとも織田になびくことはないぞ。亡きお館様に忠誠を誓った我らは例え義信様が誤った道を進もうとも死ぬまで忠誠をお誓いしておるのだ。」
昌景がそう言い終えると同時ほどに
「昌景よ、お前はあいかわらずよのぉ。」
そう声が聞こえた。
隣の部屋に潜んでいた海玄が昌景達の前に姿を現したのだ。
「「「「お館様っ!!」」」」
四将は思わず声を合わせてそう叫んだ。
「昌信、信春、昌景、昌豊。息災のようじゃな。」
「おっ、お館様がなぜここに。わしらはお館様の霊でも見ておるのかっ!」
「いいえ、皆様が見ているのは本物の信玄公ですよ。」
刹那はそう言いながら海玄の後ろから姿を現した。
「お主は、神威殿か!!」
「高坂殿、お久しぶりです。」
四天王の中で唯一刹那と面識のあった昌信がそう声をかけた。
「どうゆうことじゃ、なぜにお館様と刹那殿がここに?」
それから刹那は事の顛末を四人に話した。
始めは信じられなさそうにしていた四人も現にここに信玄がいることもあり信じないわけにはいかなかった。
家臣達は「殺されたのかもしれない。」「海玄様の仇討ちだ。」と騒ぐ者もいたが、刹那はそれを沈めさせ海玄が帰ってくるのを待った。
「殿、遅くなりました。館へお越しくださいませ。」
「ということは海玄、やったのだな?」
「はい。説き伏せましてございます。」
刹那達が館に入ると原昌胤が下馬した状態で待っていた。
「お初にお目にかかります。原昌胤にございます。」
「徳川家家臣、神威刹那です。このたびは降伏を受け入れていただき感謝します。」
「なんの、信玄公に刃を向けることなどできませぬ故、ささ、どうぞ中へお入りください。」
刹那は館の大広間に入ると上座に進められ鎮座した。
刹那の計らいで隣には海玄が座った。
その姿を見た昌胤は歓喜し涙を流した。
「お館様じゃ。お館様が帰ってこられた。」
「昌胤、今のわしはお館様ではない。刹那殿に仕える信濃海玄じゃ。そのことを忘れるでないぞ!」
「まぁ、まぁ、ここは信玄公でよいではないですか。せっかくの躑躅々崎館の中なんですから。」
刹那が微笑みながらそう言うので海玄も頭をポリポリと書きながら
「昌胤、息災であったようでなによりじゃ。」
と元家臣にねぎらいの言葉をかけた。
「もったいなきお言葉かたじけのうございます。しかし義信様をお留めする事ができず、悔しいばかりでございます。」
その言葉を聞いた刹那は
「昌胤殿、つまりあなたは織田包囲網に参加することに賛成ではなかったと言うことですか?」
「はい。私は織田との同盟もあり、徳川家との婚姻関係もありましたので、反対致しておりました。お館様は徳川殿と仲良くすることこそ武田が安寧である道だとおっしゃっておりましたので。」
「そうでしたか。昌胤殿以外に参加を反対して家臣はおりますか?」
「はい。お館様の側近でありました。武田四天王の山県昌景殿、内藤昌豊殿、馬場信春殿、高坂昌信殿の四名は反対されておりましたが、ほかの大多数が義信様のご機嫌を取るべく賛同しておりました。」
その状況を聞いた刹那は少し考え
「海玄、武田四天王を引き抜けませんか?」
そう海玄に聞いたのである。
刹那のその問いに海玄は
「わしが会うことができれば可能かもしれませぬ。だが、丹波や半蔵を使って書状と届けようともわしの字を真似たものの書状としか思わんでしょう。わしは死んだ身ゆえ。」
「そうですよね。武田四天王を味方にできれば勝頼殿のためにもなると思ったのですが。」
刹那のその発言に疑問を感じた昌胤は問いかけた。
「刹那殿、勝頼様のためとはどうゆう意味でございましょうか?」
「ん?あぁ、勝頼殿は信玄公が生きていることを知ってまして、今回もこちらに加わるてはずになっているのです。」
「そっ、それはまことにございますかっ!!」
「はい。勝頼殿が我らについた時にその補佐をしてくれる武将がほしいと思っていたのです。」
それを聞いた昌胤は再度頭を下げ
「刹那殿、某が馬場殿、高坂殿、山県殿、内藤殿に繋ぎを作ります。いえ、作らせてくださりませ。」
そう言った昌胤に刹那は近づき頭を上げさせると
「昌胤殿、お願いします。」
そう一言述べた。
それから昌胤は四人に書状を書き内密に話をしたいことを伝え躑躅々崎館に招いた。
それから数日、武田四天王の四人は館に訪れた。
刹那達は警戒されないように兵を引き、残ったのは刹那と海玄だけであった。
「昌胤、我らを呼び出すとはどうゆうようだ。しかも義信様に秘密にしてとは。」
「高坂殿の疑問もよくわかります。しかし、ぜひあってほしいお方がおりまして皆様をお呼び致しました。」
「ええぃ、昌胤、回りくどい言い回しはやめよ。わしらを誰に会わせようとも織田になびくことはないぞ。亡きお館様に忠誠を誓った我らは例え義信様が誤った道を進もうとも死ぬまで忠誠をお誓いしておるのだ。」
昌景がそう言い終えると同時ほどに
「昌景よ、お前はあいかわらずよのぉ。」
そう声が聞こえた。
隣の部屋に潜んでいた海玄が昌景達の前に姿を現したのだ。
「「「「お館様っ!!」」」」
四将は思わず声を合わせてそう叫んだ。
「昌信、信春、昌景、昌豊。息災のようじゃな。」
「おっ、お館様がなぜここに。わしらはお館様の霊でも見ておるのかっ!」
「いいえ、皆様が見ているのは本物の信玄公ですよ。」
刹那はそう言いながら海玄の後ろから姿を現した。
「お主は、神威殿か!!」
「高坂殿、お久しぶりです。」
四天王の中で唯一刹那と面識のあった昌信がそう声をかけた。
「どうゆうことじゃ、なぜにお館様と刹那殿がここに?」
それから刹那は事の顛末を四人に話した。
始めは信じられなさそうにしていた四人も現にここに信玄がいることもあり信じないわけにはいかなかった。
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