チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第五章~近畿大波乱~

織田包囲網始動10

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「そうか。それは良かった。俺もできれば命を取りたくはなかったから殿が助命を聞き入れてくれて本当に助かったよ。」

「本当にあなたはお優しいお方です。敵の総大将をも殺したくはないとおっしゃるんですから。」

「仮にも松の兄上だ。直虎にとっても義兄であることに変わりはない。そうなれば生かしてやりたいと思うのが当たり前だよ。ま、本当にできるとは思わなかったけどね。」

「不可能と思われることをあなたは何度もこれまでしてきました。私はもうどんなことがあっても驚きませんよ?毎回驚いてたら神威刹那の嫁は務まりませんから。」

「ははっ、本当に頼もしい嫁だよおとわは。」

そう二人で話していると刹那に抱き抱えられている空が

「ちちうえ、そらともおはなししてくれないといやです。」

そう言って上目遣いで刹那を見てきた。

「あら、父上を母に取られて嫉妬したのかしら?」

「娘にモテるのも悪くないね。」

そう言い微笑む二人であった。

その後も空姫の甘えぶりに付き合った刹那は胸の中で空姫が寝るまでずっといろんな話を聞かされたのである。

空姫が寝た後、刹那は昼寝から起きた虎次郎と唯姫の相手をしてあっという間にその日の夜となったのである。

刹那は子供たちが寝た後、直虎夫婦を呼び四人で晩酌をすることにした。

「今日は子供たちの相手お疲れ様でした。」

「いや、いつも面倒を見てくれているおとわに比べたらたいしたことはないよ。」

「父上、あの後空たちの面倒を見られていたのですか?」

「あぁ、普段おとわに任せっきりだからね。こうゆう時くらいはと思ってね。」

「普段は松も手伝ってくれているんですよ?」

「そうなのか。松、ありがとうね。」

「いえ、皆可愛い弟と妹ですので。」

「自慢の嫁にございます。」

そう胸を張る直虎を見て笑う刹那。

「何かおかしなことを申しましたでしょうか?」

「いや、親に対してそう嫁を自慢するのを見ると本当に俺らの子だなと思ってな。」

「父上も私のことを堂々と殿やほかの重臣の方々に自慢してくださったことがあるのですよ。」

「義父上と義母上は昔から仲がよろしいのですね。」

そう微笑ましそうに言う松姫。

「そりゃ惚れた女子を嫁にしたんだ。仲が良いのは当たり前さ。松だってそうだろ?」

「はいっ。」

刹那の問いに恥ずかしそうに顔を赤らめながら応えるのであった。

翌日、空姫たちと朝餉を済ませた刹那は左近を呼びこれからのことについて話をすることにした。

「これから先、どのようにするのが良いと思う。」

「現在の状況を見るに性急にことを進めねばならんことは浅井家でしょうか。」

「やはりそうか。中央にある浅井、朝倉をどうにかせねば兵力を温存しなければならず毛利に兵を割くことが難しい。」

「今、丹波殿に頼んで浅井家の内情を調べてもらっております。」

「左近は浅井家に何か付け入る隙があると思うのか?」

「はい。ある噂を耳にしまして。それが誠のことか調べてみようかと。」

「噂?どのようなものだ。」

「当主、浅井長政殿が幽閉されていると言う噂にございます。」

「なにっ!!長政殿が幽閉だとっ。」

「現段階では噂でしかありませぬが、織田に味方すべしと言う意思を変えずに前当主久政派の家臣によって小谷城内に幽閉されていると言う噂が密かに囁かれているのです。」

「もしもそれが誠であればお市様と共に救いだし味方に引き入れれば浅井は中から崩れるかも知れん。」

「しかし、事が事だけに慎重に進めねばなりませぬ。もしもそれが敵の罠であれば隙を見せたふりをして攻める機会をうかがっているやも知れませぬ。」

「そうだな。左近、このこと任せても良いか?」

「はい。神威家筆頭家老の仕事を果たしましょう。」

「ふっ、頼もしい限りだ。補佐が必要な時は言ってくれ。」

「承知致しました。」

それからまもなくして丹波が戻ってきて浅井長政の幽閉が事実であることを知らせてくれた。

それを知った刹那はすぐに左近に長政とお市の救出を命じた。

また、刹那自身は孫市から三好に紀伊への侵攻の可能性ありと聞き兵をまとめて紀伊へと出向いていた。
家康の補佐として直親を浜松に送り、霧山御所には直虎を残し補佐に直政を置いた。

「孫市、三好の動きはどうだ。」

「殿、三好の残党が淡路に兵を集めており、和泉か紀伊、どちらかに侵攻する可能性が高くなっております。今までの流れからして和泉の岸和田城を攻める可能性が高いとは思うのですが、今までよりも兵が多いように思えますのでもしかしたら紀伊への進攻もあるのではと思いお呼び致しました。」
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